いつだって冬色の色彩感覚で
何にしたって閉鎖的
開いては、閉じる
掴んだ時のぬくもりと
離した時の熱の掃け方を見つめている


{ルビ囃=はや}したてたって何も出てきやしないよ ....
爪先から抜けていく
君がくれた熱は僕のものにはならなくて
隣に居ることが出来ないと分かったあの日から
君がくれた熱はまた君の元に戻っていくみたいに
僕から抜けていくよ

熱を辿れ ....
どこからか浮き出た熱は
日にちが幾つ捲られても抜けてはいかない。
やがて余分な角が削られて
体内の一箇所に集約されてしまいそう。
どうせなら胸がいい。
熱源となっているこの場所から ....
タガを外したくて
気がクルった風な身振り手振りが
違う違うと笑いながら言うあの感じの手の動き
それに似ていた。
左から右へ右から左へと。

カナシミは無くなった。
よろこびだ ....
嫌い
好き
嫌い
好き
嫌い

最後に好きが残った


あの頃の気持ちは大人になるにつれて
汚れてしまったり
自分から手離したりしてしまったけど

人を純粋 ....
聞かせてよ
その声で
彗星がぶつかってきても
身を寄せあって


兎が月に埋めてくれたのは
僕が渡した雨の素
ゆっくりと溶けて
月を覆っていくんだよ


薬指に ....
情念を全て注いで
90円の切手貼り付けて
何処へ行くのか
気味の悪いただの紙切れ

跳び箱の隙間から覗いた
開いて閉じるだけの世界だった
見てしまった
ただの成れの果て  ....
口元を汚して
咀嚼はよく出来ましたか?
何度も何度も
歯茎から血が滲むのも気にせずに
何度も何度も
大事に忘れないようにと
何度も何度も何度も何度も

可哀相に
そう ....
生きていれば
どこかできっと会えるよ

たとえ消えたとしても
その内あっちで会えるはずだよ

僕も
君も
ただ
慎ましく包まれて
細い二本の指先で
互いを汚すだ ....
{ルビ劈=つんざ}いてほしいんだ
掻き{ルビ毟=むし}ってよ千切り取ってよ
口元をあんなに汚して
僕はそれを醜いことだとは思わないよ

{ルビ肖=あやか}りたいね
その無限の感情 ....
目を伏せるほど途方もなく
君には無駄な事もなく
僕の両目は焼け焦げるように熱く
空欄ばかりの空に埋める言葉を探している

半額にもなれない適当に上手な林檎菓子みたい
真っ黒なワン ....
ラ ラ ラ 
って、雨が降り始めた
数える 頬に当たる奇数の雨粒だけを

次第に高揚していく私の手は
洗面器に張った水を揺らして減らしていく
掻き乱して、掬いあげて、
零れ落 ....
潜ってみるよ
どこまでもどこまでも
柔らかく軋んでくるから
ぎゅって大きい手で掴まれたみたいに
自分の小ささが解るから

もう
眠ろうよ
丸くなってね
秘密を守るみた ....
きみは気づいていないだけで
既に、もう持っているだろう。
欲しいって言っていたもの
たくさん持ってんじゃん。
零れるくらいにさ。

何に対しても、怖がることなんてないんだ。
 ....
螺旋状に渦巻く蝶の群れ
一切の{ルビ躊躇=とまど}いも無く舞い上がる
空に蜜があるかのように

呼吸を止めた
雨垂れが石を{ルビ穿=うが}つように
ゆっくりと呼吸を止めた
景 ....
きみに届かないのなら
この手も
この声も
見せたい風景さえも
全て何もかも要らないよ

曖昧な関係は
ぼくらの呼吸の邪魔をする
けれど
あの頃の空気なんて
もう流 ....
君のその胸に空いた穴
穴のあちらは澄んだ空
僕は今日も君を通して空を見ている

そんな君にも雨が降る
影が射さない日
僕はちょっと君を笑わせてみる

すると次の日には決まっ ....
青いのは庭の芝生だけじゃない
投げやりな悲しみも
いつか煙になって空へ昇っていっちゃうよ
焼却炉で燃やしているのは誰かへではなく自分自身

