炊飯ジャー君のタイマーが生き絶えた。
正確に言えば電池切れだ。
そう、あれから5年経った
ウルトラマンだったら速攻で、M78星雲に帰ってるはず。
{引用=あ、まだまだ生きてるよ!}
....
一生に一度 誰もが てっぺんに登りたいと思う
私もその一人だった
そう信じてた
だが てっぺんに長期滞在するほど体力は無く
高山病になってしまうかもしれない
私は柔である
居座る欲 ....
空から数億の擬餌針が滑り落ち
傘が無いから 針に濡れて風邪をひく
鱗のポケットからポロポロ
小魚たちの夢が零れる
海に落ちた流星は涙色
しょっぱい涙が海に混ざる
夢破れた星屑 水底にあ ....
何処の世界へ行きたいですか?
花がたくさん咲いてる世界ですか?
笑みが溢れる世界ですか?
愛される世界ですか?
本当に行ってみたい世界は?
行ってみたいのは 差別のない世界
行って ....
いつものブラックでは淋しげだったから
表情のない顔に何か落としてみたかった
今日は気まぐれで角砂糖一個
ポツン
呟く音が聞こえてくる
ちっちゃな輪っか 中くらいの輪っ ....
団子を肴に酒を呑むなんて
これが{ルビ所謂=いわゆる} 粋なのでしょう
乙ですねとも言うのでしょうか
ここは何でもある{ルビ雨風食堂=あめかぜしょくどう}
脂ぎった店主のオッチャンが
「 ....
少年は淋しげな木に 小さな言の葉を飾り付けた
少女も 紳士も 婦人も 老人も 通りがかる人達も
小さな言の葉を飾り付けた
不揃いの言の葉が瞬く
誰もが足を停めて
それぞれの言の葉で暖めた ....
悔しさを葬りましょう
妬みを葬りましょう
痛みを葬りましょう
虚ろを葬りましょう
焼香しましょう
昇降機に乗せましょう
乗り切れます乗り切れます
ブザーは鳴りません あっ ....
男女三人の関係
男は疲れて外角にもたれかかる
女は胸の内角がつまる
男は言い当てられた図星が鋭角に突き刺さる
この不埒な関係をどなたか証明できるかい?
ヘロンも答えられない
ガラスで出 ....
濁流から逃れた君は空を仰ぐ
散っていった者は悔いがあるだろうと
ひとりぽっちの青年は いつまでも呟く
気休めの暗示も
上っ面のヒューマニズムも
しだいに溶けて何も残らなくなるだろう
....
23時の目覚め
「気が付きましたか?手術は終わりましたよ!」
オペ室のナースが俺の体を揺すった
体中に宇宙遊泳のようなチューブが施され
夢をショートカットして
俺は昼から夜へ一気に移動した
....
人間たちに悟られないように
今日も歌を紡ぐ ソングバード
奏でる葉音の揺らぎ
今日も歌を紡ぐ ソングバード
惚れた腫れたの茶化しは無視して
思いっきり歌を歌おう
棲みなれた緑のエリア
....
もう付き合って十二年か
お前のイイとこも悪いとこも
朝まで語れる
え?それは私の台詞だって?
そりゃあ お互い様だ
最初の頃は 錆止めだ!ワックスがけだ!と
お前に気を使ってたっけ ....
海岸線を見下ろす道標
明日に伸びるシルエット
月光が恋路を浮かび出す
浜辺の貝殻に未来を尋ねたら
静かな微笑みが聞こえ
入江の人魚に将来を尋ねたら
大切な涙を分け与えてくれた
波 ....
傘は蛇の目で
クルクルクルクル 柄を回す
ソラ見たお天道さん 目を回し
空に渦潮・鳴門巻き
腹が減っては戦が出来ぬ
エプロンおばちゃん ガバっとナルト一掴み
狙った的は ラーメンど ....
地下鉄の駅は眠りについてしまった
私の寝床は遙か東
渋い蜜柑色のタクシーを捕まえ
座席に深く腰掛け ドライバーに行き先を告げた
タクシードライバーは無口
我武者羅にハンドルを握り
曇り ....
『その木は邪魔だから切り落とすの』と
インテリぶった女が斧を振る
総ては解決済み
『雑誌は如何ですか?』と
差し出す薄汚れた手を
インテリぶった男が振り払う
総ては解決済み
いら ....
風に裏切られ
風に助けられ
風に煽られ
風に愛され
風に踊らされ
風に守られ
風に蹴られ
風に勇気付けられ
風に泣いて
風に抱きしめられる
....
悪辣は鋭利な雹のように
容赦なく 人に落ちますので
充分な警戒が必要です
落ち込んだ気持ちは
空高く蒸発し
所々で悔いの塊が犇めき合い
バラバラと割れた
ちぎれ雲になるでしょう
....
浮かんだことを綴る
渇いた笑いが聞こえる
戸惑う でも綴る
自己陶酔 自慰行為
そう?かもしれない
嘘はつきたくない
不器用なりに言葉を発しても
どなたかが聞いて
その方がその方の ....
打つ手ては一つか
綱渡りか定石か
四方八方 袋のネズミ
いいえ ゲームはこれから
石は見ている
白い帯が待ってる
怪しい酸鼻の予感
吹き溜まりも待ってる
たたら たたら 地をな ....
雑草のようになりたいと思いました
何処に逃げても
ストレスって奴は
ホントにストレスって奴は
鬼のように
しぶとく追いかけて来ます
どうせ捕らえられるのなら
....
夜陰に潜む空蝉
気付く者だけが
月を研ぎ澄ませば
金色の刃が孤影を浮かび出す
掌に止まった蝉
月は意地悪く照らし続け
君が鳴いてるんじゃないかと錯覚する
孤独な薄い影を見逃さず
....
朝
小料理屋の前で
ミャアミャア鳴くお前は
「リアル招き猫か!」と
心の中で突っ込んでは惚けてみた
あの凍てつく日から
平日の朝は日課のように
小料理屋の前を守っているんだ
夜 ....
君はどこの子?オマケの子
子にオマケは無いンじゃない
だって ついて来たンだもん
今夜のお味噌の具の中に
八百屋でカブを買ったのさ
薄明かりのキッチンで
慌ててピョコッと隠れて ....
赤い軌道をひとり歩き
真っ直ぐに日は照り
真っ直ぐに日は沈む
何故 そんなに真っ直ぐな道を進むの?
何故 ひたすらに真っ直ぐ貫くの?
何故 規則正しく礼儀良くするの?
疲れないかな ....
遠くの岸辺を見つめていた
それが美しいと思って
そうやって この岸から かの岸へ
水辺の鳥にまたがって旅人となる
近くの岸辺を歩いていた
ここが息苦しいと思って
そうやって この岸から ....
壁当てのスカッシュは味気が無い
生きた球を直に跳ね返したい
山頂からのやまびこは少し虚しい
生身のあなたとお話がしたい
ボイジャーのレコードは どなたかお聴きだろうか?
星屑になる前 ....
この不穏な砂上の王国
国は財を求め
木の精霊は逃げ出した
あまねく砂の絨毯は
緑をかき消す
兵士達の
サーベルが投げ出され
溜息の空砲が
空高く舞い上がる
跡継ぎの赤子が泣き叫ぶ ....
夏をいただきに 急いで出掛けたら
突然 街角に呼び止められたよ
ほら ここに夏がいるよって
喫茶店の自動ドアが開いたんだ
うん 来たばかりだから
隣の蛙がアイス・オ・レ飲んであくびしてた ....
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