耳を痛めたくないから
仕事以外で
ヘッドフォンは使っていなかったのに

偶然押したボタン
あまく、やさしい声が
右へ、左へ
流れては消えていく
切なさにとろけるような
魔法の声
 ....
1980年になったと
あの日、テレビはカラフルにうたっていた

パロディでも懐古趣味でもなく
アイドル歌手は真っ正面に
キラキラな服を着て歌い
その後に続いてニューミュージックがかかる
 ....
何か自分に
とても
くだらなく、
そして
やさしいことを
してあげたくて
3歳児が寝静まってから
缶ビールとスナック菓子を用意した
酒は苦手で飲めない
けれど
時給ベースの仕事で
 ....
ラジオから
音楽が流れている

朝の光が窓から差し込んで
世界がうんと美しく見える

女らしさや、男らしさが
ちりぢりばらばらに散らばって
混ざり合ったその向こうの
いや何にも混ざり ....
あたしが何を見たって?
6月27日の夜
そうね、雨だったわ。
2AM
裏通り、濡れて光る外灯の下に
若く、美しい男が立っていた

男がいるのはこの世界の真ん中で
これから男に降りかかる ....
早く、早く
手を取って
走り出す
子どもたちを追いかけて
私も月日をさかのぼり
もう20数年もむかしに来た

ことしのサクラの色
いつもよりもずっと
白っぽいのは
冬が寒かったから ....
せんせいが言った
好きな人どうし、ふたりぐみになりなさい
みんな、あわてて、ふたりぐみの相手を探しに走る
適当に、となりの子とでも手をつなごうと思ってたけど
となりの子はとっくのとうに
向こ ....
私と気の合う人

すくな〜い・・・

んだね。
来るよ
音がするもの
ザクザク ザクザク 
ザクザク隊の音

兵隊さんの靴の音

音楽室の真向かいの
ラグビー場は昔
兵隊さんの
中継地だったって

だから聞こえる
夜になる ....
しばしば自分はひとりだと思うのだと
古い、古い、友人に話してみた

今、感じている、この世界との不調和は
ときにどうにも、こうにもと

しかし彼女は、私が就活でメゲているときには日本におら ....
いままでで
いちばん
おいしかったものは何?と
質問した。

そうねぇ・・・

小さいころ
母とおばさんと
うみに行った
行きの電車の中で
おばさんがくれた
おにぎり

あ ....
穏やかな日常が
美しく思えるのは
嫉妬や、ねたみや
細かな不安の襲来と
絶え間なく
闘っているからかもしれません

ほかの
みんなはどんなふうに
生きているのだろう
何を心に
抱 ....
3学期、ヲワリ
春休み

だれでもない、どこにもいない
私、自分、先生、ボク、だれか

持ち主のないロッカー
口をあけてるだけの、下駄箱
寂しそうにぶらんと、掃除用具

バイバ ....
苦しいけれど
色鮮やかだった

恋をしていた

11時でも、12時でも
遠くても、行けた

何度でも
傷つける、と
思った

だめだった
ため息をついて
明け方

始発 ....
いつもなら、秋冬物を早々と買ってきて
早く着て出かけたいと気が急いているのにね

ことしは何だか少し違う
すっといなくなった夏が恋しくて
秋の早足についていけない

まだ大丈夫でしょうと ....
だから結局
「来月からワーホリ行くから」
っていわれた時点で
ああ、もうだめなんだなと
これは、置いて行かれるんだと
私はいったん、絶望しちゃってて

なんでみんな
突然なんだよと ....
17の夏、あの子と
ブラブラ、ブラブラしてた

大学受験も考えなきゃならんしさ
そろそろ、真面目になんないと
ああ、わかってるよ、わかってる

何もかもに集中できず
机に向かえば脱力し ....
ジーンズをはいたあの人を一目見たくて
地下鉄の階段をのぼって、まぶしい光に触れた

淡いブルーのコースターに
カラコロと氷をかき回す
ストローが映って
はっとするほど
あの人は、きれいだ ....
朝、6時15分に目を覚まし
冷たい水で、じゃぶじゃぶ顔を洗う
ついでに、寝癖のついた髪を濡らし
ドライヤーで乾かして、整える

