机の上に散らばった
散らかしたチョコレート
抹茶と苺とミルクと
たまにラムネ

鞄の中に散らばった
散らかしたキャンディー
ヨーグルトとバニラと
たまにボンタンアメ

ゴミ箱の外に ....
夕闇、空色の風の中に、秋が香る

湿った土を踏みしめて、葉の枯れゆく帰り道を思う



郷愁、夢色の記憶の中に、君が香る

泣いた土を踏みしめて、涙の凍りゆく冬の日を願う
 冷えた空を溶かすような、ほんのり柔らかい日差しを浴びて、通りすがりの駅のホームは、閑散とした微睡みの中にいた。緩やかに電車は走り続け、人々の頭も規則的に、右に左に動いている。

 夏の濃い緑の匂 ....
朝は怖くて歩けなくって
昼はため息堪えるばかり
夜はひとり明日に脅える

そんな毎日が続いていっても

春はほろ酔い桜を見上げ
夏は木陰でひと息ついて
秋は紅葉の手のひら繋ぎ
冬は柔 ....
ビニール傘がぶら下がっていた。

レンガ模様の歩道は車道より一段高くなっていて、
車道に面した側に、等間隔に木が植えられている。
そしてその木々を支えるように柵が各々に作られており、
そのう ....
私の世界は曖昧だ。



紫色の朝焼けに家を出る時、
青い夜と赤い朝の暗い光に照らされる。

同じ顔と同じ服の人の中
灰色の箱で機械をいじり
大量生産の一翼を担う。
同じ表情と同じ ....
……。

…おい。

ちょっと。

痛いってば。

風邪ひくから腹にかけろよ。

いや、そうじゃなくて。

だから足のっけるなってば。

ああこら、足で挟むなよ。

そ ....
明るい日差し、風、笑い声
帰り道、手のひら、力強さ

両手で慎重に掬い上げて
零さないように壊さないように
そおっと抱きかかえても
風雨に晒されて時間に色褪せて
そうやって思い出になって ....
雲に乗って東へ流れ
風に吹かれて西へ流れ
人波に乗って南へ来たら
巨大なネオンに食べられた
大きな口をポッカリあけて
私をまんまと呑み込んだ
星の隠れた夏の夜は
そっちへ行っちゃあいけな ....
日が暮れたら
風が吹いた

雨が降ったら
夜が明けた

花が咲いたら
空が開いた

頬が乾いたら
また笑える
食べたい食べたい

我が儘な大食漢

種も雑草も卵の殻まで

シェフには不本意な味付けでも

加工前の葛藤まで全部



足りない足りない

無自覚な中毒者

馬鹿騒ぎ ....
眠りの城に密かに隠された王女のように
すべては噎せかえるほどの薔薇の足下に

水たまりの中でひねくれた針は不規則に
まだらな時をゆっくり刻む

ひとひら、あるいは幾千枚
モノクロームの雨 ....
マルゲリータ

シーザーサラダ

マンゴープリン

おそろいの指輪

おなかいっぱい、やわらかな夜

女に頼る男ほど不甲斐ないものはない。
女に甘える女ほど不細工なものはない。


暖房の効きすぎた車内に長居することは
濃厚なガトーショコラをワンホール食べることに似ている。
もたれ ....
無防備な網膜を焼き尽くすように
太陽が全力で燃え盛るなら
私は夏の夜になろう

草いきれの温もりと一番星の子守歌
小さな背中をくすぐる風で
零れた涙を何度でも拭こう

私の祈りは雲にな ....
「生」
有限のもの。
熱を放ちながら、絶え間なく動き続けるもの。


「命」
無限のもの。
形や色を変え、どこまでも広がる時空に在り続けるもの。


「宙」
青空のずっとずっと上 ....
遥か遠くへ帰る人
つかの間ここに生きた人

いつか新たな太陽が
瀕死の地球を照らす時
あなたのいないこの星に
私はぽつんと立ち尽くす

足を引っ張ることでしか
引き止めるすべを知らぬ ....
大きな電気自動車に轢かれそうになりました。
凶暴な蛇に丸呑みされそうになりました。
太陽に炙られ干からびそうにもなりました。

