眩いばかりの夜景
愛を語らう恋人の横で
血を流してる男がいる

腐った内臓から異臭を放ち
神経の切れた手首は紅く染まっている

誰も気にかけない
苦しみは男だけのもの

夏の蝉のよ ....
溶け出す恋は
まるでチョコレート
甘い香りに酔ってしまう

君のハートは
まるでアイスクリーム
甘いくせにツンツン冷たい

一口舐めて溶かしてやろう
とろとろと流れ出すまで

感 ....
随分前に君と来たビーチ
一緒に海を眺めたっけ

今日は独りでビーチに立つ
少し波が高いかな

あの日の僕ら
無邪気な子犬のようにはしゃぎ
笑顔は太陽より眩しかった

長い髪が潮風に ....
見上げれば一番星
こいつは絶対降ってこない

降ってくるのは飛行機ばかり
そして魂が登っていく

『一番星よ 降ってこい』
滅びを望んで夜空に願う

みんな一緒に天に登ろう
重力か ....
高い秋空と純白の雲
あの雲はなんと言ったっけ

長くなった影
巨人のシルエットのようだ

綺麗な花が咲いている
僕の隣には君がいる

雲の名前はわからない
花の名前もわからない
 ....
明け方の月は
どこかのっぺりしてる

夜通し輝き続けて
疲れてしまったのか

燃え尽きたように
真っ白な灰のように

嘘っぽい空の青
透けて見えそうな月の白

ふらふら不安定な ....
白々とした蛍光灯
清潔な薄いグレーの床
僕の影を映し出す

ツンと香る消毒アルコール
ナースが忙しそうに動いている

『ああ、病院に居るんだな』
と思う

不安げな患者達は
診察 ....
瞼を閉じて見えるもの
それは漆黒の闇ではなくて
無限に飛び回る光の残像

この目で見た世界の景色を
逃さぬように閉じ込める

それは僕が生きた軌跡

焼き付けたら
また目を開こう
 ....
隣のビルが見つめている
夕焼けの頃
熱い視線で

緋色の丸い目玉
上から下に舐めるように

ニヤリと笑うエントランス
時々人を喰っている

宵闇が訪れると
目玉は見えなくなり
 ....
この想いを永久氷土に閉じ込めて
大事に大事に封印しよう
隠し続けていた君への想い
隠しきれなくなったとき
あの夜二人はサヨナラした
きっと最高の笑顔で

