愛してると言う言葉に埋もれる本質
どろどろに溶けすぎてただの涙になってる
誰の言うことも わたしの言うことさえ聞いてはくれない
“わたし”が不安だと泣く
それぞれの形があるとか言うけれども
 ....
砂とともに爪の間に入り込む
深い色に染まる

遠くを見つめる
深い色の青が
どこまでも広がっている
目をこらしても
何色の船も見えないよ

あなたがいない
知っているよ
自らの意 ....
梅の散る季節にも触れないで
びんの底にひとりよがりを沈める
こうして漬けておけばと月日が過ぎてゆく
手に入らないもどかしさに
焦がれてほんとうは気づき、身勝手に苦しむ
おんなだとかおとこだと ....
手の届かない手の奥には
冷たい温度が流れる
温かいなんてうそ、うそなのよ。

わたしの血液の流れる音を
聞きたがるひとがいる
屈託もなく笑う
永遠を謳いあげる
胸のあたりがひしひしとす ....
細い腕を抱え込んで
そのような乱暴な言葉は
どこで覚えたというのですか
おとこが
手取り足取り教えたというのですか
抵抗はしない
そのあたりだけ
華奢な格好をもちいる

わたしの思う ....
2月をたゆませて泳いだ
3月には疲れ切って本当の魚のようになった
あやふやな優劣の判定を何度か食らって
何度かはがれ落ちたうろこから
弱い部分を見せた
よわい人が
尾びれとか背びれとかを動 ....
体節をへし折る
感傷の季節に浸る

まだ青いからだを隠し込んで
いやらしい思い入れを隠し込んで
登校、あいさつ。

異性ということばに
ときめきを感じる
つかいかたは知らないのだけど ....
まるごとわたし、なつごもり
こんな季節なので
あなたと顔を合わすのもおっくう

真っ盛りに教室漬け
教科書ノート参考書の順で
男子と女子が、かたちもなく
見えない上下運動をくりかえす ....
ノートに身を投げましては
冬の景色になみだを浮かべる
あなたの口に添えた言葉を
死なせてしまった

息を止めて泳ぐ生活のなかで
このわたしに
はじめての名前がつきました

やわら ....
ソーダ水の温度に惑わされて
汗ばむ景色をよじのぼる

お元気ですか、夏

遠い背中に
あなたと名付けた
ひとのかたちを追って

「おはよう」を
言いそびれると
教科書の中で殺され ....
背中の波が剥がれて泣いて
海が誰かを呼んでいる
あなたのことを考えてみる

体を循環する器官のひとつひとつを
ていねいに洗う
みずの流れに臆病になると
腰にひびが入るんです

ゆるや ....
レース飾りの白いおんなの子が散って
発生成育は繰り広ぐ
くちびるを誰で染め上げた
誰がこの子を赤く汚した
(見初めたのが間違いでした)



                      ....
新しい名前を探す
けつえきいろのてのひらは
ひらひらと音を立てて
コンクリートの上をのた打ち回る

{引用=(あの子が死んでわたし、
新しい名前がつくの)}

あの子の
体の
一部 ....
腹実る夕暮れと
秋に焼かれる日は
何枚かに下ろされる日です
それは何でもない日のことらしいです

南下してきた陳列を
剥ぎ取ってしまえば
口口に言う
あの子の脚は
絶妙なのだと

 ....
うるさい指、が箸の刺し合い
口達者な音を立てながら
沸き出してはかんせいを呼び
食器と名付けました

放り込まれる点点点を待ち構える毎日
今日も仲良く胃の中で過ごす
互いの目、は潰れ ....
砂浜から間抜けた様子で眺めていました

流されないように飲まれれば良いよ
と貴方は仰いましたね

空の上から耳を打たれた人人は
履歴書を埋める作業が大好物で
細細と癖のある字で書き込みま ....
乙んなが欲しいのは
有名銘柄品かオトコか
後ろの言辺を取れば双方
物に出来るであろうから
乙んなは手に入れる為
粧し込む

疾うに色の葬儀は終えているので
幾ら
口に紅を塗ろうが
 ....
浸して上下に揺さぶって
美しい皮を被る
どれが本物なのか
私には分からない

裂いて千切って放り込んで
醜い器を満たす
どこが狂ってしまったのか
私には分からない

粘着帯でも貼っ ....
淡紅色の水水しい肌に結びつく成長ホルモン
その道すじを振り乱して泳ぐ姿は
それぞれ脂の乗った、見事な鮭
美しい女子高生の群れです

信号の向こう側に居る人々

仕立て上げられた
 ....
先生の言った言葉が離れないので
私は笛の通り 匍匐前進を続けます
多分未だ梅雨は明けてないと
塞ぎ込んでしまった穴に
降り注いでいる雨水

最近流行の酸性雨が草木と一緒に
私の事を溶かし ....
機械だと
称された私たちはいずれ
負け犬は御免

唱えるようになります
急ぎ足で
その役目を果たせば
あなたの枠に納まり
あなたの形を名乗ります

酸化したあなたの言葉は
 ....
なまぬるいお湯の中
しわくちゃになった書物を
指先を付け合せてすくいとる仕草で
かき集めます

誰かが告げた
さようなら
ひとすくいで用件を済ませば
ばらついた指先からこぼれだして
 ....
りこ(22)
タイトル カテゴリ Point 日付
しあわせ自由詩119/7/28 20:20
いろ自由詩116/4/30 22:40
なんとかかんとか自由詩414/3/24 22:59
出放題自由詩313/9/2 0:26
我慢、声自由詩113/5/17 0:38
こんざい自由詩413/3/21 0:17
3341のうた自由詩5*12/11/4 20:15
さまよい自由詩16*12/8/15 0:48
空白にする自由詩311/12/30 0:39
どうしようもなく夏自由詩6*11/8/24 17:56
ゆるやかにおしまい自由詩20*11/5/5 19:55
うれたからすうりうれないからすうりからす自由詩8*10/12/14 22:56
高揚自由詩7*10/11/21 22:03
あいさつぶん自由詩6*10/10/16 23:00
繁殖計算自由詩4*10/9/19 23:13
たのしみいろのうみ自由詩5*10/8/28 22:22
定規は如何自由詩3*10/7/6 18:21
間違い部屋自由詩8*10/4/24 22:49
浮泳ぎ自由詩7*10/4/17 17:22
自癖自由詩2*10/3/16 15:52
食われる自由詩3*10/3/9 15:25
無言の口論自由詩4*10/3/6 21:55

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