教室に
グランドに
体育館に
 ....
右のまぶたが痙攣している
右のまぶたが痙攣している
乱れて震えて
知らないあの娘と痙攣している
右のまぶたが痙攣している
右のまぶたが痙攣している
左のまぶたの由緒正しきその姿 ....
「これ以上何も要らないんだ」
似合わない無欲
ヘタクソな言い訳で自分を成り立たせてる
何を気取ってる?
その何かさえ未知のまま

情緒不安定
異国情緒溢れる思い出のあの場所
 ....
未熟すぎる、この気持ちなんて
春風に吹かれてどっか飛んでってしまえばいい。

なんにも分かんなくって
何度も振り返っている。それ以外を知らないみたいに。

ただ離れて、また一歩近づい ....
柵の向こう側で綺麗に横たわっていてよ
低速の音
よぎり始めて、永く続いて、
何事もなかったように
始まってもいなかったみたいな

気が狂ったような風の中では
見えるもの全部が ....
空欄に埋まるのは
どんな答え?

意味があるかとか
どうでもよかった事とか
そんな判断も
過ぎる日々の中であやふやになっていく

僕らは変わっていくから
君の正しさもい ....
あなたは何も
残していかない
わたしは何も
あなたにあげたりしない

きっと、迷惑なくらい
これから考えることが増えて
何も手につかなくなるくらい
そうして考えることに疲 ....
密接に造り上げられた景色も
回転速度をあげたなら
すぐに抽象的になっていく

ぼかして
ぼかして
気持ちに素直になればなるほど
薄め方を探している

適度な距離は
 ....
あのひと。
冗談まじりに
笑えないの
って
言っていた。

けれど
あのひとの笑っている顔は
何度か見たことがある。
少なからず、笑わせることは
できるみたい。  ....
彼女はそこに居るのに
不確かで途切れがちだから
そこに居ないみたい

{ルビ皹=ヒビ}の入った世界に
うつ伏せで
静かに極力静かに

目が閉じるのを
待っている
端 ....
自覚なくリンゴみたいな顔の色
跳ねるたび、イチダン浮き上がるカラダ
片足でタン、タン、とキミのシャツ掴んで

斜面から涙の玉を転がしていくコロコロと
光に反射して弾んだりして笑ってい ....
吐き出しても余っている感情に
君は捕まらないでいて
何も知らなくていい
目隠しは離れたらほどけるよ


揺らめくロウソクの灯り
口元に寄せられるスプーン
空腹の夜が音を飲み ....
小さな声だから聞き取ろうとする
耳を近づけて確かめた
話し終えるとうつむいて
まるでよその人みたい
誰だっけ
僕らは誰だっけ


いつもの建物
よく見かける人達
昨 ....
菊尾(156)
タイトル カテゴリ Point 日付
「土曜日、手前」自由詩1*07/11/21 20:29
「息」自由詩007/11/21 20:26
「通る人」自由詩0*07/11/21 20:25
「navy blue」自由詩007/11/20 19:11
「花」自由詩1*07/11/20 19:09
「パステル・カラー」自由詩3*07/11/20 19:05
「ノンノンノン」自由詩007/11/19 5:24
「結ぶクチ開くクチ」自由詩007/11/19 5:22
「過ぎた日」自由詩1*07/11/19 5:20
「雨呼び」自由詩0*07/11/18 4:45
「スイガラ」自由詩007/11/18 4:41
「水滴の午後」自由詩007/11/18 4:40
「眠り水」自由詩007/11/16 18:18
「きっと」自由詩007/11/16 18:17
「蝶葬」自由詩107/11/16 18:15
「距離」自由詩007/11/15 17:45
「不純な僕と君の空」自由詩007/11/15 17:44
「足跡」自由詩3*07/11/15 17:41
「痙攣」自由詩2*07/11/14 2:15
「離すけど」自由詩107/11/14 2:12
「四月前」自由詩007/11/14 2:04
「風の中」自由詩1*07/11/12 7:16
「保存」自由詩007/11/12 7:14
「曇る前に」自由詩0*07/11/12 7:13
「嘘ひとつ」自由詩0*07/11/11 5:16
「あのひと。」自由詩007/11/11 5:15
「お気軽に」自由詩2*07/11/11 5:10
「あたしとキミとあの満月は二日前」自由詩1*07/11/9 21:51
「シークレット・ガーデン」自由詩2*07/11/8 23:59
「ceiling」自由詩1*07/11/8 20:34

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