金に汚かった訳でも
訳知り顔で 
妙に細かかった訳でも
分け入れぬ領域を
自ら指示さぬ和気でもなかった
あなたなら
この色を
選びそうな 気がして
一目惚れ

プシュッ
栓抜 ....
たわごとばかり くりかえす
いいえ ざれごと などと いう

癒えぬ傷なら 云えぬもの
家なき家鴨が繰り返す水音

水面に跳ね返る自らの表情
視力が良くないから 確りとは見えない
 ....
縁為しのシンメトリーを泳ぐ
底無し沼よりは ちょっと浄化された海
魂の隙間から そっと漏れる光を
待ち望んでいるかの様な 青
それは 儚い

少しばかりの四方山話に耳を傾けて
鱗 ....
宵闇に揺れる 高速道の灯りよりも
大好きな瞬間が訪れた

巨大なビルディング
斜め上から見やるには
小さな蟻の巣にも似た鐘状

ダイヤモンドよりも
美しい煌めきを問いなさい
空白 ....
階段を駆け上がる音
せわしなく語り尽くす亡者たち

今 ここに
灰汁だらけの挑戦状が 叩きつけられて

扉に飛び散る液体が ワイン色の微笑を称えた瞬間
零れ出す 笑顔の中に埋まる ....
夜半からの雨が 霙交じりの雪に変わった
とは 勘違いだった様だ
どうやら霰らしい

霞がかった空の向こう側に 淡く光る山並みも
今日こそ凍えている

震えるならば 今この瞬間であれ、 ....
傾く木
進む人
立ち止まる影
揺れる夕陽

これから必ず来る
闇を知ってのことでしょうか

美しいと
感動するだけではなく
想像するのは 夜の帳だから

貴重な時間を
 ....
大地ごと覆うような器
実も心も丸ごと入った

ときめいていた時間軸に
留まってしまった記憶マドラーを刺す

陽射しは熱い
眺めている瞳以上の存在感

絡まり続ける氷の果て
誰か ....
夕陽は落ちないよ
そんなツッコミが 聴こえてきそう

誰がハミングするだろう
きっと 鳥たちだ

鴉は塒に還るだろう
何処から 飛び立つのか

あの 尖がった
一番 空に近 ....
長い財布が好きと言いながら
長居する訳には非ず

久々に マジックテープの 出番です
そんな 一句を 引っ提げて

手提げ鞄に 入れましたるは
折り畳みたる 財布ちゃん

何 ....
小さな鳥の運ぶ養分が 発芽する季節
根っこワークと呼ばれる 薄い表土に群がる
幾つもの感情

母なる大地と 誰が読んだのか
絡めても 絡めても 辿り付けぬ真実に
事実と違わぬ心を一筋  ....
同じフレーズから 導き出される 
別の存在

繰り返される後悔は 悪夢として形を成し
心の奥に出現するから

"なかったこと" には 出来ないんです
" ....
双方向に惹き逢う心はとても愛しく
逆方向に背き合う人はとても冷たい

*

滑車も車輪も歯車も
進むための物体

動かすのが人間
皮を被っただけでは
上手く操縦できない

誰に ....
カモメの漂う水面の色が綺麗で
見とれていた

歯を食いしばっても食いしばっても
喰い尽くすことの出来ぬ秋の落葉に飽き飽きして

踏み締めたのは
厚く塗られたアスファルト

塗り絵 ....
熱々の鉄板の上
肉汁滴る薫りに乗せられ
気分は上々

気流を信じて籠を編む
空に飛ばす為

厚い雲をも突き抜けて
何処までも昇れば
天使の羽根が見えて来る

昔憧れし衣の奥に ....
萌え出ずる世界を
連想するかの如く

ウキが描く軌跡は
花びらのよう

あと半分で完成する
パズルよりも
未だ足りぬから

脳内伝達物質で
飾り立てた

観えぬ部分は
 ....
痛み 哀しみ 揺らぎを留めて
クルクルと回る

周りを見渡せば
唯だの喧騒

カラカラと響く 笑い話
謙遜したり 相槌を打ったり
余念が無い

邪念が無いとは
どういう事 ....
はらはらと 降る粉雪に ハラハラと
シャッターチャンス 見逃しはせず

チャンスのみ ギュッと握って 離さずに
ぼやけた姿 画面の向こう

ふわふわの 着ぐるみよりも 見たくれは
 ....
繰り返される プロペラの連打
小気味よい音が響くは タイピング
キーボードの上で 鍵盤を弾く
例えば 裏返したら スケボーになる
子供の玩具は 何時だって 便利
算盤でも 剣玉でも  ....
懐かしい 小人たちが
掌の上で 踊る

