眠らない街に迷い込んだ。
極彩色の光が淀んだ空気に鈍く映る。
目を覚まさない空を見上げた。
止まったような時間の中に濁りきった月が浮かぶ。
人を貶めて誰かの影に怯え廃れた約束に縋りつく。
....
空は日に日に高くなる。太陽も少しずつ優しくなる。
蝉の声も途切れ途切れで風は熱を失い始めてきた。
忘れかけてた淋しさが波のように押し寄せる。
夏が終わってしまう。夜の声が増えて ....
スポイトで吸った液をガラスに乗せ、顕微鏡で覗いた神秘の世界。
銀河の始まりもこんなに小さなものだったのだろうか。
サボテンの刺、蜘蛛の脚。命は先端にまで満ちていて。
髪の毛の先や爪の先まで ....
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