すべてのおすすめ
標本になった眼球
         島中 充          
ガラスの向こう そのむこう 窓ガラスのむこうに
水銀灯に照らされ さくらの花が満開でした
風が吹いたのか
さらさら  ....
薬を与えられ
曝し首にひとつひとつ丁寧に並べられて
菊は咲く
結ぶ露にさえ重すぎて
添え木に縛られ 立ったまま咲いている

花の高さにあなたは背伸びをして
「真夜中にも美しく咲いているの ....
雑木林の木々に囲まれた湿った寂しい道を登ると
不意に緑の沼に射すくめられる。
ホテイアオイがゆっくりと揺れ ボーボーとウシガエルが鳴いていた。
あの年 この沼にまるまる肥った川エビがわいた。
 ....
サンタクロースのような大きな袋を自転車の左右に後ろに
三つもくくりつけて
左右にゆれながら
カンひろいの自転車がころんだ
大きな音を立てた
みんなが見ていた
陸橋の上から詩の合評会の帰り  ....
さかなの匂うまちから
黒い袋を抱えて
私は電車の席に座っている
黒い袋をおさえて
乗客の視線が私の膝の上に集まっている
おさえても おさえても 黒い袋が動くのだ
死にたくはないと跳ねるのだ ....
      傷跡               
一八才の少女は右手にカッターを握り、タイルに座り込んでいた。湯気が立ちのぼり、蛇口から湯の落ちる音がうるさかった

四年生の時、体育の授業で一輪車 ....
                 
ぼくは大切に飼っていたのである
泥川からザリガニを取ってきて 喰わせた
嘴の一突きで赤い頭を割り ピーコは喰った

切り株のうえに 
おとうさんは羽を押 ....
人間は同じことをしてきた
ホロコースト ボスニア アルメニア ポルポト ルワンダ パレスチナ
人間は同じことをする
同じことをしてきたから
同じことをされる前に
同じことをしろと 同じことを ....
      肉腫

ウクライナで民間機が撃墜された日
駅前のロータリー 車のうえから叫ぶモノがいた
シナ人を追い出せ 朝鮮人を追い出せ 叩き出せ 殺せ

安田講堂に全共闘の旗がひるがえり  ....
     さくら
ガラスの向こう そのむこう 窓ガラスのむこうに
水銀灯に照らされ さくらの花が満開でした
風が吹いたのか
さらさら さらさらと 寂しく花びらが舞っています

レモンの匂う ....
相沢才永さんの島中 充さんおすすめリスト(10)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
標本になった眼球- 島中 充自由詩221-11-3
詩花- 島中 充自由詩6*14-11-13
- 島中 充自由詩4*14-11-3
香港で若者が問う日に- 島中 充自由詩3*14-10-30
_かぶと- 島中 充自由詩6*14-10-23
傷跡- 島中 充散文(批評 ...314-9-30
ピーコ- 島中 充自由詩5*14-9-26
浄化- 島中 充自由詩114-9-17
肉腫- 島中 充自由詩314-9-10
さくら- 島中 充自由詩714-9-9

Home
すべてのおすすめを表示する
推薦者と被推薦者を反転する