タイトルから察せられるように、これは僕の書いた「異常な時代に抗する言葉」(http://po-m.com/forum/showdoc.php?did=45141)から巻き起こった反論と論争、特にケムリさんの書いた「異常な時代の演出家は誰だ」(http://po-m.com/forum/showdoc.php?did=45580)とそのコメント欄での発言に対する答です。答になっているかどうか、はな .... 夜の漁から戻ってきたとき
さびれた銀のバケツの中に 一匹の{ルビ河豚=ふぐ}を入れました
おじいが売り物にならないと云ったから
じゃあ飼っても良いの と訊いて
まだ おじいの返事がないうちに
たっぷりの海水と一緒に {ルビ河豚=ふぐ}をバケツに入れました
{ルビ河豚=ふぐ}は バケツの中で二回三回ぐるぐると遊泳して
そのつるつるした身を バケツのいちばん下に置きました
{ルビ河豚= ....
いつになく遠い道が
日差しと影と交差して
往く人々と
往った人々の隙間に
吹き抜ける息遣いを
こだまさせる

音にならないものは
光にはならない

感触のないものは
姿にはならない

あるべきものがなくなる

思わないそぶりが
本当にあるのか?

磨耗する時間の経過が
あまりにもじれったい

酒が吐かせる言葉
性格が吐かせる言葉
素直な言葉

ど ....
だらだらと
ソフトクリームが垂れるみたいに
だらだらと夏
この一日を生きていて
気持ちいい

後悔と偽悪の間に
うすく蝉が鳴いて
昼間になると
うすい雲が空を
覆う

ぐずぐずと
砂山が崩れるみたいに
ぐずぐずと
炎天
その下で酔いつぶれていて楽しい

テレビではニュース
政治のニュース
細かいビーズのカウチで見る
誰も厳しい以外口にしない五分
水を飲む ....
 
 未練が忍んで 訪ねる夜は
 畳の部屋で 灯り おとして
 膝を立てて 俯いて
 女が爪を摘むのです


 ちぎれた身の内一つのものの
 行方さえ 問えぬよう
 男の居場所を 問わぬよう
 我が身の先を摘むのです


 痛みに無縁なぶんだけに
 懐かしい曲を流し
 心の中で血を流し
 一つ一つ摘むのです


 薄笑いを浮かべながら
 誰かの背中を刺せるよ ....
玄関の靴脱ぎ場で
わたしはあなたと話をしていた
あなたの欲しい不動産の話
わたしの欲しい不動産の話
玄関のドアは閉まっていた

肩にかけた鞄
夏の玄関は暑く隙間もない
わたしは不動産を見る
間取り
間取り
間取り
今度はどの部屋にしようか

そのうちに
鉛筆を持った男が
玄関のドアを開け
入ってきた

知らない男

夢を見ているのかもしれない
鉛筆を持っ ....
幽閉されたのは
地上と空の隙間
鳥よりも下で
ぼくは生きる

人間にもなれない
あいまいさ
クラップ ハンズ
だれにも触れられない手を
たたいてる



雨がふればいい
手拍子に誘われて
7月の世界に
雨がふればいい
洗い場には
石鹸の代わりに豆腐があった
かじると
石鹸の味がした

食卓には
冷奴の代わりに石鹸があった
かじると
やはり石鹸の味がした

豆腐はすべて食べてしまったの
と言いながら
絹ごしのような白い手で
妻はビールを注いでくれる

ベッドの上には
枕の代わりに
ぐちゃぐちゃになった豆腐があった
もうかじらなくてもわかる
本当はこんなにたくさん
食べ残 ....
衆議院が解散して、総選挙となる。
日本の行く末を握る選挙らしい。

ここ最近の選挙は、投票率がとても低い。
地方でも国政でも、その低さは、冷静に考えてみれば、
たぶん、とんでもないことなんだろう。

投票率が50%以下。
参政権を持つ、半分の人の意見しか、反映されてない、ということ。
きっとみんな、自分の1票では、なにも変わらないって知ってる。

投票率が50%以下。
 ....
八月、
太陽が終わりのない明るさで街を照らす八月、
影のない者は日陰をたどって歩く
わずかなあいだなら
太陽を見据えることもできるが
かれには影がない
影のない者は太陽の下を歩くことはできない


