満月や野分のあとはちりほこり

脚二本欠けて眠れり秋の蜘蛛

物音や今年は柿のはづれ年

銀杏をつぶして行けり救急車

行秋や祭りのあとの歯の痛み

晩秋や恥を数へて夜もすがら

ひとり寝の布団は広し初あらし
10日、前日の余波がある。軽く流す感じで12句ほど書く。
一週間の実験も終わる。10月10日の作品。

墓標 闘争の現場あの世は激しく


墓石に糞蠅ギラギラと密集


灰を壺に貯めてみて占う人生


海女の焚き火にあたると海を孕むよ


釣鐘草がしなしな飛行機が汗ばむ


ターミナル交錯する個と個の影


灰壺に宴の焔を静かに埋めて


炎 集めて ....
冷える朝 皿を洗って 湯気昇る


名も知らぬ 虫の{ルビ薄羽=うすば}が 透きとおる


落陽の 焔が燃える 西の窓


風に舞う 死んだ他人と ちり紙と
乾かないTシャツ残して出かけたら今日はいちども猫に逢えない



セーターの襟首ざっと引き上げて毛糸の匂いの世界にいるよ



パジャマから追い出されてる春だからはだかんぼうで抱きしめるんだ



遠ざかるひとのマフラー汽笛鳴るとき夕日より鮮やかな赤



ワンピースひるがえしてる女の子花より石をひろうのが好き
叫びたい怒鳴り散らしたい殴りたい泣きわめきたい君に会いたい



デリケート割れ物注意めんどくさい
夜風このままわたしを連れ去れ



世界には星の数ほど男がいて
通じ合うのはあなたくらいで



絨毯に君の時計が横たわる記憶眩しく直視できない



君探すアンテナ感度故障して何見ていても君映し出す



春が来てくしゃみが3度続いたら私のせいだと思 ....
{引用=七つ森のこつちのひとつが
水の中よりもっと明るく
そしてたいへん巨きいのに
わたくしはでこぼこ凍ったみちをふみ
このでこぼこの雪をふみ
向ふの縮れた亜鉛の雲へ
陰気な郵便脚夫のやうに
   (またアラツディン 洋燈とり)
急がなければならないのか

           「屈折率」 宮沢賢治}
 


上京して二年が過ぎた。
 冬晴れの暖かな日だった。暖かな陽 ....
うぐひすやゴミ捨てる人拾ふ人

やはらかき子猫の腹や春の風

菜の花やまにまに猫はキスをして



会ふたびに会ふたびに胸はあたたかし

片恋や今宵の花は一分咲き

春眠や夢もうつつも闇の恋

犬連れて思ふ人あり花すみれ

天に花地には菫ぞ恋の道

花一ツ散って恋知る男かな

恋に狂ふさだめもあらん落椿



使はれぬ杖はわびしや祖母の春


 ....
私はよくモノを書く

自分なりに

捻りを加えて

それでも最後は

伝えたい事を、

いわゆる「オチ」を付けて書く



「おまえのは、詩ではなくて小話のネタだろう」

とよく言われる



「小話は、詩の一部としては認めてもらえないのですか?」
地上に足を着けたことのない鳥が羽おおぴらげて
大空を自由に飛び回ろうと羨ましくないんだ

どんだけ自由だ関係ねえって泣いても
食うもん食うために生きるそんだけのためにも
閉じなきゃならないもんがあるんだ

地べた這いつくばって嫌でも
仕方ねえこと守り通して
負けるかって絶対諦めるかって

そしてまた飛び立つんだって本気で思ってる翼は
いつまでもなくなりはしない

どんな ....
気まぐれ丸めて野良雪だるま家族をさがして彷徨い溶けて。


こんこん野良雪こんこん街に降れぼくの家族をつくっておくれ。


にゃーにゃーねぇねぇそこの三毛の子猫くんぼくらは野良の兄弟だ。


にゃーにゃー三毛の子猫くん喉が渇いたら舐めてもいいと言ったけど…。




日陰の雪よほれ溶けろでないとシロップ掛けて喰っちまうぞ…ククク。

 ....
どうぶつの心の内容を覗きみることは、自然科学の領域ではタブーだし、
主観的にそれをやっちゃうと、サイエンスではあり得なくなってしまう。
それはもはやブンガクだ。
どうぶつ奇想天外法だ。

