眠らない街に迷い込んだ。
極彩色の光が淀んだ空気に鈍く映る。
目を覚まさない空を見上げた。
止まったような時間の中に濁りきった月が浮かぶ。

人を貶めて誰かの影に怯え廃れた約束に縋りつく。
 ....
空は日に日に高くなる。太陽も少しずつ優しくなる。

蝉の声も途切れ途切れで風は熱を失い始めてきた。

忘れかけてた淋しさが波のように押し寄せる。

夏が終わってしまう。夜の声が増えて ....
スポイトで吸った液をガラスに乗せ、顕微鏡で覗いた神秘の世界。
銀河の始まりもこんなに小さなものだったのだろうか。
サボテンの刺、蜘蛛の脚。命は先端にまで満ちていて。
髪の毛の先や爪の先まで ....
東雲 李葉(183)
タイトル カテゴリ Point 日付
『化石の街』自由詩2*07/9/1 9:12
『ヒグラシ』自由詩1*07/8/30 22:28
『理科室』自由詩8*07/8/29 11:44

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