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瓶詰めの淡い桜の花びらに葬られている背骨がふたつ
水仙を手折った君の指先が夕陽で赤くて綺麗で恐くて
ぬるいよる鏡の自分と目が合ってさびしそうだねって笑ってあげたの ....
二行目の感情をうたうドレミファソラシドの次のこわれやすいおと
マイブームは立ち入り禁止のこの庭で溺れるための井戸を掘ること
思い出はぜんぶさくらのいい匂い/スロウ/な/シャ ....
{引用=
夜
}
水底で送受信を繰り返すようなあなたのさびしさが好き
水道水注いだグラスを一度きり鳴らして僕らは夜へと、流れて
満月の灼熱のようなかなしみに入水してゆ ....
防水が付された言葉の鈍角が扉を叩いているのを見ていた
ロシアンティー陶器の縁が欠けていて言葉は絶えて積もる骨の春
精巧なデコイを彫った。単音の別離はかちりと錠を回した。
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あの頃に僕らが描いた王国はシャボンみたいな永遠だった?
PH2のコーラの海できらきらと二人のあぶくが輪廻している
レシートに走り書きした名前なら商品棚にあるよ(誰だっけ?)
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こめかみにあてたガラスのピストルの引き金を君に引いてほしいの
さびしさに湿った獣を飼っている、解かれた鎖、と投げ出した足、
両親の祖父母の曾祖父母の骨でできたリコーダーを吹く小学生 ....
黒板の日直欄は空っぽでもう聞こえない幼い号令
すみっこでカロリーメイトをかじってる後ろ姿に見覚えがある
段ボール製のアポロの操縦桿左に倒して難破しようよ
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