仕事帰り,
夕陽を背中に向かうのは
いつものスーパー。
切らしていた調味料を見つけ,
手を伸ばしたのは
いつものサイズ。
でも
ここに居る間には使いきらないな,
とまた棚に ....
ちゃんと伝えるのが礼儀だから,とか
言ったとおりにできたから,とか
背中を追いかける言い訳が降り積もる
上書きできなかったお前が
お前を上書きできなかったあの人のなかで
幾許残っているも ....
もう最後だから,
イベントはちゃんとやろう
もう最後だから,
綺麗な写真残しといてやろう
もう最後だから,
ちょっとだけ優しくなろう
またね,とか
来年は,とか
薄皮一枚分 ....
何千回か言ったくらいで
何万回か重ねたくらいで
軽くなったりするものか
僕はまた知らない土地で年を明かす
レジで礼を言ってくれるおばさんの言葉も
僕の中に置いてけぼりを積もらせる
僕の知らない言葉で,君が友人と話す
また少し置いてけぼりなのを感じながら
僕は ....
重ねた日々に背を向けて
体面を省みず
若い体を受け入れた
久しぶりの電話で僕に告げて
君が言う
“違うの,本当にすごくかっこよかったんだって”
2人とも制服を着たままで
場所もかまわ ....
2畳もないキッチンで洗い物を済ませる
食器が触れ合う音が
夜の静けさに吸い込まれていく
君がくれた習慣で,ハンドクリームを塗る
緩慢に手をこすり合わせる音も
静けさの中に吸い込まれていく ....
またね
行き違いの電車が同時にすべりこむホーム
確認しあって背を向けた
またね
すれ違いの苦味をかみ締めた日
精一杯でそれだけ言った
またね
お互いの気持ちを伝え合う ....
君も知ってるだろ?
僕らは言葉で世界を作って
支えてるんだってこと
だから何をすればいいかは明白だ
そう,9番目の文字
それが欲しいといってごらん
つぶやく程度でもかまわない
そのう ....
薄い膜一つあるかないかで
本当は変わったりはしないよ
いいわけを探すなら,他のことにするといい
あるいは,欲しいものは,本当は
たかが0.02だか0.03だかの
向こう側にしか存在しえな ....
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