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まっしろなカップに
夜が満ちる
からっぽなわたしは
真っ暗な部屋で
夜を見つめてすごす
安堵のなか
ごくり ....
ガタコトゆくのは2両電車
田舎のしがない私鉄です
その座席に座るわたしは
上下左右にからだすべてが
揺れるのです ....
しゅんしゅんしゅんと
蓋をカタカタ鳴らしながら
やかんがじれている
それを尻目にガリガリと豆を挽く
ペーパーフィルターの二辺を
丁 ....
すべてが寝静まり
寝返りと寝言の中で
やかんを磨く
あしたはどんな一日に
なるだろう
油で汚れ焼けた ....
ゆきのひつじが
はらはらと
いっぴき、にひき
ねむれぬよるに
ふりつもる
はるをまって
....
毎朝冷たい風に吹かれながら
洗濯物を干すその手は
ひどくかさつき荒れていた
誰よりも早く起き
米を研ぎ、味噌汁をつく ....
家が死んだ
広い庭に大きな木のある
昔ながらの家だった
縁側のあった家は壊され
大きな木はどこかへ運ばれた
乾かす洗濯物も ....
薄暗い台所で
小さなボールを抱え
温めた牛乳を昔ながらの泡立て器で
けんめいに泡立てる
しゅんしゅんしゅんと薬缶が
今にも ....
ただの水じゃないかって?
まったくちがうよ、
いや炭酸かどうかじゃなくて
このボトルの泡たちは宇宙の星なんだ
だからこの泡たちを飲み干して
....