今朝、革靴がこっちを見ていた。
私は目を逸らしてスニーカーを履いて出た。
夕方、スニーカーを脱ぎ捨てて革靴を磨いた。
私はスニーカーを靴箱にしまい込んだ。
 猫が鳴いた朝。
 灰色に塗られた空からは、飴が降ってきた。
 ぽつぽつ降る飴は、空よりも暗い色をしたコンクリートに落ちて、からから音を立てる。
 飴に塗れたコンクリートは色付き、甘い香りを風が ....
 どろどろした嫌なものは、ばっさり切り捨てた。 切られている時の光景は今でも忘れていない。
 ばらばら落ちてゆく黒い塊。 それに比例する開放感。 首筋を風が撫でる気持ち良さは真夏の風鈴みたいだ。
 ....
 今日は月曜日である。
 何故今日が月曜日だと知っていたのか私には分からないが、今日は月曜日である。
 何故今日が月曜日だと確信していたのか私にも分からないが、それが変だとは思わないのだから変であ ....
 抱きしめた白い少女は、ぼくを抱きしめていた。透けるようなその白さは光を吸い込んでいるように輝いている。

(ゆめをみる、)

 遠くで男が処刑されていた。首と胴が分かれてしまった男は黒い液体 ....
 めにみえているものが、しんじつとは、かぎらない。
 わたしがおんなのこか、おとこのこか、ほんとうのところは、だれもしらないのかもしれない。
 あのおとこのこだって、ほんとうは、かわいらしいことり ....
 げんそうを知りたかった。
 えいえんが分からないから。
 げんそうをどういうものか僕はみてみたかった。
 えいえんがなかったから。





 ほしとほしが干からびて補えなくなっ ....
 海に階段が見えたらのぼりましょうか。 つきとほしの光をふんだんに使った階段はとてもきれいですよ。 えいえんはとおいですが。

「えいえんとは マカロンの色ですか? ワインの年月ですか? シナモン ....
 白い鳥たちが白い空に飛び立って消えてしまった。 少年は赤いリボンにくるまれたプレゼントを抱えて空を見上げている。 赤いリボンは見えない風にさらわれて、白い空に舞い上がった。

 夕暮れの暖かい光 ....
 咲いた菜の花をむしり採って、
 夕暮れに鳴く蜩を踏み潰して、
 熟れた枇杷を投げ捨てて、
 白い地面を蹴飛ばしました。

「毎年、四回やって来る電報は、全て、破り捨てました。」

―― ....
 オムライスの中には隠し味が入っている

 ケチャップライスに ころころチキンと 色とりどりのミックスベジタブル
 ふわふわ卵には 少しの砂糖が混ざり 真っ赤なケチャップがくねくねしている
  ....
 昼間に鳴いた狼は間違っているのだろうか? ぼくは考えた。 昼間に鳴いた狼は遠吠えなのだろうか? もし遠吠えなら、何故昼間なのだろうか? ぼくは、狼が夜に遠吠えをするものだと思っている。夜、仲間を呼ぶ .... 起きたら今日が始まっていた。目を開けて瞬きをしたら夕方だった。僕は何をしていたのだろうか。テーブルにあったワッフルを食べた気がする。映画を見たような気がする。夢だったのだろうか。そうなると僕は目を開け ....  白くもないぼくの首を 黒くもない少年の手で絞められた音は 霧のように散布した

 青くもないぼくの眼を 赤くもない少女の靴で踏みつけられた味は 露のように甘かった





(メー ....
 とくんとくんと 夜空から鼓動が耳に届いた
 とくんとくんと 光の花が咲いては散って
 とくんとくんと 私の胸に花が咲いた





 胸に植えられた花は 夏の思い出をいっぱい抱きし ....
(少女たちは 双子と あべこべに踊り回り
 でんぐり返った星と星に微笑んだ)





半日 闇のフリルに横たわった
瞳が金色に染まり 金平糖を摘んで食べながら 黒い刻を眺めていた
 ....
ふらふら揺れていた 掴まるところが無くなったのだろうか まるで風見鶏のようにとみこうみ





くるくる回っていた 目が回らないのだろうか まるでスケートのように四回転ジャンプ

 ....
志賀羽音(17)
タイトル カテゴリ Point 日付
思いつき自由詩113/4/15 22:11
あめ。自由詩010/4/15 18:54
かみきった自由詩110/4/13 15:01
分からない月曜日。自由詩209/8/24 11:30
ゆめのむれ。自由詩409/8/20 10:37
がんきゅうしんじつひていろん。自由詩409/8/16 12:41
げんそうはげんそんか。自由詩809/8/15 22:06
えいえんをえんえんと。自由詩409/8/11 11:55
けーきのひ。自由詩309/8/7 20:31
伝わる自由詩409/7/31 22:20
オムライスの中には隠し味が入っている自由詩209/7/27 11:56
なくことについて自由詩209/7/26 19:10
文月二十三日自由詩509/7/23 17:59
死体の独り言自由詩309/7/22 18:36
花火の鼓動自由詩109/7/19 21:06
少女たちのレジスタンス自由詩309/7/19 12:08
優柔不断自由詩409/7/17 22:37

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