心が塞がれた
そんな風に感じたあの日は
もう遠い昔
だけれどとても寂しかった
孤独というのはこうゆうことかと
味わった
温もりを感じることができず
誰をも信じることを忘れ
笑顔をなくし ....
眠いのならば
眠ってしまえばいい
ただそれだけのことだ

だのに横たわることに
不安を覚える
寝転がって
仰向けになって
落ち着かない

寝返りをうって
首の辺りを掻いてみて
 ....
たかがなんて言ってくれるな
そんな精悍な横顔で
辛辣な眼差しを向けてくれる方が
まだこの心は救われる
いがみ合うことで
扉は少しでも開かれるだろうか
この居心地の悪い空間は
なににつなが ....
瞬発力が必要だ
そう思った
いつまでもこうやってグズグズしているのは
さぁ!行こう!という気がなく
行動が伴わないからだ
いつまでもここでこうしていても
一向に構わないのだけれども
そん ....
船が大海原を彷徨っている
誰も乗っていない
人がいたような形跡はある
放置されたようなオールと
タオルが一枚
それから左のサンダル
鮮やかな赤い色の大きなそれ
水が少し入ったペットボトル ....
そこはかとなく
とはよく言ったものだ
そんな曖昧な言い方をして
結局なんのことなのか
良く分からないじゃないか

そんなことを言われると
なんとなく分かった気分になる

どことなく
 ....
荒れた手を潤したいのだけれど
決して満たされることはなくて
ガサガサのままでいるのが
すごく不快で恥ずかしくて
けれどどうしようもなくて
ポケットに突っ込んだまま
いつまで隠し通せるのかと ....
創作活動に勤しんでいるのは
気持ちが迸るからなんて
そんな格好を付けたことを
言ってはみたいものだけれど
本当のところはそうでもなくて
ただなにもすることがないから
とは言わないけれども
 ....
果てしがないように思われる
このトンネルを抜けることができるのだろうか
どこまでも続く暗闇が尽きるところがあるのだろうか
仄暗い誘導灯が足元を照らすけれど
明るい陽の光は差し込んでさえこない
 ....
こんな日に海風に吹かれたら
寒いことこの上ないだろうとは思いつつ
それでも大海原を眺めたいと
願ってしまうのは
水分が不足しているからだろうか
または青が欲しいのか
波の音が聴きたいだけか ....
眼鏡越しのその眼差しは
やさしそうにも
悲しそうにも見えて
決して本音を見せてはくれないのだと
寂しくなる

意地悪をしてみたら
意地悪を仕返してくれるだろうか
眼鏡を取り上げたら
 ....
あの娘はあんな子だ
指折り数えているのは
なにかを数えている訳ではなくて
人の目を引くためだ
あの白い肌輝くか細い指が折られるのは
誰だって見ていたいものさ

あの娘はあんな子だ
幼い ....
雨が降り続ける
冷たい雨が
決して止むことはないと思われるほど
ずっと降り続いている
空から地面へと直線を描きながら
ただただまっすぐに
雨が降り続ける
誰かの悲しみの涙のように
誰か ....
珈琲を一口啜って誤魔化す
そんなあなたがもう許せない
こうして向き合って座るのは
何度目のことだろう
カップを離した口元が
なんとも愛惜しく映る
この一瞬のときめきが
永遠に続くことはな ....
ジョバンニは言った
ギターが弾きたいんだと
楽器なんてろくに触ったこともないくせに
なにを唐突に言い出すかと思ったら
いの一番にギターとは
コードの押さえ方どころか
弦の弾き方だって
ギ ....
間食なんてほとんどしないのに
今夜は無性にチョコレートが食べたい
なにがあったわけでもないのに
ただただ板チョコを貪りたい
こんな気持ちなったのは初めてで
どうしたらいいのかも分からないほど ....
あの日
どうすればよかったんだろう
そんな想いが心を過る
正解を求めてはいないけれど
もう少し別の言い方ができたんじゃないだろうか
そんな風にさえ思うけれど
言い方の問題だけではない気がす ....
素足にサンダルをひっかけてベランダへ出る
飛ばされそうな洗濯物をピンチで留めなおす
冷たい風に吹かれて寒さが身に沁みる
そんなことが繰り返されて春を夢に見る
生暖かな風に舞う桜の花弁を思い浮か ....
寒空にさらされたタオルが一枚

