昼は
昼はおおきすぎて
おなかのなかで
昼じゃない時間になった
かいじゅうは君が開いたことない本の、151ページ11行目の中にいるよ
かいじゅうは雨の日、水受けになったプラスチック容器い ....
まよなかに
めがさめるのは
きのうがきょうを
こいしがるから
こまぎれに
くだけてきえるひとつのあかりが
さびしくて
こころぼそくていられないから
君が寂しさと呼ぶものが
僕には ....
ただれて行き倒れてる君の傍らに
僕は突っ立って尋ねる
なんじから、どこでだっけ?
しらねえよ
それって、だれのまね?
これで通算……
君は待ってる
それがくるのを
僕は退屈
なんでま ....
ぼくはもうこれ以上増幅したくない
圧迫されていく
溶けた熱い液状の飴にからめとられてその形のまま
熱いまま固まる
{引用=ねじくれたろうぼくの
くろく
ごつごつとした
からだからのび ....
白紙と名付けた毛布に包まり
むき出しの耳を塞ぐ
手のひらは押し当てたはしから粒子になり
あなたがたを取り込む、あなたがたは実際細かな粒子で
一粒一粒が性格を持っている
限りない煩悩
限りな ....
季節を渡ってくる雲を
草原中が抱きとめる
旅人は小銭をはたいてパンと
冷たい目覚めとを買う
天体のまばたきが鱗粉を降らし
舟は岸から離れていく
枝から伸びる実を吸っては
羽ばたいていく光 ....
葛藤のない決意は詐欺師、虚栄は友達だから乾杯しようとして奈落ごとひっくり返った、激情型の自己嫌悪の、底尽きた奥に問いかける、誰かいるんですか?糸電話は不通、糸を辿ればその先に巨大な怠惰が眠る、その寝言 ....
背後には誰もいない
開け放した窓から雨が降りそそいだ
部屋には部屋がなかった
区切りのない家に不可視の声ばかりこだましている
迷宮ですらない
音楽を挿れたら違う生き物になる
誰も別人でなか ....
器が落ちる
僕はそいつが割れるのを待っている
あなたは花に怯える、華奢できよらかな芯の、その脆さのために泣く
迫る、離れる
あなたは月に戸惑う、深々と白銀が刺ささるのに、心がくらんで目 ....
行ってほしくない
カプセルを割って記号を盗む
調合の腕もないのに試した
頼りは他になかった
免罪符にもならない
実りは業にくべた
治療痕を掻く
なにかいる気がして
ある朝、 ....
私は
ぱっくりとひらいた、むきだしの
乾きと血と脂の湿りと
ほぐされることない鋭敏な
線のからまりからなる
肉
触れれば刺し
眼差せば響く
悠久の吐き気
締めつける雨を
食いしばる ....
罪は一括払いで、オバケが好む精算方法、ナントカが還元される、罰とか、白も黒も永久機関だから食べ尽くせない、と溺れたヤギがむくんだ目で言う、めいめいの酩酊で祀った天使は不在、なぜならラリッて路端で野垂れ ....
わかるよ、わかりたくない、わからない が
層になった
手垢まみれの反射、その向こうに
戸もなく
枠も取っ手も
砂に還った それが
雲間から射すところを見つけた
開いている
いつも ずっ ....
雑踏で
肩書きのない男の影が消えた
彼は手で狐を作って
横断歩道の真ん中
子どもだった自分と遊んでいた
遮断器
警告色の長い飴が灼熱で溶け
目の奥までねとつかせる
肩という肩は不吉な汗 ....
湖から起き上がって、ぼくは
茨道をつたい 家へ戻る
ずぶ濡れを日に干し
風通しをよくする
微睡めばどこからか 歌が聞こえる
あのとき一緒に聴いた
貝殻の奥の
ぼくが同じ音で応えると
ミ ....
さめざめと排泄する人々
礼拝堂に
朝な夕なたなびく喘ぎ 歯ぎしり
名前を囲んで
名前を吐きかける
円 蠕動して堂々巡る、粘性の羽ばたき
その内で
いれかわりたちかわり おなじ顔が潰れては ....
換気の悪い部屋で
獲物をかじり、果汁が
血、よだれと混じって垂れる
腫れた頬に銅貨
遠出になる
まだ、足跡が
青いうちに追おう
暴虐機械、気高き象牙
その根本で見たもの
いつ ....
ここにいるよ
肩を叩く、
きみからは赤い強い臭いがする
そうかと思うと水色に香る
すべてみたいな顔して
この庭を出たとこで
きみに見つかりたい
なにもかも忘れて
合図も順番もないとこで
くしゃくしゃの紙を握りしめた一匹の動物が
紙のような顔をして虚ろを睨む
空では甲高い哄笑
響き渡る大いなる破裂
破裂の名残は小さな破裂へ反響して
増幅する傷跡になる
動物の慟哭は鋭く
切 ....
眠りはひきちぎられた
まだべとつく膜をまとった渇きは脈打ち、指々を起こす
酔いどれた眼球に絡みつく、裂きたがりの指々
乞い、這い、掻き壊す指々
私は、したたかに心臓をうつ
故郷の焼ける臭気
....
その秋、ユレは泣かなかった
毎日、悔しさに、哀しみに、怒りに、高揚に、ユレの心は動いた
夜だった
寝室に忍び込んだ、はやるユレにうながされ
私たちは
真っ暗なコスモス畑を走った
林の奥に
....
頭から夜をかぶる
花の枯れる匂いと音、種の割れる、うっとうしげな身じろぎ、あくび
のびては千切れる翅
近づいては崩れる影
もう食べてしまった
それからまた食べる
際限なく伸びる、縮む
音 ....
切岸
目は塗れている
君は客体を食べ、俺を育てた
鉱物、炎
語れよ、カタルシス
有も無も
区別ないところから聳えた
君は自在に生み、俺を醒ます
文字を山なす腐肉の王者
呼ぶに理解なく ....
ぐずらせた熱
首をもたげ
えずいている
したたる言葉
とどろきの内で
滴れ落ち
付着する
頭痛の輪郭
ぼやけたまま
鉄細工の肉
よりしろに
踏みつける
あなたの肉のうぶごえが
今 平たい皿にひたされた
あふれるばかりの若々しさと
宙を蹴る足
あまりに赤く
あまりに小さいので
僕は目をそらした
かいこの眠りは深い
透明の糸が指先をつ ....
空は曇り
風は冷たい
砂はしめり
海は鳴る
深い、深い深い深い
闇のような
死人じみた暗雲が
ひろがる
ひろがる
ひろがっていく
返事は、床を伝わって届く
コンクリを踏む ....
月夜のビルディング
その屋上に座す
大勢の透明な人々
洪水はやみ
街は黙って溺死したまま
波打つ腹に月を映す
誰も居ないが 誰かの居る
窮屈でないひしめきの群れが
あちらやこち ....
本を閉じると
立ちのぼっていくけむり
あちこちから湧き立ちはじめる
エクトプラズム
小屋の外をかけまわっていた子供が
ふいに立ち止まって
草原のはるか向こうを見た
ぼくはしおりを ....
首をたれたる山の猫
尾っぽを幹にまきつけて
上目遣いに梢を見やる
たわわに茂った緑の葉
あまねく陽射しに当てられて
葉脈をちろちろ光らせる
峠のふもとの静かな林
暮れるにつれて霧 ....
つつましやかな紫煙の残り香が
わたくしの肩の辺りをただよって
広いような
また深いような
みずうみの表面へと消え
それはやがて
春と同化していくのでありました
からすの兄弟を乗せた小 ....
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