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その木はずっと見つめていた

なにも言わずに見つめていた

荒れた土地が整理され
人や動物が住みだし
生活がつくられていく様子を

爆弾が落ちて
焼け野原になり
それでも息を吹き返 ....
窓の結露を拭き取れば
むこうには霧がたって
ふくらみだした蕾の群れ
まばらにかたまって
微睡みの中のようにぼんやりとある

春は病み、桜は病気を体現する

まだ冷たさを保っている
寒 ....
絆創膏は彼女に優しい

いつだって

なにも言わないで
傷を覆う
傷が治っても
彼女が落ち着くまで待っている

いつまでも

僕はそれが拒絶に思えて仕方ない
絆創膏で塞がれた傷 ....
涙の要らない嘆き方
テレビの要らない日常を
かなしい事件の無い日々を

貴方は、そんなのくだらない、と言う
どこがとは言えないけど、違う気がして
一人になってから首をかしげてみる

間 ....
街灯はひとりぼっちで
ぼんやりと俯いている
その下で僕もまた
俯いて本を読んでいる
街灯に寄り掛かって
時々落ちてくる
蛍光灯の燃える音を
悴むこころで捕まえる
白く息をひとつついて
 ....
つきそこねた手鞠を追う様に
それは穏やかな足取りで
少女は薄闇の向こうへと
消えた
金木犀色の夕暮れは鬼が通るから
はやく帰っておいでなさいと
置き去りにした過去
思い出せば影が伸びてき ....
冷え切った指を折り数える

何年経ってしまったのだろう

震えてしまうほどあたたかな

思い出は両手からこぼれていく

冬枯れに弱く浮かぶあの星へ

巡り会える所まで

あと幾 ....
川瀬杏香さんの北井戸 あや子さんおすすめリスト(7)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
その、木- 北井戸 ...自由詩415-9-20
春、濁り- 北井戸 ...自由詩415-3-15
絆創膏- 北井戸 ...自由詩115-2-9
地球儀のその小さな上で- 北井戸 ...自由詩215-1-27
街灯夜想- 北井戸 ...自由詩614-12-26
消えた- 北井戸 ...自由詩214-12-23
冬枯れ- 北井戸 ...自由詩314-12-9

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