踊るクレヨン。

薄っぺらいやみを
のたうち回るクレヨン

頭はばくはつし、炎をもやし
うすよごれた体には
雷のさきっちょが落っこちて、
まっさかさまに
突き刺さっている

その ....
台所で
母が米を研ぐ音は
別な音がする

えっちら おっちら
えっちら おっちら

母の手が
つめたい水のなかで
ゆきをふみしめる

わたしはうまく研げないので
そんな音がしな ....
めをつぶると
しん と
みえる

それは暗い水に浮かぶ
水銀のようなひかり

それをすくい上げると
すこし かなしいおとがする

とうめいなうみの底で眠る貝殻

いつしかそれら ....
消えたにっき

せいふくのすかーとが
はたはたと笑う

ゆうやけぞらがのどに沁みて
嗚呼
透けたひかりの音がする

あの頃のかなしみを
わたしは
のこしておきたかった


 ....
わたしは たしかにそこにいるようなきがしました
探さなくてもよかった
わたしはそこにいたのです

きぼう
きぼうだ

明るい箱のなかで
宝石はきゃっと可愛く光る

ジリジリと電気の ....
しろいしろい
まっしろな頁
そこには

紙いっぱいにひろがる
まぶしいかなしみがある

それはいつか
日にやけた
本のようなにおいがする

いま
そのにおいをかいでいる

 ....
鴎田あき(6)
タイトル カテゴリ Point 日付
あの 鶏自由詩7*07/11/15 10:01
米をとぐ自由詩5*07/10/23 11:39
貝殻自由詩6*07/10/22 0:59
きえたにっき自由詩5*07/9/25 12:40
ポケット自由詩1*07/9/22 1:14
本のにおい自由詩3*07/9/21 11:44

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