ポケットのなかで指先がふれるのは 
 
少しだけあたたかい きのう

首をかしげながら あしたを凝視して

この距離がどうか

これ以上離れませんように

毛布の中でお祈りをする
 ....
いちばん最初の傷は眼だった
永遠に塞ぐことの許されないこの傷は
時々誰かを傷つける

瞬きを繰り返して
いつまでも乾くことのない
透明な血を絞り出し
傷は余計に広がった


目蓋の ....
うな垂れたまま空にカメラを向けた
屋上から見えるのはいつも
真っ赤な夕日

今日が晴れだったならそのまま家に帰れた

でも、今日は雪

車のエンジンをかけると流れるのは
いつもおなじ ....
このうすい皮をやぶって たどりつく骨を

ひとつひとつ ばらばらにして

きれいな水で濯いで 

そうして

あなたの手でもういちど組み立てて
ぐちゃくちゃと ぬかるみにあしを入れながら歩いてきた
どろどろになりながら けれど汚れるのは靴ばかり


ふりかえると つづく足跡がある
ふかい森からの軌跡

うつくしくない 引きずるよ ....
人形は こころが氷できているから 
やさしくなると なにもなくなってしまう

笑ってしまうとこころはゆるんで水になってしまうから
空洞のカラダは さあたいへん

こころをなくさないように
 ....
大事にしていたものが
じつは壊す理由のできるのを待っているだけだとしても
壊れても消せないことを知っているから
いつまでもそれを前にどうしていいかわからず
目をそらして隠す


あのとき ....
さよならさよならさよなら
本当はごめんなさいが言いたかったんじゃないさよならが言いたかったんじゃない
私が言いたかったのはありったけの罵声と悪口と皮肉
それでボロボロにしてやりたかった
できな ....
化石になりたいのです

焼かれるよりも美しい布でくるまれるよりも私は化石になりたい
何百年、何千年という気が遠くなるような時間を
暗く冷たい土の中で眠りつづけます


そしていつか、
 ....
湖月(69)
タイトル カテゴリ Point 日付
ひかりのつづく自由詩108/1/25 22:03
まぶた自由詩2*08/1/23 15:31
雪の日自由詩4*08/1/20 23:38
望み自由詩2*08/1/16 12:41
つづく自由詩3*08/1/11 22:43
こころ自由詩1*08/1/10 23:59
理由自由詩2*08/1/10 22:43
消したいさよなら自由詩2*08/1/6 19:24
眠り自由詩5*07/12/30 19:35

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