週末の街はにぎやかすぎて
バッグを持つ手も疲れてくる


携帯カメラで撮ったノラネコ
友達に送って

「かわいいね」
「飼っちゃえば?」

他愛ないやり取りのために
ただ撮ったノ ....
温帯湿潤の
まとわりつく汗
ふとももを滑る
ながい指

顔も見えない
暗がりで
気だるく足を
絡めとる

柑橘の香りのする
強いカクテル
零れるままに
流し込む

少し甘 ....
声がきこえる
まどろみの午後

なつかしい声音は
母のようで父のようで

深海から響くように
雲間から降りるように

記憶を呼び覚ます
なめらかな旋律

やわらかな ....
大切な人々の顔を
思い浮かべながら
彼は軽やかに飛び立った

掴み取るはずだった花束に
指先さえふれられずに

行き交う車の音が
彼の歌をかき消して
静かにおりてゆく
 ....
過去は幻想のなか
思い出せるのは夢だけ

今日の日も夢にまみれて
ふれたつもりになって通り過ぎ

明日は確かな手触りをと
中空を両手で掻き回す

夢だけが本当で
夢 ....
紡ぐ糸
織られた地図

航海図は広々として
目的地は標されてはいない

綴られた古代の文字は
解読されることを拒んでいる

幾重にも織り込まれた
あなたの秘密

 ....
たたく
なぐる
うちあわせる


うちつける
こと


激しくぶつかり合って
痛い
痛い
嫌だよ


うちつけて
たたきのめして
泣いて
わめ ....
わたしのからだは
分裂する
ちりぢりに
ばらばらに

わたしのこころは
飛散して
あなたのところへ
あなたのこころへ

ひとときも
まとまることなく
あちらへ
こちらへ

 ....
吊り下げられた鉛の球は
僅かにもぶれることなく
静止している

ざわめく空気の中にあって
微かにも揺らぐことなく
停止している

憧れと嫉妬の視線を受けながら
ただそこにある ....
さあ
悪い遊びをしましょう
昼間の仮面を脱ぎ捨てた
汚い大人の手を引いて

さあ
暗い悦びにひたりましょう
善意の笑顔を貼りつけた
醜い大人に媚売って


そう
 ....
歪んだ真珠を抱え込む
背中を丸めた少女たち

世界は平衡をなくし
遠近法は意味をなさない

耳元でささやくのは
畸形の妖精
足元にうごめくのは
手足をなくした娼婦

 ....
 
 
白と黒の
ふちどり

真っ赤な
口元


からだのラインを
浮かび上がらせる
スーツ

からだのラインを
あいまいにする
ドレス


おどけた嬌声
うちひ ....
わたしは身を投げ出す
わたしのからだの先へ

わたしは地を蹴り跳ぶ
重力の枷を振り切るために


グランジュテアンナヴァン


高く遠く大きく


グランジュテアンナヴァン
 ....
舌先でなぞる
生の輪郭
より分けられた
命のかけら

細胞が触れる
わたしのからだが
呼応する

触発された
律動
響きあう
器官

からみあう生命の
螺旋を描く

 ....
既にみた風景を
わたしは繰り返し
同じひとをみつめる

ゆらぐ意識のなかで
あなたの名前を
思い出そうとする

記憶を辿るわたしは
星の軌跡にわたしをみる
あなたの面影にわたしをみ ....
わたしの
からだの
なかに
ながれる
オレンジ

いろ

わたしの
はだを
あつく
こがす
オレンジ

ねつ

わたしの
いまを
つよく
うごかす
オレンジ ....
わたしはおどる
ひとりでまわる
くるくると
まわる
まわる

わたしはひとり
まわるはわたし
くるくると
おどる
おどる

だれにもふれられないように

まわる
まわる
 ....
Pirouette(17)
タイトル カテゴリ Point 日付
ノラネコ自由詩109/9/5 20:31
夏のニオイ自由詩109/8/14 8:18
Voix自由詩109/7/13 18:18
Suicide自由詩009/6/17 15:09
Re^ve自由詩109/6/14 17:14
Entrechat自由詩009/6/12 2:33
Batterie自由詩009/6/10 4:24
からだ自由詩109/6/7 19:49
Plomb自由詩209/6/1 12:03
Enfant terrible自由詩109/5/30 22:23
Baroque自由詩209/5/29 22:07
Gothique自由詩109/5/28 20:42
En avant自由詩009/5/27 20:12
Twist自由詩109/5/26 10:40
DEJA自由詩009/5/24 23:33
オレンジ自由詩109/5/23 17:10
Pirouette自由詩209/5/21 19:52

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