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寝ても覚めても
迸る感情
君の事を想いつつ
朝日が昇る
まだ形状の定まらない
流体の太陽
金床に流し込み
躊躇の槌で打ちつける
超高温の金属は
赫灼と輝き
理性 ....
花びらが螺旋をえがきながら
どこまでも昇ってゆくのは
風がすこしばかり
あかね色にふきはじめる
こんな季節だ。
まわりの空が
息苦しくなるほど
蒼く変わってゆく。
果てにあるものが ....
お金払って天使が降りてくるとき
お金払って魔法が効いてくるとき
お金でそんなもの買えないと言うけれど
あるのだからしょうがない
お金で売り買いされてはいないけれど
手元に残るその感覚 ....
手を振り返さなければ乗れた終電
そっと今も
地球に隠されている
新しい一日には
夜明けの太陽から
陽射しが煌めいて
鳥たちが
鳴き始める約束の朝
窓を開ける
君の微笑みに
旧来の知人から
感謝の手紙が届い ....
僕たちはすれ違う小彗星のように
尾をひきながら歌って生きてゆくのだ
そのときに交感した想いだけが
やさしいえねるぎーとなってさらに
宇宙の深奥へと誘われる生命なのだから
まだ魚だった ....
あたしは女のゲイなんじゃないか
あたしは性同一障害でほんとは男で
しかもゲイなんじゃないか
そんなことをあるときハッと思って
それ以来ぼんやりそう思っている
あたしの脳が ....
何年ぶりだろう
二人で食べる黒蜜のあんみつ
手術前のある日の病室
老舗の和菓子屋の前を通り
ふと気づいて買った
お土産のあんみつ
あんみつの中には
紅白の求肥や赤豌豆
漉し ....
茄子を収穫するときは
少し手前の枝ごと切りなさいと
教わった
少し大きくなったら三本仕立てにするんだよ
と
久しぶりの晴天で
開け放ったカーテンに蝉がしがみついて
鳴いてる
大声を ....
今日街で
出歩く人々の背中を見ていた
僕も 彼らの流れに分け入って
流れる方へと歩いていった
だけどどこへ向かっていくのだろう
ここではない 心の中で思う場所へ
だけど思いもしない ....
少し休みませんか
あなた頑張り屋さんね
手が言ってるわ ヘトヘト
でもあなた泣いたことないね
どうしてなんでしょう?
少し前
金環日食の起こった年でした
....
網膜を行き過ぎる詩語硬直の行列
心は、始めから無い表情を隠し
意味は美を名目に犬となって瞑目する
――沈黙するロバの耳
灰色にずっと燃えている虫はかすかに
茜色の玉を胸に ....
少し悲しくなったり
少し辛くなったら
ここの海へおいで
たくさんの悲しみを
たくさんの辛さを
持ってきてはいけないよ
海が真っ黒になってしまうからね
涙を拭いて
裸足でくる ....
どうしようもない気持ちだけを抱え
90円を握り締め
僕は今、電話ボックスに
電話をかけた事のある人なんて
僕にはいないけど
今時誰も使わない電話ボックス
重いドアを開け
暑苦しい ....
{画像=140913144617.jpg}
僕たちはいつも何かに憧れ
僕たちはいつも何かに付き従っていた
特別な何かは空虚な私を満たして
あたかも違う何者かであるように
僕た ....
月光に色彩を失った体温がナイフを研ぐ
知恵は分裂と融合を繰り返し
情欲に肥大した心が沸騰している
突出した眼が揺れて
生じた眉間の隙間にナイフが潜り込み
矛盾にゆれる知性を切り裂いていく
....