どの経を択ぶも花野
そう呟いて少女が
コスモスの群れに混じる
大げさに手をふる姿に見覚えがある
一八歳の唇の硬さも
一輪を手折って
握りしめた形のまま風になって
彼方から押し寄せてくる
 ....
鼠を捕ってくる
雛のために

木々の根を掘ることで鼠は
さらに土深く、広く根付かせるのだが
ささやかな営みは永遠に中断された

雛は、くちばしとかぎ爪で
鼠を裂くことを覚える
肉塊と ....
どれほどの
命を生きたか
はかる物差しはなかった

命をかけたものの
値打ちについても
同じだった

机には
首の取れた
犬の貯金箱が転がっていた

こどもに死なれた父親は
 ....
死んでお詫びをします
そういって飛び降りた
卒業式で
大好きな学校、というべきところを
大嫌いな学校、といったのだ
責められても
大好きな、とはいえなかった
心を伏せて好きということがで ....
宇宿一成(4)
タイトル カテゴリ Point 日付
彼方へ自由詩608/4/1 8:23
面フクロウ自由詩308/3/31 8:18
のざらし自由詩108/3/29 13:47
十二歳の死自由詩008/3/28 10:04

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