波はゆれる境界
なかば砂に埋もれた
頭蓋骨の眼窩から
蟹が一匹入っていく

風は不確かな時間
すり硝子のように
薄くなった骨を透かして
蟹は太陽の輪郭を見る

そこは廃れた教会であ ....
季節の坂をのぼる
胸には美しく包装した
空き箱を抱き
歩幅のぶんだけ
地平はさがり

わずかに高まる
あなたの心音を想い
わたしは勾配の不安に
つまさきで触れる

春色はとうに
 ....
かたくなな心を
あたたかい雨が叩く
旋律は燃える
今は遠い父の膝で
聞いていた
赤い新宿の歌

手を打つ
男らの丸い肩
裸電球の下で
揺れていた
私と湿った座敷と

歌ってい ....
阿川守基(3)
タイトル カテゴリ Point 日付
砂浜自由詩108/4/12 1:50
そら似(ver.2)自由詩3+08/3/15 12:21
新宿の歌自由詩408/3/10 10:24

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