昔物知りなトノサマじーちゃんが言ってたように
外の世界は危険が ....
覆い尽くそうとするビルに負けず
ただ泰然と空はあった
眩しい交差点を抜けると再び
空は切り取られてしまうけれど
工場の音さえ微笑ましく
あるいは無表情に
空はそこにあるだけだっ ....
不可視の波動を遠くへ飛ばす
(波動は見えると彼は云ふ)
石に触れると暖かい
(無機物にこそ宿ると云ふ)
電車は今日も軋んでいる
(ヒトには向かぬと彼は云ふ)
頭上を無尽に飛び交 ....
今日を時給に換算して生産性を上げるために空洞だらけの脳内の
途切れ途切れのシナプスをスティックノリとホチキスで応急処置して
電源入れても乾電池がとっくに腐ってたなんてよくある話でもう笑えない

 ....
乾いたガラスの向こう側。
バイクが通って水がはねる。
はねる。

どこか遠くで救急車。
道を急いで水がはねる。
はねる。

白い空の下
黒い道で
踏みつぶされた水がはねる。

 ....
夜が西へ消えた。

待って欲しいと祈ったけれど、
太陽は容赦なく私の影を伸ばした。

どこか遠くでカラスが鳴き、
人々が目覚め始める。

みなそれぞれに思いを抱きながら、
今日も電車 ....
蜘蛛を見た。

ぼくの左手の親指くらいあるんじゃないかな。
階段下の納戸の天井の隅っこで
何本もの長い足をピクリとも動かさず
じーっとしてた。
パパは、一昨日の夜も同じ場所にいたよって言っ ....
夜と朝の狭間に

私はひとり。

薄紫の空を見上げ

深く息を吐いてふわり。

月は薄く、儚く遠く

今にも消えてしまいそうにひらり。

夕方と夜の間に、いるよりもっと

 ....
たとえば、
精密に作られたメトロノーム。
大きく右へ、大きく左へ。
素早く右へ、素早く左へ。
常に同じリズムを刻むために、
右へ振れたのと同じ分、左にも振れる。
ゼンマイが切れるまで、ずっ ....
アンテナをセットして
あなたに送る。

『元気ですか?』

見上げた夜空に
ぼんやり三日月。

『いま、何してますか?』

風が大きな音を立て
私の髪がバサリと揺れる。

『 ....
まっしろなノートを脳内に広げ

インクの切れたペンを端に置く

そしてそうっと目を閉じた僕は

誰かが喋ってくれるのを待つの

僕の中には何人かが住んでいて

僕はオンボロのアパー ....
運転間隔調整のため、少々停車致します。

後続電車が遅れているため。
前の電車が止まっているため。

早くおいで。待ってる間に。
早くおいで。追いつかないと。

早くおいき。待ってる間 ....
珍しい駅で降りた。

どこかくたびれた地下道を歩く。

忙しないOLとすれ違う。

看板で地理を確認する。

慣れてない階段を登る。

ネオンや街灯の少ない地上が広がった。

 ....
さつき(36)
タイトル カテゴリ Point 日付
ジャンク自由詩111/11/30 23:21
Re:fall自由詩111/11/30 23:14
改札自由詩411/11/23 23:06
現在と不確定未来の物語自由詩310/12/5 23:47
独りぼっちのビニール傘自由詩310/11/14 21:40
境界線自由詩310/11/14 21:37
気持ち その1自由詩010/11/14 21:35
帰り道自由詩4+*10/11/4 22:51
行き先自由詩2*10/11/4 22:48
立ち止まったら自由詩0+*10/11/4 22:43
頑是無い望み自由詩3*10/10/28 22:26
薔薇と睡眠薬自由詩210/10/28 22:23
ひといき自由詩4*10/10/28 22:21
女とチョコと秋の空自由詩2*10/10/26 22:53
眠るひまわり自由詩5*10/10/26 22:46
意味自由詩2*10/10/25 22:12
400光年自由詩210/10/25 22:10
One Truth自由詩3*10/10/25 22:08
一片自由詩410/10/21 23:24
電波自由詩210/10/21 23:23
ある日自由詩110/10/21 23:19
灰色の朝自由詩4*10/10/20 22:21
ガタンゴトン自由詩1*10/10/20 22:16
蜘蛛とチェルシー自由詩0*10/10/20 22:12
ぼんやり自由詩2*10/10/18 23:40
ひくちから自由詩3*10/10/18 23:39
メッセージ自由詩1*10/10/18 23:37
オンボロアパートの独白自由詩4*10/10/17 23:35
鈍行自由詩3*10/10/17 23:25
You may know自由詩210/10/17 23:22

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