私は、白波。
晴天の大海で、一人
遠くから呼ぶ
あの太陽
の熱い眼差しを身に受けて、踊り上がる
私は、白波。

瞬時に見渡す、海面、あちらこちら
それぞれの、個性の、白波等
それぞれ ....
聞き捨てた
島へ渡る船なんて知らないから
僕らは港を探しに歩いていたんだ
見たこともない白い浜辺
ただひたすら国道のガードレールに沿いながら下る
海は眩しくてずっと近かったから
額から ....
心の芯に哀しみがある
それがどうしても声にならない

岐阜駅から長良川まで歩く
今日は少し増水している
空は曇り
私の心も曇ったまま

心がしんと冷えて
命の底を視てみると
どす黒 ....
三人の娘

京洛に育ちし娘あり
今ははや娘とは言わじ
?たけて、人妻にして
いつも遠慮し
京風なり

東北育ちは、わが妻なり
寒地に育ちし故に
勝気なり、されど
人を憐れみ,親切 ....
四番目の息が聞こえる。
父の息。
母の息。
私の息。
そして、聞こえる。
他には居るはずがない誰かの息が。

まだ幼かった私は、父母に挟まれ、狭い二階の一室で、毎夜訪れる暗闇と遭遇してい ....
1

冷えた容器を手に リビングへ行くと
あなたは爪を切っている
手がふさがっているので
スプーンですくったむきピース
口に入れてあげる

一昨日とった出汁に
気持ち良さそうに浸かっ ....
            |           
            |
           ごく、
         近視眼的思考で
      詩のようなものを書いたなら
     ....
目の痒み 天に蔓延(はびこ)る春霞

イヤイヤ 踊り
ヒソヒソ 話し
ハラハラ 散るらむ

花びらたちは地面に広がり、お喋りを始めている。人間達にジロジロ見られるのも、愛想笑いをするのも、 ....
【夜景】
月明かりが柔らかに肩を撫で
こんな夜は振り返ると良い

視界と記憶を超えて
永遠の束縛にうごめき
点々と小さく弱々しく
くっきりと何処までも続くのは

あれは夜光虫ではない ....
コサメが降ってきた。波板の上で踊りだしたようで、だんだんうるさくなっていく。
開けていた窓を閉めようとすると踊りがやんだ。どうやら、見られたくないようだ。
大きな風が吹きカーテンを揺らす。たぶんオ ....
{引用=−−フレデリック・ショパン「夜想曲第十番」に}

  石膏の雨は
  落ちてきて 割れた
  さっき みじかい嵐は
  苔いろの器を引っ掻いていた


  渦のような部屋の 何 ....
クロッカスは一斉に咲く
身を寄せ合って揺れている
つめたい春の風に
小さくなって震えながら

ちょっと離れて
鉢植えの福寿草 まだ一輪だけ
太陽の親戚筋とでも言いたげに
少々毒気のある ....
故郷(ふるさと)の人無き駅にたたずめば霊(たま)あるごとく花の舞い散る 桜の花に誘われて散歩するわたしの行く手の
立ち枯れた葦の叢から飛びだした番い  
ギャッと鳴いて 慌てふためき 灌木の陰に潜る雉子
間違えはしない
登校した私を小学校の玄関で
毎朝迎えて ....
鮮やかな椿を思わせる香りを纏い
黒烏の羽 または夜のような髪を靡かせ その女は崖に立っていた。
服は果肉の赤。
見かけないものだが 昔に見た列を成して担がれている神輿に乗っている女が着ていたもの ....
眠気に包まれた祈りが煙の海を泳いでいる
硝子越しに並んだ雑誌の女たち

未だ馴れない携帯メール
     たどたどしい指先

男性誌と女性誌では
同じ美人でも漂う匂いが違っている
雄と ....
背枕を省みては どんよりと重く
降りそうで降れない燃える蝋の雲
瀕死の猫が
)はあはあと
くふくふと 、来
血(らいち)に染まれば息は幽すかな断脈
もたれることもなく
 ....
  きみに
  話しかけることができない
  脈をうつこめかみに手をふれて
  ひとつめの言葉をさがしているのに
  どうしても話しかけることができない
  うまれて初めての夜がきた ....
いく春の季(とき)急かせる花散らし 舞う花の中ひとり彷徨う 僕の歩速はアンダンテ
歩幅はきみを抱きしめるときの喜び