コットンのシャツを身につけて
きのう買った、新しいスカートを ....
家計簿つけて、ため息ついて
数字とにらめっこ、にらめっこ

ああいやだ
世間のあれこれ素知らぬ顔で
きれいな言葉しか紡がない
詩人になりたいのに

いつの間にか口をついて出る
お財布 ....
唐突に始まった宇宙
爆発のチリが固まり
どろどろの高温が冷めて
星となり
生命体が誕生し
単細胞から進化し
海から上がり
生存競争をくぐり抜け
何十万年という歳月の中
精子、卵子、精 ....
きのう、きみの夢をみた
バスの中
きみはいつもの、あの感じで
私のことを、はらはらさせた

私はやっぱり、大人になれなくて
もういいよッと、
しかめっ面をして見せた

ずっと昔のこと ....
ウメ、モモ、サクラ
つぼみ、ふくらんで、ふくらんで
あれは木蓮、こぶしに、山法師
ねえ、ねえ
歩いて行ってみよう

もうすぐ、すぐそこ
木たち、ぐんぐん
腕を伸ばして近づいてくる
お ....
雪が降り出して
過去から電話が
かかってくる

空から
落ちてくる雪は
ただ無責任に、軽やかで
遠い外国の物語の初めみたい

赤子は、ガラス越しに
生まれて初めて雪を見る
冷たい ....
もうじき40
そうか、あたしはおばさんか

誰かを
うらやましく思うのは
面倒だよな

ひがみっぽいのは
つまらんな
しけたポテトチップみたい

だから漕ぐんだ
ママチャリ ....
何度でも思う
これは奇跡だと
春まで生きていて
本当によかったと


{画像=100413110014.jpg}
しっくりこない幸せよりよりも

  自分にぴったりな不幸の方が

居心地がいい。

  そう、言い切ってしまった私

今朝の空気はすがすがしい。
穏やかな
3月の晴れた日
心はなぜ、ざわつくの

携帯メールから来た友人の
ふとした言い回し
この、ざらりとした感触を
何と呼んだらいいの

ふいに連絡が途絶えてしまった
あの人た ....
久しぶりの長電話の末に
ケータイのバッテリが切れかけ
「次は原宿」と
約束する振りをした

あれがラストだとは
まさかそのときは
思っていなかったから私
中途半端な態度のままだった
 ....
手取り14万で都内のアパートぐらしじゃ
刹那的に生きる以外のライフスタイルなんて
望めないよねと
黄色い電車の中で、話していた女子がいた
おきまりのように「いい人いないかね」と
相づちをうつ ....
うめバア(161)
タイトル カテゴリ Point 日付
ヘッドフォン自由詩614/1/10 17:54
1980自由詩914/1/4 11:41
くだらなく、やさしいこと自由詩2513/12/9 7:03
朝の光自由詩12*13/11/16 7:53
若く、美しい男自由詩6*13/9/3 7:00
さらりとな自由詩913/3/26 2:43
体育の時間自由詩1012/12/23 1:18
この国に自由詩112/12/16 22:22
夜の足音自由詩412/12/16 22:20
世界との齟齬を埋めるために自由詩212/6/28 1:10
今まででいちばんおいしかったもの自由詩612/4/26 16:24
おひるごはんを食べながら自由詩612/4/25 21:49
名札とうわばき自由詩212/3/22 17:12
ホーム自由詩412/3/22 16:48
秋の早足自由詩611/9/28 13:30
夕暮れ、渋谷自由詩311/9/9 17:44
17の夏、あの子と自由詩7*11/9/8 0:01
地下鉄の自由詩1*11/9/7 23:43
自由詩111/8/5 15:21
梅雨の晴れ間は自由詩411/6/28 22:49
ただちに健康への影響はないと判断されています自由詩311/5/23 14:30
キャラメル自由詩311/4/7 9:47
においが3月、声が4月自由詩211/4/5 17:05
雪−だれにともなく、話しかけたい自由詩311/3/7 11:38
てやんでぇ自由詩211/2/2 14:59
花の季節自由詩310/4/13 10:53
自由詩110/4/2 10:36
イライラは3月の・・・自由詩210/3/11 13:02
身を切られない別れ自由詩209/11/27 18:44
China Price−あの子と私自由詩6*09/10/15 17:11

Home 戻る 最新へ 次へ
1 2 3 4 5 6 
0.28sec.