勝ち目の無い夜を手に
牛乳ばかり飲んでいたら
壊れていくお腹の夢を見て
コーヒーと蜂蜜を加え
一本の旗を立てる


そんな朝を
僕たちは
栓を開ける

蛇口からバリバリと
氷が落ちて
僕の手を
傷つけていく


窓に笑みが浮かび
僕もつい
笑ってしまう


痛みは無い
もしも
あのとき
楽園にいたのが
いぶと
いぶ
だったなら
僕が
こうして
アップルパイを
食べることは
できなかったのだ

ナイフを手に
血が滲む
背中に生えた
角を ....
ふたつ目の名前を
付けられた夜


ふと

目が覚めて





また眠る
並木道に陽が射して
黒と緑の横断歩道


緑ばかりを選んでいたら


まぶしくて
     ぽとり



地中深くまで
潜って行く


黒い粒



また逢える ....
こんにちは と
差し出された名刺には
箱庭とだけ書いてあった


鞄の中から取り出した
石に草木に川に橋、
さらには水車小屋までも
あれやこれや説明しながら
砂を敷き詰めた顔面に
 ....
いくら
頭をひねっても
夏は戻って来ませんよ
あなたはそう呟いて
日焼けの痕を
いたわっている
どんなに強く叩いても
破れるわけがないと思っていた





バチが当たった



だなんて
まじめに働く六月に
少しは休みをあげようと
国が「六月の日」を制定
俺はまだ死んじゃいねぇと
迷惑そうな顔をして
仕事を続ける六月の
背中がそっと濡れていた





 ....
ビルの屋上は暗転し
赤く染まり出すスクリーン


ゆっくりと見渡して
背から吹く風に
思い出す
ノイズ


右のまぶたに
ちいさな火傷跡
そっと触れて


聴こえるざわめ ....
風に乗った紙飛行機は

いつの間にか

水溜りの上



行ってしまった風に


敬礼をする
積み上げられて溢れた雲が
いっせいに崩れ
散乱する光


仕入れを忘れ
品薄の空に
また雲を積み上げて
崩れるのを待っている



そんな


春の



活気に ....
五分後には
起きているはずだからと
忙しく鳴く小鳥を
なだめて眠る



親鳥は必ず来てくれる
          と


大きな口を開けて
それは河のほとりに
それはいつまでも青く


彼らにとって
古より伝わる大切なもの
守るべきもの
祈りを捧げ
崇め続けられていた


それは現在こう呼ばれている


 ....
机の上の図鑑はいつも

同じページで広がっている



そのひとことが

また


言えなかった
日が落ちてから
こんにちは を思い出して
これで正しいのだろうかと
図鑑を開いて調べてみる


さっき思い出した
こんにちは は


ありがとう だった模様


明日は忘 ....
透明な地球儀にホコリが積もる


大陸を裏側から見ると

色が付いていて


ふぅーっと吹いたら風が起きたので


明日はきっと

晴れるでしょう
カカシの頭の上で
いつも泣いていたカラスが


首をあげる


揺れる視線の先
輝く円盤の中に仲間を見つけ
嬉々として向かっていった





違ったのかもしれない
 ....
星に願いを載せようと



夜空を見上げ

待ち続ける






流れて




消えたものは
歩くごとに
一枚ずつ
カードを捲っていく

高い数字を
待ち望んでいた

のに

ジョーカーをひいた



今の僕には

使い方が解らない
秋の詩と

冬の詩を集めて

詩集を作る




何故だろう

思っていたより

暖かい
今朝

ヘアーとニックがケンカした



今日

僕の髪がボサボサなのは


そのせいです
夏のあいだ

身を粉にして働いた




何も言ってはくれないが

役に立てていた

       はずだ





もうじき





    雪 ....
思い出す

最後の呼吸
      は




吸っていた





良かった

まだ生きている
一晩中

ブルーシールについて語り合う

植物性は許せないらしい



今朝

庭の畑に霜が降りた
夜空に咲いた
大きな花は


季節を巡った花弁を
風に乗せて


花粉を撒き散らしながら


  とけて

    とけて



大地へ

降り注ぐ


 ....
僕の猫しりませんか
行方不明です
指名手配にします
探してください
どこへいったのでしょう
わかりません
どうしていなくなったのでしょう
わかりません
僕が何かをしっていそうです
そ ....
主人のために
軽快な羽音を立てて
働き続けてくれた
小回りが効くからと
八の字にぐるぐる回ってくれた
働き蜂との蜜月を
寄り添う相手のいなくなった
この狭いガレージで
いつまでも
思 ....
時計の針が11時を指した
今日のお仕事は公園のゴミ拾いから

この街が患っている問題
待ち合わせまであと一時間
それまでに片付けよう


最後の空き缶をゴミ箱に入れたとき
時計の ....
湯船いっぱいの涙を
思いっ切り溢れさせて


浸り続ける


表面張力に

未練を感じながら
あとら(54)
タイトル カテゴリ Point 日付
『 夢 色 透 明 』自由詩3*06/7/16 23:47
氷道自由詩205/12/13 23:16
いぶいぶ自由詩205/11/30 1:44
事実の無い個人情報自由詩0*05/11/26 22:06
すいか自由詩2+*05/10/25 20:48
箱庭の吟遊自由詩5*05/9/16 3:36
いつか暑すぎた日の夏秋夏(カシューナッツ)自由詩0*05/9/14 22:59
和太鼓自由詩1*05/9/13 20:37
六月の取り扱いについて自由詩3*05/6/20 22:38
朝焼けパン自由詩4*05/5/25 22:50
雲を追いかけて自由詩3*05/4/25 20:19
市場自由詩2*05/4/4 20:31
優しい仕事自由詩5*05/3/29 22:58
ミシシッピ・ブルー自由詩1*05/2/9 18:44
こんにちは図鑑(二)自由詩3*05/1/12 22:27
こんにちは図鑑(一)自由詩4*05/1/12 22:26
地球儀自由詩2*05/1/11 21:59
カラスは仰向けに自由詩305/1/7 20:03
刹那い自由詩3*04/12/27 23:30
*自由詩6*04/12/26 18:19
秋冬自由詩3*04/12/21 22:18
『ヘアートニック』自由詩3*04/12/15 22:53
車輪人間[group]自由詩5*04/12/10 22:18
息をとめて自由詩404/12/8 17:04
脂喰坊主 と自由詩4*04/11/9 22:33
花が降ってきた自由詩3*04/11/7 21:36
僕の猫自由詩15*04/10/31 22:38
BEE自由詩3*04/10/29 23:59
「今日の治療指針」自由詩1*04/10/28 23:16
感傷自由詩1*04/10/27 22:22

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