すべてのおすすめ
パワーウインドウをおろして
ぱたぱたと灰をまいている
花咲かじいさんは
浅黒い腕しかみえない
パワーウインドウをあげて
その場を去っていった
あとをにごしたものを
私はじっとみつめて ....
桜が咲いたねとか
空気が湿っているねとか
そういうことを言って、世界を楽しんだふりをして
あらゆるものを知ったかぶって
ほとんどのものをとり零しながら生きている
「梅よりも桜のほうが ....
G線上にブレーキ痕
遺書が黙示録
ここに眠る
笹舟
水のように
再会
斎のあとで
奥座敷
五月闇
なんこつ忌
探幽記
賽の原
板
りゅうぐうのつかい
料理
....
夜のキャベツに メガネをかけて
ながめるよ おほしさま
きらきらひかるよ
夜のキャベツに フォークをさして
かかげるよ おつきさま
いつかあげるよ
夜のキャベツに 鍵盤のせて
か ....
はるが来た。
決して、ただ暦のことだけじゃなく。
よのなかが、はるだ、はるだ、と騒ぎ
書店に「新生活特集」の見出し跳ね
アパレルがパステルカラーに染まり
けれど、相変わらず
わたしは黒 ....
幸せなドブネズミの尻尾ちぎれている
煌めくものも 夜の海も
涙に包まれて消えていく
朝焼けの岬も 発つ船も
そこにうつっていた
遠い空も海も
一つすくえば君の色
優しく吹く愛しさが
胸に広がって止まらない
....
栗色のひとみが
風にさらされている
窓のきわ、沈みゆく陽はとおく
きょう、
なにもいえなかった
だからたぶん、あしたも
きみになにもいえない ....
大地に根付いた気持ち
風が吹いても揺るがない
ただその花は静かに
プロペラのぺタルを
廻しはじめる
プログラミングの春
訪れる僅かの誤差
神々との約束は
更新されていく
色の匂い
目ェ凝らすと
吹雪のなかサ
色んた色した人たちが
手ェあげておどってらった
赤ェの青白ェの、黄色いの
さまざまな手やら足が
終わりの雪のなか
ヒラリヒラリとおどってらった
あぁ ....
ちょうど自分の脳を握りつぶせないような
小ささと か弱さ
まるで自分の心臓には届かないような
もどかしさと 無情さ
おそらく
そう簡単に自分ひとりでは
終われないように
造られて ....
幼いころ
せっかく瘡蓋になると
はがして食べちゃう癖があって
これがどうにもこうにもやめられない
しちゃいけない、なんてことは
五歳でもわかるんだけど
知らず知らずのうちにやってしまう
....
悪魔の顔した正義の味方
レンチ代わりのノギスで殴打
女の幸せ
玉の輿
祖母から母へと受け継がれ
夢に描くは昔も今も
宮廷貴族のおこしいれ
こしもと 従者も引き連れて
合奏酒肴の花の饗宴
長持ち牛車
嫁入り道具も豪華絢爛
十二単 ....
物語に参加している僕は
確かに主人公ではない。
何かが主人公の物語に参加しているようで
何が主人公なのかとんと分からない。
夕闇の迫った黒い森の周辺を
朱色の夕焼けを背景にした
黒い鴉 ....
社員だけど 内職を頼まれるというのは前にもあった
普段は自宅にいて内職の方がする仕事が納期に間に合わず
日中の仕事を終えてから 仕事を家に持って帰り
家事をすませてから 内職をする しかし 内職 ....
削いでほしいとおもう
まとわりつくものはいつもきれいな花びら
ではなく 鱗のような厄介なものだ
きらきらとしていても からだから離れればいいのにとおもう
あのまま 埠頭へとびこめば
綺麗 ....
なにか、やわらかい言葉を
あなたには いったほうがよかったのだが
木枯らしが身を刺す日
かたむいたなんらかの光
洞のなかの熊に似たあやうさが
あな ....
そうです 私は妥協しません
私はイケメンでお金を持っていて
若くて、良い大学を出ていて
将来有望な男性と結婚します
そうです 私は妥協しません
だから、そこらの男 ....
笑えなくなった私のために
夫が遠い町から
戻ってきてくれた
他愛ないお喋りで
笑わせてくれた
眠れなくなった私のために
遠い町から戻った夫が
隣で眠ってくれた
寝息…そしていびき
....
すごく辛かったあの夏の日
あなたの言葉に救われた
どう生きていこうか
行き先を見失った私を 温かい心で
包んでくれたね
楽しい時間は過ぎたから
あと少しで離れ離れになるね
....
かなしくてさみしいゆめをみた
なにも思い出したくない
どうしょうもなくて、こどものように泣いた
鼻の奥がつんと痛くて、なみだがとまらなかった
やわらかな毛布につつまれたまま、身動き ....
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