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テーブルの隅に重ねた手紙も
椅子の背に掛けたタオルも
乱されてはいなかったけれど
さっきまでここに猿がいたことはわかった
茶と金の間のような色合いの体毛は
一 ....
日がないちにち、きみは
ふたの閉じたオルガンにむかっていた
やりばのないかなしみはもう、
とうの昔に過ぎさったはずなのに
雨をうけた一頭のサフォークが
抱いて ....
貘の食べ残した悪い夢が
きみの唇のまわりに散らかっている朝
窓越しにみえる庭は 素晴らしく綺麗だ
気丈な松の樹に 少しだけ雪がかぶさって
玉砂利は少女のごとく濡れ ....