朝 丘珠空港へ迎えに行く
プロペラ機は八月の空をけたたましく滑り降り
ゲートをくぐる人々は無事届けられた
天からのギフトのように
トランクとリュックを下げた若者を見つけ
片言みたいに 荷物を ....
寒いのか明朝体で鳴く蝉よ 人形も関節から
壊れてゆく、ら
しい。継ぎ目は
いつだって弱い
場所だからね。
かつてあなたが
若かった頃、肘
も、膝も、首も
指の中に取り付
けられた小さな
関節たちも、み
な ....
冷たく発光する電球に
逆子の妖精が閉じ込められている
きみは彼の為に
指で十字の影絵を作って歌っている

暗闇には獣が潜んでいるからと
避ける人の本能が
彼を世界から追放したんだね
 ....
こんなに木に光をまとわせたらいけないよ

ツリーに光を飾るのは

大きな木のしたから星空を見つめる

そのものまねなんだから

もうすこし減らしたほうが

星空を見つめているような気になれるから

こ ....
世界がひとつの終末へ向かって集約されて往く時代
世界はひとりの詩人の透明多面性により屈折分散する

時空を超えた鳥瞰図は迷える自我を慰めても
空腹に泣く赤子ひとり救えはしない
言葉は時に力  ....
僕はとどまりませんこの場所に
常に風化してさらさらと崩れて行く足元

時間というものが上下にあるいは前後に
はたまた螺旋状にきりきりと流れるものかなんて
ぜんぜん解らないのですから

空 ....
何かが見えたような気になる



空は空の色
水は水の色
あの花はあの花の色
その人はその人の色

青と透明と赤と頑固者
決めてしまえば
安心だし便利だ

でもそうは思 ....
硬い枯葉を踏み拉きながら
散文的な午睡に遊ぶ、少年期 

定規の下の眼球、
或は乾燥花を敷詰めた球瓶装置

靴の花瓶に一輪挿の薔薇があり
田舎町――それは不安の町だが私には一抹の安寧を与 ....
不謹慎ですね
きっと
でも笑ってしまいます
感傷を持ち寄って
灯して酔いしれて
そうゆう時と場所が欲しいのですね
明日への活力
というより
デトックス
上手くできる人ほど
生き方も ....
バナナ軸レモン曜日に真っ直ぐに



洗い場にぽんぽんぽんぽタヌキノコ



赤ちゃんのほっぺのまろみ三毛がペロ



君の背のくろいのりしろ押さえてる



プロ級だ ....
ジェラシーが食欲を奪ってくれない 「皆殺し」

眠れないので改造しておりました
極彩色のペンチで
灰色をたくさんつくったのです
死んでいるみたいな街が
ついに
本当に死ぬ
夜の反対側で
針金みたいな警察官が
ド ....
水が集まる
眠らない真夜中のドアに

水道の蛇口が少しゆるんでる
しずくを跳ねている
泣いている 恋人の砦


水が集まる
朝日に映える信号の一列

三階建てのビルの裏に
水は ....
人間の行為を肯定するために幸せは捏造されました。仕事、ギャンブル、放浪、それが幸せであれば許される、そんな風に幸せでもないことが幸せ扱いされましたが、当の幸せ自体は空っぽの何でもありでしかなか .... 着ぐるみの人の世に生きて熊さんは今年定年なんだという 

嫁の半ばっちゴムが弛んで履き頃とゆずってもらって二年

2032年まで予約でいっぱい死に切れません団塊のひとは

親指赤切れてギタ ....
 冬
誰もが道行く姿に目をみはった
くすんだ家並の下町
それは何よりも奇異に映えた

女は山の手の私立病院に通う
病人ではない、看護師で
給料とボーナスを貯めて八年
恋人のひとりも作ら ....
わたしはわたしの詩の中から
書いているわたしを見つめていた
ある日それは贅肉を削ぎ落とす行為
やがて臓器を切り売りして
かつて愛したものの首を絞め
部屋中に灯油を撒いた
見限ることにしたの ....
ものごころがついた頃から
僕はどこまでも透明に近い
風船だった

鳩時計式の心臓から伸びる
静脈と動脈が一番こんがらがったあたりに
震えながら潜んでいる僕自身を
誰もがたやすく見つけ ....
やわらかい殻にいっぱいの息

わたしは風船だな

見える触れる存在を

地上に繋ぎとめているのは

幼子の手のひらのような柔らかい絆だけ

父の肩車でぽってり眠ると

結んだ力 ....
  全開にすると全世界が流れだす蛇口を、今日もきみは10%ひねる 休みの日
うだうだ家にいる

仕事では夜の首都圏を走る
赤羽 池袋 新宿 渋谷 神田 三田 五反田
駒沢 荻窪 吉祥寺 青梅

池袋や新宿歌舞伎町には
所在なげなあるいは
あきらかに ....
{画像=141123182108.jpg}
(京葉線東京駅、東京国際フォーラムの朝焼け)





電車にもたれ
風を切る音に身を任せる
いつもは
意識の外に置いている音や揺れ
 ....
久しぶりに息継ぎしたら
歯磨き粉みたいな
ノスタルジイが
喉に染み渡った

垣間見た空は遠すぎて
その場限りの
センチメンタルなんて
届きそうになかった

きっぱりと反転して
 ....
お口はこんなに丸いのにどうして漢字は四角いの
せめてニとか皿とかの方が口に近いよね
口は三画だけど四角で△□に〇い口

口から生まれた口太郎
口から生んだ母は歯が出て間口が広い
歯のせいで ....
{引用=

鳩尾に浮かぶ双子星は
並んでいるだけで強い
片方の光で片方の
存在が影に隠れてしまっても
油を注がれる時は
いつも同じように

僕たちは
宇宙の切れ端を集めて
繋ぎ合 ....
一ヶ月半に一回
一週間
あなたが入院する

おれは
その日
一日だけ
したたか
宝焼酎を飲み
したたか
あなたの
輝きを

おもいだす。

いまも。
水槽の中を泳ぎ回るネオンテトラを見続けています、
いますと、空に浮かぶように小さくて、愛らしくて、
、こうしていつまで眺めていても見飽きないのです、ですが、
話かけていると話かけてくるので ....
なんども息を吹きかけて。熱いチキンドリア。周縁からスプーンで崩しながら口に運んでゆく。お水とって。コップに水、を注ぐ。水、を飲む。また、なんども息を。冷めるまで。そのくり返し。飲食、するあなた。その体 .... トイレに駆け込み排便する
ああ、すっきり!
尻までしっかり手を伸ばして拭き取った後
レバーを下げれば
ばい菌まみれの そのおぞましい物体は
あっという間に流れ去る
そのうち臭いも消えるだろ ....
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