だが、たとえばアオムシがサナギの殻を破って、アゲハになる過程(のキモチ)を、
誰がどんな文脈で発した言葉なのかもすっかり忘れてしまったのですが、とても印象に残っている言葉があります。
「あらゆるものはあいまいです。それを正確にしようとするまではそうと気づかないくらいに。
そして正確なものはいつでも私たちが普段考えていることとかけ離れているので、考えを口にする時に自分がちゃんと正確な事を言えているとは一瞬たりとも考えられないのです」

***

「悪い事をすると、 ....
 以前書いたある文章への反応に、作者である自分からしたら思いもよらないものが返ってきたことがある。その文章は自らを特別な存在のように見做してしまう「詩人」へのエールのようなつもりで、同時にひとつの作品を目指して書かれたものでもあった。ところが、「群集の中のひとり」として、いわば「普通の人間」の立場から「こんな自らを特別な存在であると思うような人の書いたものは読みたくない」と言われてしまった。あれは まずは小話を一つ。

かつて若かりしころに罪なき党員にスパイの嫌疑をかけ、査問中に死に至らしめたミヤケンこと故宮本顕治日本共産党名誉議長であったが、実は晩年、病に倒れて後、夜な夜な枕元に当時殺した小畑某が立ってミヤケンをじっと見つめてあろうことかこちらにおいでと手招きするようになったのだが、流石はミヤケン、「幽霊になって出てくるとは、貴様それでも唯物論者か!恥を知れ!」と一喝して見事小畑某の亡 ....
ぽえむ君さん云々はここでは置いておきたい、それをとりまく環境のほうに焦点をあててみたいと思う。まぁ、環境を語るために少し引き合いにださねばならないが。
まずぽえむ君さんには1000の詩を短期間に書くということ、これはなかなかできる
ことではないと思う。素直に賞賛したいです。
2名云々の態度などは正直どうでもいい。その態度に対して、フォラムの大多数が
いままで何のアクションもとらなかった、あ ....
多分詩というのは日本人が普段中々言葉に出来ない感情を表現するのに持って来いな表現方法なのだろうとおもう。それは例えば愛について、友情について、死について、人について、政治について、生きる意味について、悲しみについて、今日について、明日について。
最近の若者たちは、一昔前に比べればかなり雄弁になったと思う。しかしそれでもやはり、人前で意見を求められると、上手くいえない、伝えられない、しゃべる事が出 ....
荒んだ感情に とがった心で
向き合えば互いに傷ついていく

しょせん人間はこんなもんだよ
エゴでヒトを傷つけていく

戦のない平和な世界を 望めど叶いそうもない
いつの時代も 戦争や殺人ゲーム嗜好者がいるもんです

自分と同じ人間ってやつを
もっと愛したい 信じたいと思っても
  脆く儚く裏切られて 落ち込んで泣いてしまう

なんども呆れた人間ってやつを
 ....
{引用=po・et・ic ―― a. 詩の、詩的な、詩趣に富んだ、詩に適する、詩人の(ような)
stig・ma ―― n. (pl. 〜s, stig・ma・ta )〔古〕(奴隷や囚人に押した)焼印、汚名、恥辱、目立たせるための記号、【植】柱頭、【動】気孔、気門、【生物】眼点 ((原生動物などの感光器官))、【医】(皮膚の)小赤斑、(pl. -mata)【カトリック】聖痕
◇stig・mat ....
これまで誰かに「愛している」と言ったこともなければ、言われたこともない。
これは不幸なことだろうか? ええ、たしかに。
破滅のチャンスを失してきたのは、やはり不幸なことだと言わざるをえない。
地獄へ落ちるためには、天の国へ至るのと同じく狭き門をくぐらねばならない。

もちろん今までにも幸福感と快楽の虜になったことはあったに違いないのだが、
そこに「愛」という言葉を介入させることは執拗に ....
ひとりきり頬杖ついて
ため息つく雨の午後
紫陽花の青い花びら
みつめては悲しくて
まるで報われない恋に落ちた
悲劇のヒロインみたいに
あなたが好きよ
くもりガラスに書いてみても
このせつない想いは届かない

雨音が激しくなれば
せつなさも増して来る
初めての恋にとまどい
わけもなく淋しくて
きっと誰よりも不幸せで
みじめなヒロインみたいに
あなたが好きよ
声になら ....
身体障害者にも悪どいのはいる
なぜなら、俺たちと同じだからだ
俺たちと同じように
やさしかったり卑怯だったり豊かだったり軽薄だったりするだろう。
生きる辛さを痛感した事はあるかい?