世界はストーンサークル
星の影を測る物差し

僕の耳はユーフォニューム
B♭で風の音を聴く貝殻

きみは狂った時計が時を刻む ....
 桜の花は満開で 君は一つの時代を卒業した。
 休むまもなく 新しい時代はめぐる。
 心の準備は出来たかい?
 いま少しだけ 幼い君でいてもいいんだよ。

 健気に咲いている花を見て君は ....
遥か遠い地からやってきたという
鳥は上空に弧を描き
ここが大地の中心だと{ルビ鳴く=さけぶ}
指先に集約された生命は懺悔と熟慮を束ね
折り込めば人間の象を司る

{ルビ坩堝=るつぼ}のよう ....
σ

花開き遠く煙りて 桃色の雲と見紛う春霞かな

σ σ

色黒だって匂いだけでつられてく 花の香りを打ち消しながら

σ σ σ

花見酒 宴たけなわで切ったもの 仕舞い ....
(虹が丘はなんで虹なんだろう?
(おじいちゃんに聞いてみなくっちゃ

今日も虹が丘に行くよ
ちいちゃんと早く遊びたい

そしてあの
キラキラ虹のように光って
なめると夢のように甘くて
 ....
「みんなが俺を蹴りやがる
逃げても逃げても追って来る
囲まれては蹴りまくられて
仕舞には頭突きでふっとばされて
時には拳で殴られて
そんな毎日 地獄の日々―― 」


「みんなが私に夢 ....
  {ルビ雷=いかずち}が 遠くの空に
  かなしい光をふるわせた
  あなたの膝に置かれていた
  羊の彫刻は床に落ちた



  眠りに似た川の聲は
  月明かりとともに  ....
かすみ立つ里わの花に小鳥まう長き春日を声聞き暮らす 【龍人】
滑らかに曲がって
緩やかに曲がって
何時までも曲がって
何処までも曲がって

掌の記憶の球体
見覚えのある顔
球体を眺める
目の奥が笑う

掌の人の形
見覚えのある顔 ....
  青年は日暮れに
  読みさしの新聞をとじた まもなく一日が終わる
  {ルビ先刻=さっき}まで心地よかった空調がいまは窮屈でしかない
  握り固めた紙切れに似た 心のなかには何年も前 ....
  夕立のなかを
  わたしたちはとおり過ぎる
  云うことがなくなって
  胸のなかをおよいでいた
  魚たちはさっきいなくなって
  あなたの透明な顔がかなしい
  あなたの息 ....
黒木アンさんのおすすめリスト(62)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
海の合唱- 服部 剛自由詩515-4-20
海をわたる「残光2015」- アラガイ ...自由詩18*15-4-20
太陽- 渡辺亘自由詩1015-4-19
三人の娘- 生田 稔自由詩115-4-18
四番目の息- 宣井龍人自由詩19*15-4-17
ラブ&ピース- とよよん自由詩9*15-4-14
ビバ、老眼!- 夏美かを ...自由詩37*15-4-13
散桜- とよよん自由詩6*15-4-12
七つの闇- 宣井龍人自由詩7*15-4-11
ハルノコサメ(とよよんさんとの連詩有り)- こひもと ...自由詩6*15-4-10
石膏- 草野春心自由詩415-4-8
どこかの庭で- ただのみ ...自由詩17*15-4-8
限界集落- 星野つば ...短歌715-4-8
雉子- イナエ自由詩15*15-4-7
黒艶姫- クロヱ自由詩2*15-4-6
晴れの日にブルース- ただのみ ...自由詩18*15-4-4
四月の赤い夜- アラガイ ...自由詩9*15-4-4
話しかけることができない- 草野春心自由詩615-4-3
花が散ります- 星野つば ...短歌215-4-3
アンダンテ- 梅昆布茶自由詩15*15-4-2
娘に- ヒヤシン ...自由詩11*15-4-2
◎合図の朝- 由木名緒 ...自由詩8*15-4-2
タンカ詩「サクラ」- とよよん自由詩4*15-4-1
虹が丘のひみつ(続_チョコチップクッキーは大切なお友達に)- とよよん自由詩5*15-4-1
雪のとけた校庭で- ただのみ ...自由詩20*15-4-1
- 草野春心自由詩415-3-29
かすみ立つ里わの花に小鳥まう長き春日を声聞き暮らす- 星野つば ...短歌215-3-29
龍人さんへの小詩集- 宣井龍人自由詩13*15-3-29
小糠雨- 草野春心自由詩315-3-28
夕立のなかを- 草野春心自由詩415-3-28

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