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打ち上げられた六百頭のクジラにナイフを刺した
どうしようもなく大きなかたまり
どうしようもなく身を投げた人の命が溶け込んでいるから
潮の匂いは生の匂いがする
冷えた肉体をプランクトンが分解 ....
グッドラック、発したことない言葉
語感のよさだけが残る
旅立つ日の特別な高揚感は
からんだ糸をほぐす
まだカーテンのない部屋
白い靴下の大きな男たちが運び込んでいくダンボール
馴染んだ ....
胎内の音は覚えていられないね
夜明けの前のカラスの声も
皮膚の下の七割の水は今も轟々と音を立てているというのに
わたしたちの耳は気づかない
潮で錆びた看板や港町の工場や
点在する小さ ....