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誰も知らない
幸福のありか
僕は僕の方から
手をのばす、幸福へ
滴り落ちる悲しみが
感情の面に作った波紋
きみは遠くを見つめ
感情に手を浸し、
さよならを知っていると
きみは ....
人の体温に恋して
霊は家に住み着くらしい
頼んだわけでもないけれど
周りにたむろする木や草の
のぞき込む好奇心を追い返し
昼間 人が出かけても
テーブルの下 柱の陰
ドアの後ろの暗が ....
彼が初めて発した言葉から、醜いののしり合いが始まる
彼が初めて刃物を持った朝、私の人生は緩やかに終わっていく
未来の子供には言葉の正しい効用と、性交の正しい効果を
教えてあげなければいけない
....
空想の翼と妄想の足枷
境はあっても壁はない
空と海のように
神学と罪状を彫刻された
流木は風と潮に運ばれる
翼もなければ鰭もない
時折 鳥が降りて来て憩い
流木の節くれだった目を ....
夜の匂いを忘れてしまうまえに
早くしなくちゃ、って思ったんだ
玄関から一歩踏み出したときに
夜の匂いがするということは
昼間とてもあったかかったということかな
熱が土にたまって、それが噴 ....
光しか見ていない人は
本物の光は描けない
遠ざかる
深夜
かえるはないている
あちらへ
ちかづきゆく
宙
零時の
あなたよ
覚えていましたね
しんなりする石
あいさつの
あまおと
え ....
ふわっと秋のにおいが わたしの頬を通り過ぎ
あの日を思い出す
だいだいいろの あの花は
今日も誰かを傷つける
少し寒い秋の風が わたしを通り過ぎ
あの場所へとさらってゆく
....
きっと誰しもの心にねこはいる。
ふ、とそのやわらかい毛並みに触れることがあるだろう。
ふ、とひらがなではなしをしたくなることがあるだろう。
きっと誰しもがねこになりたい。
ねこはあなたを見 ....
太陽から少し離れただけで肌寒い
少し
少しってなんだろう
肌寒さはこんなに身にしみるのに
外灯が先週よりも
せんさいで優しかった
恋人たちも先週より
せつ ....
ある夏の暮れ、一匹の虫が空を見ていました。それは万華鏡をかざし見たような小さな空でした。その空から、突然雪でも雨でもないものが降ってきたのです。それは風船でした。24色の大小様々な丸い風船はクレヨンが ....