手袋のない指先が
ちょっと 凍えている 感覚が
じんわりと 伝わる夜

ほっと温まる飲み物は
冬ならではの 癒しとなる


雪かきの後 ....
弾む 揺れる 溶ける
囀りが 尾を引いて 離れぬ

何処から 何故 どのように
角度は

幾つもの疑問符が
流れる雲のように

消えた 一枚の 五線紙
方眼紙ほどは 網目が ....
石や岩の文様然り
昔から好きで
凝視してしまう存在

最近じゃあ
根にも恋する有様で

空を見上げたり
花びらを映したり
下を向いたりと
余念が無いのね

*

産まれ ....
バニラの香りのするティッシュひとつまみ
鼻先をくすぐる乙女心を思い出せば
不摂生の祟った吹き出物ひとつ見つかる
忘れてしまった風な喉の痛みから出たイガイガ
足先から離れないイボのような ....
声にならぬ音を飲み込み
握りしめた手を
そっと解き 温めてくれる
一つの指先

万華鏡のように
揺れる頭

嬉しい
冷たい
でも 嬉しい
少し 悲しい

その指先に乗 ....
同系色のランチョンマットの上で
もっと真っ赤なリンゴが 鎮座している

情熱を 閉じ込めたような雰囲気
窓の外は 雪

白と赤
嗚呼 そうか もうすぐ 紅白の似合う
お正月だね
シェーバーが見かけよりもズッシリと重いのは
何故だろうと不思議だった 

携帯よりも小さい旅行用のシェーバーなのに
充電池の部分が妙に重いからだ 

そう信じていたけれど 
ちょっと ....
妄想の中の幸福は形が丸く色は薔薇色?
薔薇色と言っても色々あるよなぁと思えば
考えるのが面倒になって 

もうそのことから幸福を一つまみ
外側に放り投げてしまっているような気がするから  ....
クルクルと
何処までも
何時までも
終わらぬ螺旋階段を
永遠に 昇り続ける
そんなプレッシャーに阻まれて
そんなのはプライドが許さないと
何時の間にか叫んでた
時の間に間に
あな ....
本当は それぞれが 輝く筈の
星空を 見上げれば 一等星が
眼に映る 確率が 大きいから
何時だって 嫉妬 されるのね

個々に 良い瞬き方を 知って
実践している 星たちの 中で
 ....
昨日のと 一昨日のと 
明々後日の雪は
積もる手前で 出番待ち 

握りしめる欄干に にじり寄る 
この空気感で 

いっそ 溶けてくれないかと 
願い 込めながら

★,。・ ....
藤鈴呼(1080)
タイトル カテゴリ Point 日付
ゴールド自由詩018/11/23 10:40
掌に乗るもの自由詩1*18/11/16 9:23
深海魚自由詩1*18/11/13 17:54
オレンジの雫自由詩1*18/11/12 21:54
モルグ自由詩018/11/8 23:48
横向きテトリス自由詩018/11/7 19:25
夕陽好きの人は自由詩2*18/11/1 4:31
薄いカクテル自由詩1*18/10/31 1:41
親不知に夕陽が落ちて自由詩5*18/10/30 9:39
長財布自由詩0*18/10/28 0:16
ガジュマルのように自由詩0*18/10/26 9:52
春出現自由詩1*18/10/24 22:22
桜シフォン自由詩018/10/19 1:55
神秘の白鳥自由詩1*18/10/13 10:27
貝のように自由詩0*18/10/10 10:14
黒蝶粋自由詩0*18/10/9 9:55
車輪は何処迄続くのか自由詩1*18/10/8 2:01
雪の結晶自由詩3*18/9/24 9:31
空を走る自由詩018/9/23 11:49
指なし手袋、自由詩018/8/11 21:22
黄色い鳥の物語自由詩1*18/7/25 10:39
そんな風にね自由詩018/7/19 10:19
運河の先に自由詩018/7/18 23:42
冷たいから・・・自由詩2*18/7/15 23:55
白と赤自由詩0*18/7/4 9:12
新しい主自由詩018/7/1 9:10
バラ色の夢自由詩3*18/6/29 11:23
まろん自由詩0*18/6/28 10:23
白い夜自由詩0*18/6/24 11:16
左右の階段に積もる雪 自由詩1*18/6/20 0:23

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