ありふれたおはなしが
ささやかに座っています

テーブルの上
紅茶が入ったカップの横

読みかけのおはなしは
トコトコ歩きます
誰かの声をとおって
誰かの頭の中へ
沈黙を守って
 ....
一度でもいいから
朝を起こさないであげたいな
ゆっくり眠らせてあげたいな
朝は寝坊したことがない
サボったことがない
勤勉なんだな
それは昼も夜も同じ
きっと宇宙は真面目なんだな
だか ....
自転車のハンドルと
お母さんの間に座る子供
かわいいだけじゃない子供

カルピスをあげたいな
百年に一度のいけにえにしたいな
僕に歯を見せずに笑う子供
心にらくがきをする子供

ゆう ....
星の写真を燃やす朝焼け
太陽が
世界でたった一人の友達のように
わたしに朝の挨拶をする


金曜日の新聞はおもい
そこにいた
それだけの理由で
人は殺せる
すてきな目をしてるの ....
ふたをひとつ
君と共有している

煮物をする時はもちろん
寝る時も旅をする時も
ふたはかかせない

あのことで
僕が蝉と抱き合って泣いたことも
君が公園で白い花を食べつくしたことも
 ....
時が満ち
やっと芽が出た

芽は好きなことができる喜びで
いっぱいだった

その夜 芽は
ささやかな人生を抱きしめて
ねむった

ねむった

それきりだった


ここに
 ....
見通しのいい場所で
感じないのは何故だろう


グッバイガール
細い月はハイヒール
運命はやはり
あると思うんだ

遠く遥かなものに
励まされてきた
君は近くのものに
励まされ ....
長く雨ざらしにした机のように
雨や風や光をうけとめる目


           変わらないものが
           変わるものをつくっていく


    椅子に座って
     ....
その魚は女で
この骨は女で
あれを食べ残したのは女なのだという

よくわからないが
すきだとおもった


その背中は私で
このくるぶしは女で
あれを食べたのは男なのだという

 ....
「永遠じゃないものを好きになったらどうするのだろう」と
まばたきが言った

まばたきとは
とてつもなく長い時間で
いつか
乾いてしまう
泣いたりする

結局は
わらったりする
い ....
図書館に
人を探しに行った

服屋さんに
人を探しに行った

ほんとうは
本なんていらない
服なんていらない


みているのに
みえてないもの

みてないのに
みえている ....
そのお便りには
「わたしは
太陽や風に大事にされて
幸せでございました。」
と書かれてあって
ふむふむと思って
そのお便りを
あなたの胸ポケットに入れて
寂しくなったとき
その葉っぱ ....
その切り口から
ホックへ到達するまでの
いろいろな色を
目はもっている
目は心に聞くから
見えなくていいよ
胸の震えが教えてくれる


つららとつららのあいだを
虫が飛んで
した ....
ひこうきが雲にとけてゆく

ひこうきの中
人が座っているのね
お茶をのんでいるのね
テレビをみてるのね
家の中のわたしとおんなじね

わたしは
まいにちまいにち
しっぱいや
べん ....
水をあげ
花をあげ
鉄砲をあげましたら
喜んで命をくれまして

守りたくなってしまいました

と、古い手帳のすみに書かれてありまして
その言葉は
傷や破れがありまして
もっと破ると ....
悲しい人が
無言電話をかけると
悲しい人に
つながる
そう言い切ることの難しさ
悲しさ


一方で
電話を待っている
発酵が進んでいる
昼寝ヒルズ(46)
タイトル カテゴリ Point 日付
おはなし。自由詩609/11/24 12:00
朝の笑顔自由詩409/11/6 10:37
夕方交差点自由詩709/9/7 23:12
日々の手紙自由詩1109/9/2 22:17
ふた自由詩3*09/8/28 14:42
見えない花自由詩309/8/27 12:07
夏のカーブ自由詩1009/8/23 21:13
textile自由詩209/5/6 14:05
食卓自由詩309/5/2 15:53
もしも直線的で1つならば自由詩209/4/30 23:46
ひなたぼっこ自由詩409/4/30 19:09
葉っぱ自由詩609/3/5 15:37
リンゴ・キリトリスカート自由詩309/2/27 21:08
旅人の景色自由詩509/2/27 10:50
少年自由詩909/2/3 12:00
縮図自由詩209/2/2 10:46

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