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細長いため息を吐けば
雨になって壁に突き刺さる

仮面を剥いでも
表皮が乾いた途端また
次の仮面が顔を覆う

背中に羽根が生えたせいで
バランスが取りづらい
かさばって満員電車で邪魔 ....
  土嚢でも背負っているのだろうか
  きょうの町は、肩の辺りが硬く強張っている
  木陰のところで音楽は重なりあって死んでいる
  物欲しげな野犬は吸い殻に鼻を近づけやがて立ち去った
 ....
輝かしいね
見てると見てる自分が眩しくなる気がするよ
美しいね
あなたを見てるとあなたになった気がするよ



もうすぐ バスが来る
あなたはどこの席に乗るか気になるな ....
僕は上海の窓拭き職人になって
安い給料やままならぬ生活のことで
四苦八苦しながら生きていく
詩など作らず絵画も解さず
芸術などというものには見向きもせずに
思い描くのはせいぜい
昼の定食を ....
〈私と社会〉
社会は初め私をくるむ甘い衣のようだった。
私が一人で歩きだすと、
社会は今度は数限りない迷路と罠をしかけてきた。
私が地図を作り罠の避け方を学ぶと、
社会は今度は遠くに見える山 ....
歪んでいるこの音が心地よい

衰えた左手の指が
強く弦を押さえられなくなっていても
コードが濁っていても
GAINを上げれば
心地よい歪んだ音が出る
フレットと弦がカスれてビビっても ....
    なぜか ほほえんではくれない
   日当たりの悪い 我が家の庭隅は
   色艶に乏しくなった 紫陽花一株
     水無月の梅雨空となったのに
 葉っぱばかり大手を広げているばかり
 ....
夏至が過ぎた、と思うと
こころが細る

なにも
急激に夜が押し寄せるわけではないし
夏本番を迎えてさえいないのに
こころは焦る

やりたいことと
やらねばならぬことと
両方 ....
この辺りではこれは伝統工芸品なのですか

うちわをしずかにかたむけた老婦人は
そのようです、と言った

夏至の夕ぐれ

これがそうです、と
少しくたびれたうちわを差し出され ....
星を食べた少女は
嘘ばかりついていたから
みんなから仲間はずれにされていた

私の涙はどんな花も空色に変える、とか
私のくしゃみは太陽をほんのすこし
地球から遠ざけることができる、とか
 ....
妻が押入れの奥の
古びた柳行李を出して
何かを整理している
その後ろ姿が丸く凋んでみえて
少し不憫に感じた

これはもういらないわね
そんな事を呟きながら
妻が手にしているのは
見覚 ....
花のように違う価値観

些細なことに
うちひしがれて
長い帰りの電車の中でも
回復はしないまま

封をされた新しい紙袋が誇らしい
アクセサリーや化粧を落として眠ればまた新しい気持ち ....
ある日おふれがあって
自分を優しいと思うものは右に
そうでないものは左に並びなさい

そしたらどうする
あなたは右に並ぶのか
はたまた左に並ぶのか

どうする?

ある日
大きな ....
たまのすさんの自由詩おすすめリスト(13)
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