人の気配がしないベランダに
タオルが一枚だけ干されている
顔や手を拭くサイズのタオルは
新しくも古くも見えない
ただの白色のタオル
なぜほかの衣類などはま ....
晴れた日には
出かけたくなる
空気が冷たくて
風が強くても
晴ればれした
気持ちになれるから
ちょっと無理をしてでも
外に出かけたくなる
腕を広げて
お陽様を浴びて
光合成できる気 ....
履き慣れないヒールを履いたりするから
まともに歩けなくなったりする
けれど今日はどうしても
この滅多に履かないお気に入りを
履きたかったからしょうがない
予想してはいなかった痛みに引きずらよ ....
少しの埃が気になって拭き取ると
さらに向こうの埃も気になって
通路の埃も
隣の部屋の埃も
普段開けることのない襖を開けては
その奥の埃も気になって
普段は目を瞑ってしまう窓の桟や
箪笥の ....
今日はなんだかまだ眠りたくないんだ
決して気が高ぶっている訳ではないけれど
哀しみに打ちひしがれてもいないし
ぶちまけようのない怒りにまみれてもいない
抑えきれないほどの喜びを抱えてもいないし ....
熱気と水分を大いに含んだ空気に覆われた六月のあの日はすでにもう遠い昔 犬コロのように
舗道に寝そべって
太陽の光を浴びて
撫でられることを求め
身体を捩って
右斜めへ進んでみたり
すれ違う人を威嚇してみたり
左の角を曲がったところで
ちょっと小走りして
 ....
開いた手をいつ閉じたらいいのか
そんなことを考えていた
決してつまらなかったのではないけれど
なにを話したらいいのか
どう相槌をうったらいいかなんて
さっぱり分からなかった
水を飲むタイミ ....
白と黒が交差する
その様子をただ眺めている
なにをするでもなく
なにを思うでもなく
ただここで眺めている
もうあと何日こうしていられるだろうか
このままでいい
そう思っているわけではない ....
電球が切れてしまった
ただそれだけのことだ
落ち込むようなことではない
自分でも不思議なくらい
気が沈んではいるけれど
買い置きがなくなっていたのも
近所の店に在庫がなかったのも
通販サ ....
忙しいというのを言い訳にしたい
実は何もしたくないだけだけれど
だって寒いから外には出たくないし
取り立ててやりたいこともないんだもの
そりゃあお腹は空くけれど
時間が経てば眠くもなるし
 ....
風が強い日は
外を出歩きたくなる
向かい風に強く打たれて
心の隙間を埋めてみようと抗う

雨が強い日は
海へ出かけたくなる
雨だれが大海原を打ちつけては
飲み込まれる姿に夢を重ねる
 ....
坂本瞳子(653)
タイトル カテゴリ Point 日付
存在困難自由詩1*22/1/28 21:05
眠れぬ夜に自由詩1*22/1/26 22:32
かげろうだったろうか自由詩2*22/1/24 12:31
いまだよ自由詩1*22/1/22 9:14
眺めてはいるのだけれど自由詩2*22/1/21 13:16
そこはかとなくねぇ自由詩1*22/1/20 22:33
手のひらなんて自由詩1*22/1/19 22:29
本音かなぁ自由詩2*22/1/18 23:08
走り続ける自由詩1*22/1/17 20:49
海よ自由詩6*22/1/13 22:29
眼鏡をかけた彼の人は自由詩2*22/1/12 21:58
あの娘はあんな子だ自由詩3*22/1/11 22:25
雨が降り続ける自由詩2*22/1/10 16:06
あともう少し自由詩1*22/1/9 8:00
ギター弾きのジョバンニ自由詩1*22/1/7 10:30
チヨコレート自由詩6*22/1/6 22:26
なにもできやしない自由詩022/1/6 10:24
切なる願い自由詩1*22/1/5 14:03
タオル自由詩2*22/1/4 15:51
サニーデイ自由詩1*22/1/3 11:13
フェイヴァリット自由詩4*22/1/2 16:22
自由詩1*21/12/31 11:00
スリープレス自由詩1*21/12/30 0:46
想い出自由詩2*21/12/29 11:38
犬コロのように自由詩1*21/12/28 10:04
喫茶店にて自由詩3*21/12/26 22:45
クロッシング自由詩2*21/12/26 9:08
ともしび自由詩021/12/22 22:42
忙しいか自由詩021/12/18 22:21
風が強い日は自由詩0*21/12/13 23:02

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