中央線の人身事故を
今日も見て見ぬふりをしてやりすごす

誰かの血で洗われた今日という日の肌を
おざなりに撫でることでなだめすかしても
誰かの死んだレールの上ではくつろげないから
今日も夜 ....
辞書で引いた、誰も知らない昔の言葉より
たった1人の
きみの名前が世界でいちばん美しいのに
今日こそすばらしいことを発明できるような気がして
また赤い日記帳を開いてしまうから
その白い空白が ....
あなたがあんまり優しいから、ため息をついてしまいたくなるんだよ。朝露のように現れて薔薇のように砕け散ったあの日の予感を、今もお守りみたいに首からつるして生きている。何かに喩えようとしてはどれものびやか .... 行ったこともない月の話なんか聞きたくないし、
会ったこともないモナリザに見とれたりなんかできない。
目の前に広げられた教養と呼ばれるもののすべては、
世界のネタバレだから知りたくない。


 ....
たましいの裏庭で
待ち合わせたあの子はまだこない
チューリップもこんなに咲いちゃって
写真なんか撮らずに通り過ぎるくらいには
禍々しく咲き乱れているのに

シャッター音が嫌いだから
写真 ....
春の海の
波の色は真珠のようだね
水平線が桜色に燃えて
誰かが捨てた氷結の缶すら
宝石みたいに光るんだから

花見に行きたいと言ったら
危ないからと止められた
不審者が出るのは
経験 ....
豪勢な夜空に見とれたまま
そこで立ち尽くしていたいのに
手を伸ばしながら、もう歩いてしまっている

夜を燃やしてくれてありがとう
そのふかふかの
つやつやの
枝のひとつにうずもれて
し ....
「一時の感情に身を任せるな」って
なんだっけ
漫画かなんかで読んだけど
この世に信じられるものなんて
一時の感情しか、持ってないから
ムリですね

 
「今がいちばん綺麗」とか
「ま ....
毒づきたくて見あげたはずの
夕焼けが綺麗で
たとえわたしがポエマーでも
言うことなんか何もないくらい
それはあらかじめ完成された一編の詩となって
目の前に広げられていたから
もう死にたくっ ....
桜が咲いたねとか
空気が湿っているねとか
そういうことを言って、世界を楽しんだふりをして
あらゆるものを知ったかぶって
ほとんどのものをとり零しながら生きている


「梅よりも桜のほうが ....
22世紀には猫型ロボットできるかなあ、って
そんなありふれた会話でしか思い出せない
きみのことは
一生ものの記憶にしようと思っていたのに
思いだそうとすると、どら焼きのこととか考えちゃうので
 ....
あるうららかな昼下がり、きみはインターネットにあげていたイラストを全部削除して旅にでたんだ。ほんとに消したいものは他にあったんだけど、それはマウスでどんなに上手にクリックしても消せる代物じゃなかった。 .... 七夕の短冊に
「世界平和」って
平気な顔して書くようなやつ
嫌いだわ

ほしいものがたくさんあるんでしょう?

前は
「世界征服」って
書いてたの、知ってるよ

わからないでもな ....
あの季節
自分のからだから、言葉がはがれ落ちてくのを
見てた

のりに浸した活字みたいに薄い
僕のなけなしのロマンチックを
きみの目がやさしくピンセットで
やわらかな原稿用紙に押さえつけ ....
舗装された道のうえでぼんやりと月を見あげた瞬間、
すべてが間違いのようになってしまった気がした
ムリに泣こうとしても何もでてこなかった
きっとひどい顔をしていた
夜なんだから照らさないでくれれ ....
雪がふる夜は、まぶしくてどこにいたらいいのかわからない
でも適度にフラッシュを焚かれて白飛びした街は綺麗で、
ずっと同じ時間にいたいと思わせてくれる

背中の骨がつばさの名残だなんて言われても ....
声を聞きたくないときにかぎって電話は鳴る。
どうやらきみは、わたしをカウンセラーか何かと勘違いしていて、
一心につくせば必ず、労働に見合った甘いお菓子をくれるとでも思っているようだ。
そんなわか ....
なんでもない、ただのつまらないけし粒みたいになって死んでいきたいから、もう一度あなたに出逢いたい。夜空を見あげてしまう理由を、星が綺麗だから、なんてありきたりな台詞に終わらせたくない。もっと個人的な、 .... にぎやかな群衆に気づいて
「好き」だの「可愛い」だの言っていて
その中心にいるひとがあんまり不憫だから
みんな帰ってあげなさいと言えば
皆さんいっせいに振り向いて
わたしたちはただ愛している ....
すこしずつ、
やりたくもないことをやるのが上手くなって
笑いたくもないときに笑うこともできるようになった


でも、
言いたくもないことを言うことは
ずっと、できそうにない
そういえば ....
夜の匂いを忘れてしまうまえに
早くしなくちゃ、って思ったんだ
玄関から一歩踏み出したときに

夜の匂いがするということは
昼間とてもあったかかったということかな
熱が土にたまって、それが噴 ....
さようなら


君がいない街でも
なんとかやっていきます


泣き暮れた夜のあと見あげた空に
ひときわつよく輝く星を見つけたら
それが僕の憎しみですから
どうぞ見なかったことに ....
ユッカ(82)
タイトル カテゴリ Point 日付
電車が参ります自由詩214/5/8 20:20
赤い沈黙自由詩314/5/8 19:19
光の体自由詩314/4/30 22:53
遊び人自由詩3+*14/4/21 22:00
天使の真似事自由詩8+14/4/19 23:02
G線上のアリア自由詩614/4/10 23:26
花に嵐自由詩414/4/1 20:49
フラグ回収自由詩4*14/3/30 23:50
絶望はいつもまぶしい自由詩714/3/27 21:13
博識自由詩314/3/24 23:29
21世紀の恋人自由詩414/3/14 22:17
春がくるまえに逃げよう自由詩4*14/3/13 22:51
願いを叶えてあげましょう自由詩314/3/12 20:50
ポエム自由詩614/2/27 12:44
満月みたいな街自由詩514/2/23 18:00
ろう下に追放自由詩714/2/11 18:16
きみはハズレ自由詩5+14/2/6 19:27
星の爆発自由詩4*13/12/24 22:55
※愛ではありません自由詩313/11/23 0:12
つきたかった嘘はどこにもないだろう自由詩313/11/3 20:20
夜の匂いを忘れてしまうまえに自由詩313/11/1 13:42
明日の約束自由詩2*13/10/8 2:13

Home 戻る 最新へ
1 2 3 
0.06sec.