テンションの上がらない朝
何をやっても上手くいかない
ルーチンワークを片付けるのも面倒くさくて
気乗りがしないまま時間だけが過ぎる
心臓の鼓動も聞こえない
ビートが足りない
ビートが足 ....
フローレンスは白い陶磁器
なんと滑らかな白い肌
すぼめた唇は赤い苺
さらさら流れる黒い髪
愛しい 愛しい フローレンス
フローレンスは甘え上手
喜ぶ姿を見るためなら
いとも簡単に愚か ....
1人では決められない優柔不断な彼女は
そんな自分に嫌気が差して
不機嫌な顔で黙り込む
サイズの合わない靴でダンスをするから
優雅には見えないステップを踏んで
足はボロボロ
断ればいいのに断 ....
いつも混んでいる待合室
予約時間はとっくに過ぎて
いったい何時間待ちだろう
いい加減疲れた頃に名前を呼ばれる
挨拶もそこそこに
現状維持が出来ているなら
いつものお薬出しておきます
はい ....
苛立ちはマーブル模様
切り取って星の形を作ってみる
残った苛立ちをひとまとめにして
今度は三日月の形を作ってみる
想像力を働かせて
テンションは高めに
苛立ちをまとめて
好きな形に切 ....
テロリストが何か言ってる
大声で喚いてる
何を言っているのか
理解できないけれど
許されることじゃないよね
テロリストによって
何の罪もない命が奪われ
世界は恐怖に震えてる
平和な ....
朝一番の太陽が部屋を黄色く染め上がる
眩しさに眩暈を覚えながら
コーヒーをいれる
簡素な朝食
これが孤独の始まりの儀式
誰も振り向いてくれないのは
自分のことで精一杯だから
余裕がな ....
画家になりたいって言ったら
馬鹿にされた
詩人になりたいと言ったら
嘲笑された
それでも下手くそなりに
詩を書いて暮らしてる
なりたい自分は見つからないけど
詩を書く自由は手に入れた
静かに静かに雨が降る
私の中にも雨が降る
しとしとしとしと
しとしとしとしと
塗れた体は冷え切って
髪から落ちる水滴が
場違いなリズムを刻んでる
バスタオルにくるまって
ほんの ....
パズルが得意な人は
きっと数学も得意で
動かすピースの配置を
理解できない数式で計算しているんだわ
私が諦めてしまったパズルを
難なくクリアしていけるのは
アインシュタインも驚く公式を使っ ....
天使たちが持ち帰る新しい空気は
私の心をざわつかせる
古ぼけた家と埃まみれの家具
かび臭い部屋を吹き飛ばしてしまいたい
私もまだまだ若いつもりで
飛び出そうとしたら溝に落ちた
年老いてしま ....
不機嫌な顔を見る度に
私の中には灰が積もる
決して消えない黒い灰
怒鳴られる度に
風が吹く
押し殺した怒りの熱風が
出口のない憎しみが
私の心を蝕んでいく
私の手足は憎しみで動き
....
卵はいつも滑らかな曲線
尖った部分はどこにもない
こんな風になれたらいいな
つるんとした透明感
誰にも理解されなくていい
脇役主役なんでもこなして
お値段お手頃
蒸してつるりん茶碗蒸 ....
穏やかに見える日常
でも、本当は嘘で塗り固められている
いつも浮かべるのは作り笑いで
溜息と共に嘘泣きをする
怒りをカモフラージュして
危ういバランスの平和
感情を麻痺させる薬は
死 ....
浮気の証拠を見つけたの
愛情の欠片さえ残っていないから
悲しくもなく
悔しくもなく
ああ、またかって思っただけで
責めることもなく
追求する気にもなれない
何人の女を泣かせてきたの? ....
久しぶりに文字に向き合う夜
気が付いてしまう
あふれ出るほどの感情がどこかに消えてしまって
私はただの抜け殻
もう、言葉が紡げない
楽しい
嬉しい
悲しい
悔しい
不安
恐怖
....
眼下に広がる雲の海の中
輝く虹を見つけて思い出すのは、
父なる神の約束の言葉
決して、私達を滅ぼさないと言われた言葉
「私は雲の中に私の虹を置く」
雲の中に煌めく
神秘の瞬 ....
海と空の狭間
その素晴らしいグラデーションの上に
神様が気まぐれに置いた白
ああ、なんで、こんなに美しいのだろう
ああ、なんと愛しい世界なのだろう
この、奇跡の青い星
ふと気が付いたんだ
最近の病院は病院のにおいがしないって
薬やエタノールの混ざった独特のにおい
目を瞑っていても何処にいるのかわかるにおい
長い間生活した入院病棟の個室や大部屋
白い天井 ....
アナーキーリストではないけれど
抑えきれない 破壊衝動
抑圧された感情が 噴火する 私を突き破って
今が平和な世界だなんて 捏造された幻影で
現実は腐蝕された世紀末の様相
全てを破壊して 新 ....
言いたいことだけ言って
消えてしまう卑怯者
なんで 逃げ出すのかな
別に喧嘩する気もないけど
空っぽの主張って虚し過ぎない?
偽善やきれいごとで 世間の注目を集めて
その実 無意味な言 ....
男爵は いつも無口で
広いとはいえない 館の庭で
空を見上げて過ごしている
男爵は いつもひとりで
社会情勢にはまるで無関心
話しかけても 退屈そうにまばたきするだけ
男爵の世界はとて ....
私とリリーは旧知の仲で しょっちゅう双子に間違えられた
リリーの周波数は私と同じで
二人でいれば何でも乗り越えられたんだ
だけど 私は知っているんだ
リリーの方が賢くて
リリーの方が絵が上手 ....
私たちは雑食で 草でも肉でも食べているけど
全て命あるものであって 命を頂いているわけだよね
つまり 私たちを創っているのは他の命で
私たちを動かしているのも他の命
私たちのために殺された ....
世界を構築しているものが何なのか
やっと 気が付いたよ
この宇宙の存在 生物の誕生
全ては奇跡
この世界は奇跡で創造されている
末期ガンの患者の完治や 戦争のない世界ばかりが奇跡なんじゃ ....
多分 静寂な夜だっただろう
いつもと変わらない日常が終わり 子供たちはベッドで眠る
大人はたちは静かにお茶を飲み 聖書を開いて神に祈る
いつになく静かな夜に 何の疑問も持つことはなく
未来を築 ....
何処かの国で クーデターが起こる
民主主義という名の優柔不断と
買収された政治家に
国民が呆れ 疲れ果てた時に
おとなしかった軍隊が 国会中枢に
反旗を翻したのさ
保身に回ってばかりの ....
やり直せると思ってきた
天使たちが羽ばたき 飛び去った後でも
私は過去ばかりを見つめ 現実には気が付かなかった
衰えた私は 羽ばたきさえ忘れて
渡りができずに朽ち果てる 渡り鳥みたい
や ....
私の日常は 多分 あなたの日常とは違って
暮らしの大半は 日の当たらない部屋で
オンとオフの境目も曖昧なまま
鈍麻した感情を 刺激することもなく
何となく過ぎていくだけ
会話すらしない日 ....
モンスターに連れ去れた少女が
迷宮に何処かに幽閉されている
勇敢な男たちが 何人も救出に向かい
そして 誰も帰ってくることはなく
虚しく歳月だけが過ぎていく
少女が忘れ去られて 昔のおと ....
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