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ぼくらは言葉を繋げて
この暗い宇宙を何処まで渡って往けるだろう
一冊の詩集が時を越えることは
真空パックの棺が難破船のように
意識の浅瀬に漂着し鮮やかに燃え上ることだ
死んだ詩人についての{ ....
黒い視線がデッサンを始める
その前に
匂やか印象だけを舌先に灯し
駆け引き
{ルビ張子=はりこ}のロマンス欲情田舎芝居
止まずに
降り続く冷たい天使の死 ....
破水した光の{ルビ枝垂=しなだ}れ
終わらない夏の囚われ
わたしは煮え立つ釜のよう
せめぎ合いの果てに溢れ出す
しろくのけぞる
朝顔のうなじ
....
きれいな心は何処ですか
魚も河童も住みませんか
七色の嘘が必要ですか
薄めた毒で酔いますか
澄んだ瞳は悲しいですか
焼かれる人と笑う人
澄んだ空ほど悲しいですね
永久と泡沫が近すぎて ....
ゆっくり飛ぶことを覚えると
世界中が振動していた
いのちは飛沫を上げて
たゆたいゆらいでいた
風が凪げばふわり
お天道様と池の間に佇んで
煌めきって残酷だ
元気なものへは恩恵
弱ったも ....
犬を連れた二人の男が行き会った
血統書付きの犬を連れた方が自慢を始め もう一方に
「雑種なんか飼うのは時間の無駄だよ」
ああ 好きか嫌いか別として
そんな考え方があってもいいのだろう
もっと ....