駅で逢うたびドキドキしてた
そ ....
夏空を仰いでラムネを飲もう
泡とともに気分も弾ける
南風が運ぶ夏の匂い
むせかえるような命の匂い

走りだそう
この夏こそ


あの憂いの夏の分まで


禍々しくて凶暴な
熱 ....
登っていこう
この丘のてっぺんまで

急な坂道辛いけど
えっちらおっちら
登っていこう

肌を焼く暑い日差し
汗をかいても挫けないで

カマキリだって
カナブンだって
カナヘビ ....
朝から肉をもりもり食べる
むしゃむしゃ
むしゃむしゃ

ご飯もたくさん食べる
むしゃむしゃ
むしゃむしゃ

そのまま倒れるように眠る
ぐぅぐぅ
ぐぅぐぅ

昼過ぎ
あまりの暑 ....
見慣れた風景

コーヒーの香りの朝

いつも通りの朝

朝日と南風が呼んでる

だけど僕は鳥かごの中

飛び立つことのできない

いつも通りの朝
無用人間

僕は無用人間

ネジにも歯車にもなれず
風に煽られるだけの塵芥

『役立たずは出ていけ』

社会という機械が追い立てる

無用人間

僕は無用人間

でも
 ....
水面は乱反射して
様々な絵を描く

現れては消え
現れては消え

複雑な世界が
泡沫であることを
教えてくれる

僕は光の悪戯で
ここにいるのかと思う

そう
次の瞬間には ....
彼らの歌に嫉妬する
あまりに上手に歌うから

僕の歌は群集に掻き消された
もう歌う場所すらない

『お前は産業廃棄物』
『ギシギシ軋むのがお似合いだ』

嘲りの歌が聞こえてくる
そ ....
真夏は
ほんの瞬間
シャッター押す間もないほど

僕の眼は今だけの
眩しい光景を切り取って

君の瞳に写る僕
僕の瞳に写る君
無限の合わせ鏡

30度を超えた真夏日
僕と君の姿 ....
蝉の抜け殻を見つけた
希望に溢れて殻を脱いだのだろう

解放と自由の空
命懸けで恋するために

体が破けるくらい大声で
今が夏と教えてくれる

炎天下の中に響き渡る
原初からの生命 ....
樹々を抜けてくる風が
額の汗を拭っていく

螺旋形のスロープを
ゆっくりと登っていく

言魂を飛ばそう
カモメよりも早く

途中で眠らないように
雲の見張りを付けて

笑ってる ....
からん からん
下駄が鳴る

くるん くるん
風車が回る

一歩ずつ前に進む
そのつもりだった

でも運命は
同じところで回ってるだけ

決まった時間にニワトリは鳴き
日々は ....
悲しみの人々は
月に祈りを捧げている

月はその優しい光で
悲しみの人々の心を癒す

だけど月の悲しみは
誰にも話すことができない

悲しみで満ちた月は
今夜も蒼く輝く

優し ....
空のチョークで落書きしよう

サラサラと書けば
あら不思議
文字が雲になってプカプカと

空のチョークで書いた
『I Love You』

空を流れて
君のもとに届くかな

青 ....
ジジジ ジジジ
地面にひっくり返って
のたうちまわる蝉の声

もう十分生きたのだろう

鳥に食べられることなく
人間に捕まることもなく

いのちの歌を響かせたのだろう

それでも ....
回転する歯車
動脈から流れ出る油

ガリガリガリガリ
僕は動き出す

今日も昨日と同じ動き
決まった動作しか出来ないよ

それが僕の役目
みんなの平和

ガリガリガリガリ
僕 ....
アップルパイみたいな女の子
サラリと長い髪がステキ
ニッコリ可愛いお嬢様

アップルパイみたいな女の子
ヒラリとワンピースをひるがえし
僕のココロも揺れ動く

アップルパイみたいな女の ....
通り雨の輝きの中に
君の命を見た

雨音は
昔流行った歌のように
単純なラブソング

絶対零度の氷の中に
閉じ込められた僕

こんなに近くにいても
手が届かない
追いかけられな ....
たとえ月まで逃げたとしても
自分の陰からは逃れられない

陰は満ち欠けを繰り返し
決して消えることはない
でもそれを恐れるな

あばただらけの醜い自分を
きっと誰かが照らしてくれる
 ....
手を繋いで
麓の公園に行こう

木々がある
川がある

きらめく日差しを浴びて
大地の空気を
体いっぱいに吸い込もう

一緒に食べるお弁当
一緒に遊ぶバドミントン

夕暮れの ....
鏡のトリックで
あくびだらけの教室から
抜け出してやろう

外には黄色い球体が
呆れるほど輝いている

音速を超えた蝉の声
鼓膜を激しく貫いて

今日という日は
未来永劫来ないか ....
うずら豆(158)
タイトル カテゴリ Point 日付
墓標自由詩310/9/6 14:22
チョコレート・ラブ自由詩310/9/5 21:26
遠い渚自由詩210/9/3 23:00
願ってはいけないこと自由詩110/9/2 22:51
ある秋の日自由詩210/9/1 4:36
明けの月自由詩110/8/30 15:31
頭脳改革自由詩210/8/29 16:09
光跡自由詩210/8/28 23:41
夕目自由詩310/8/28 11:59
恋慕氷壁自由詩510/8/27 8:50
夏色疾走自由詩110/8/26 22:50
丘のてっぺん自由詩210/8/26 5:31
覚醒儀式自由詩110/8/24 22:58
鳥かご自由詩010/8/24 8:37
無用人間自由詩110/8/23 16:32
光の悪戯自由詩410/8/22 1:34
みんなのうた自由詩110/8/21 12:18
真夏日自由詩010/8/20 13:19
忘れ物自由詩210/8/20 1:54
ただひとつの自由詩210/8/19 16:34
tears自由詩210/8/18 23:56
月の悲劇自由詩310/8/18 4:51
空のチョーク自由詩310/8/18 0:26
夏の終わり自由詩210/8/17 15:43
回転する歯車自由詩010/8/16 23:42
アップルパイ自由詩210/8/15 18:11
レインドロップ自由詩1+10/8/14 23:24
光速乱舞自由詩1+10/8/14 15:23
公園に行こう自由詩110/8/13 14:47
羽化自由詩210/8/13 6:33

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