八月、
影のない者が通り過ぎる
影のない者は曲がりくねった裏通りをゆく、
太陽の明るさから身を隠しながら
かれにもかつて影があった、
二十世紀の終わりまでは
かれにもかつて ....
難しくて、よくわかりません
もっと簡単に説明してはくれませんか
君の気持ちが複雑なのはよく知っています
だけど、それではわかりたい願望が強まってしまうだけで
ひとりよがりな、恋は続いてしまいます

難しくて、よくわかりません
もっと簡潔に述べてはくれませんか
君のトラウマが強烈なのはよく知っていますが
それでは乱雑に並べられたパズルと同じ
夢中になって、探してしまいそうになりま ....
鮮やかな青春の残像が鋭く深く、私の理性の隙間に入り込む
紺色のオブラートに包まれたそれは
誰も触れることの無い呼吸を営み
現在の全てを拒絶する
何故の存在で、その奇妙な横顔を垣間見せるのか
鈍い痛みの破調に包まれ
時折、私は、夢を見る

あの出会いの日から 別れの日まで
意味ある9年の全ての日々に少年の彼が居た
基礎なる思いは、信仰にも似たような
二人の鼓動は、同じ時を刻み
 ....
今朝すれちがった女の子のビニール傘の
持ち手の色は雨の街に浮き立つ人工ピンク
沈むことのない色をのせてまわる世界で
雨にも負けズ人類は渇く

ピンクというのはなーんか迷っている色
赤と白の中間にいる色
生まれてきたのと死んでしまったのとの境目
生殖できます、のしるし総天然ピンク

スマートな交配のための個体差
それぞれに違うはずのピンク
でもパッケージは似てるほうが人気、迷 ....
一年に一度だけ、
わたしと母は、海草をとりに、
江ノ島に向かう、
その途中に、枯れ木の門がある。
昔、「厚生病院」と呼ばれた場所の前を、
母の運転する車で通る。
信号待ちで、助手席から、
裏庭はどこかと目で追う。
車窓にはりついた、
すねたペンギンのグッズが、景色の中に浮かぶ。

少年だったわたしは、
病院の裏庭で、
たったひとりで、
ウルトラマンの人形をもって、
笑 ....
明日ははみだっ子たちの朗読会があります
今年の二月から高円寺の無力無善寺で月1回、基本的に第四水曜日に開催している朗読会で、
おれたち声を出してみようぜ!
声とことばを取り戻そうぜ!という会でして、
詩人じゃなくても詩っぽくなくても、誰でも参加できます。
一人だいたい5分間の持ち時間があって、みんなのステージが終了したのちに
だいたいゲストの人が15分くらいします。時間が余っている時な ....
「世界と自分の間の信頼関係を確認したい」(そのためには自分の肉体が損なわれても良い)といった覚悟で公演に臨んだ表現者の姿勢が、

だとぉ!

ちきしょぉ、「確認したい」だぁ?
俺が、生活のなかで満たされない部分を舞台で満たそうとしていると思っているわけかよ!
舞台で「確認行為」なんかをすると思っているわけかよ!
おめぇが俺をどの程度に評価しているのか、よっく判ったよ!
ぜったい忘れ ....
下る――
ある昼と夜に、ありふれた昼と夜に、
長く古い階段を、地下の駅へと、


下る――
ひび割れた鏡の壁、踊り場の剥がれた床、
片方だけ壊れた照明、唸る空調のなかを


送風管から軋み出てくる啜り泣きとわめく声、
鳥の羽音、軍靴の響き、なにかの砕ける音、
割れた鏡のなかから聞こえてくるのは――タンゴ!


顔の見えない男が
鏡のなかで手招きする


下る― ....
窪ワタルさんがポイントを入れずにコメントしたリスト(47)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
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