もし、あるのならば、

あなたはいい人生を送っているのだろう。
軌道を外れて落下する雨
待ちこがれる傘
からだを露骨に紅潮させ全開となった傘を
雨が狂ったように激しく打ちつける
すべてが終われば傘は
からだに付着した雨を丁寧に振り払い
雨は何事もなかったように軌道へ戻ってゆく
軌道上にあらわれた虹を確認し
傘は静かに閉じる
「人生を刹那的にしか愛せません」

「本音だけを整然と並べておきました」

「感情でしか制御できないこともある」

「小賢しいことをするくらいなら
 開けっ放しにした方がマシなので」


真摯に向き合うから馬鹿を見るんだ
って
分かりきった答えを提示されても
私はそれを真っ向否定する自信があるのだよ



「切実さだけが売りだから
 誰か私を買って下さい」
 おそらく男の多くが女の下着姿には興味がある。それが行きすぎて犯罪に手を染める人もいるほど。盗撮、下着泥棒などなど。罪を犯す人は典型的だけれど、男の多くが相手の女の事情をあまり知らない。私も含めて。

 最近の私は、幸いにも下着をプレゼントしたならば喜んでくれ、試着した姿をみせてくれるであろうパートナーに恵まれた。そこで下着のプレゼントを思いつき、実行した。ちょうどそれに相応しい口実もあったの ....
朝起きると、
夫の蟹を食べる。
水のきれいな土地で生まれ育った夫の蟹は、
沢蟹に似た味がして、
なかなかの珍味である。
蟹は大抵、
夫が寝ている間に、
湧いて出る。
一度などはひどく寝坊をして、
夫の顔の右側面に蟹が、
びっしりと張り付いていたこともある。
あの朝はすべての蟹を食べるのに、
一時間近くも掛かり、
さすがのわたしも夫の蟹が少し ....
最近嵩麻呂さんの携帯写真+詩に「これはクローバーじゃなくてカタバミです」とコメントをつけた。四つ葉のクローバーが出てくる詩は悪くなかったと思うけど、写真に写ってるのは確かにカタバミだった。クローバーではなかった。こういうのを見つけると、ついついおせっかいしてしまうのである。

嵩麻呂さんがその詩をすみやかに削除したので、私は悪いことをしたかなあと反省しはじめた。ところがしばらくあと、嵩麻呂さん ....
{引用=
詩にも
いろんな
言葉があるように

みんなの思いも
それぞれ違う

みんなの書いた詩も
それぞれ違っている

決して
同じではない

好きなら
もっと
気楽に書こうよ
肩の力抜いてさぁ。

小籠包さん「気楽に詩を書こう」
http://po-m.com/forum/showdoc.php?did=118663
より

「ポイントなしコメ ....
あの
光る目を盗んで
チョコレートを
口へと運ぶ
 
事実
今は授業中なのだけど
私は自分の
欲望に忠実なので
食べてしまう
 
 
生産者が
緑色の板に向かう間は
絶好のチャンス
 
チョコレートを
口へと運ぶだけでは、なく
小型通信機を使って
自らを
発信していく
 
 
 (見つからないように)
 (そうっと)
 
 (悟られないように)
 ....
母親が
名前をよぶ
大きな声で
どこからそんな必死な声がでるのか
あなたの姿がみえないからだ

名前は名前
どれほど
かわいくても
どれほど
しゃれていても
どれほど
字画がよくても
また
字画がわるくても
名前にすぎない
ただ、
愛しい人によばれるとき

名前は
宇宙にたったひとつのものになる
あなたを求めて
あなただけに
とどくように
渦巻二三五さんがポイントを入れずにコメントしたリスト(46)
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