その目だ。
その目で俺を見ろ。

此処にこうして坐っているだけの俺を、
その目で見ろ。
悔やめ。
自らの無智を悔やめ、腹を立てろ。

その様子を、俺は見る。
事切れて、その屍骸を禿鷲 ....
逃げ去った陶酔も何もかも、
瞳孔が閉じるのを感じた
冷たい空気を、感じた

奴は走る
息を切らし、
爆発しそうな心臓を抱え、
深い夜を、
たったひとりで、

(――そこでならなにが ....
ここは辺境の地、風の吹かない場所

雲の入り込めない場所、
世の裏側
照り続ける光
動かぬ陰

時の入り込めない場所、
ようこそ
凪ぐ事の無い海
遥かの嵐

振り向いたら色の抜 ....
この世のすべてについて、
水の押し殺した笑い声
世を見る森、骨、

私たちはそれらの上、
摩天楼の狭間、血管
すり抜ける波、

それらはすべて私たちの中、
望むもの、止まらぬ心臓、
 ....
戦場を
探している

この身に燻る修羅にも似つかわしい
そんな戦場を 探している

銃声が谺している
硝煙が地の上を独占する
そして聊か血の匂い

戦場を
探している

この ....
青と緑の区別がつかない
私達は 東の国の出身です

昇らない太陽を見つめている
私達は 寒い国の出身です

満ちない月を夢見ている
私は どこかの国の出身です
予定だと
僕は今日の夜
あなたを攫ってしまうのですが
あなたはどうお思いですか

いえ できれば
選択権の存在は
忘れてお答え頂きたいです

さて 今しがた空から全ての暖色が
消え ....
昨日の夕焼けの事を
思い憂うこと勿れ

だってそうだろう
朝焼けに向かう方が
近道じゃないか

ここは
夕焼けの墓場
毎日毎日死んでしまうから
ここにそっと葬られるのさ

見て ....
空に 空に
吸い込まれる
真っ白い太陽が
風の吹かない季節の王

海へ 海へ
ゆっくり溶けていく
真っ赤な太陽が
風の吹かない日の王

わたしたちの心を
焼いて 焼いて

記 ....
その駅は
人がぷつりと途絶えることも無く
名前も割と知られていたが
急行の止まらない駅だった

ああ電車だと頬に風が吹いてきても
何喰わぬ顔で通り過ぎて行ってしまう
次の駅まで私を連れて ....
三月よ 来い
巡り巡って還らんことを

息を潜めて皆待つ
世界に三月がやって来る

あの空 光の差す瞬間
皆は叫んで手を叩き祝うのだ

世界に三月がやって来た!

桜は眠り 雪は ....
今日は良くないことが
起きる気がする
例えば僕が息絶えるとか

なら今日は君に逢いに行こう

今すぐ歩いて逢いに行くよ
必ず行くから待っていて
花を持って行くよ
君の好きな花を沢山
 ....
誰かは私を知っている
あなたが私を知っている
あなたじゃない誰かも
きっと私を知っている

私は誰かを知っている
あなたを私は知っている
私じゃないあなたも
きっと誰かを知っている
一つとして同じ貌をしている者は居ないのに
名前まで持つ事を考えるなんて
先人は随分と神経質

神は思いのほか手抜きをしないし
誰かが死んでしまえば
同じ貌が生まれても何も起こらない

 ....
私は知っていて
私しか知らない

台風の後の空が必ずしも濃い青色でないこと
綺麗な夕焼けの次の日に必ずしも晴れるわけでないこと
私の部屋の扉は放っておくと風で閉じてしまうこと
公園の木の大 ....
真夏の夢境
世界は犇めき息を詰め
滲む極彩は忍び笑い

真夏の夢境
誰もが皆夢うつつ
急ぎ足の天体は僕らに嫉妬

真夏の夢境
毎日が盛宴
倉皇たる情操に振り回され

真夏の夢境 ....
きっと誰も私を捕まえられはしない
そう いつの日か天弓の向こうへだって

後ろで誰かが呼んでいる
さっき足を引っかけてしまった男だろうか
すれ違いざまに肩をぶつけた女だろうか

ごめんな ....
そうだ 一度だってわたしたちは
渇く地面に雨を降らせる事が出来たか
一度だってわたしたちが
濁る空の雲を取り払えた事があったか

一度だってわたしたちが
神になれた事があったか
当然の事だろうけど
誰が見ても太陽も月も同じで
仮に太陽が黒色に見えたとしても
月が赤色に見えたとしても
太陽と月と言う存在に変わりは無い

当然の事だろうけど
譬え王でも罪人でも
似 ....
この世界に殺されてはいけない

殺された自らの亡骸は
負け犬を見る様な目つきで
見られるからだ

世界は強大な狂気の塊

殺された自らの亡骸は
音も立てずに廃水の海へと
放り込まれ ....
行って参ります母上
直ちに参ります父上

憎い青空と都が笑う音が
混じって溶合う未来へ行進する
ああ 君はまだ追憶の中には居ない

目を開けて
腕よ脚よ 生きているか
眼よ脳よ 息を ....
私がそっと振り返った時
小路に桜が咲いていた様に思う
その頃はきっと未だ
手の中の光は消えそうに無く
目の前の空は透き通る様な晴れ

私がそっと振り返った時
小路に桜が散っていた様に思う ....
私達は
狭い空の鷹
傍若無人に翼を広げ
疎む声は聴こえない

私達は
晴れた日の雷
平穏無事を突然壊し
嘆く声は聴こえない

私達は
樹林の中の焔
湖の厚い雲影

白い壁の ....
僕らの前に希望は無い
北には星が輝かず
月達もまた起きぬまま

僕らの前に道は無い
南に奔らぬ雲の影
雨達もまた光らぬまま

僕らの前に光は無い
西の向きには廻らぬ風
雪達もまた舞 ....
路守 緒世留(24)
タイトル カテゴリ Point 日付
自由詩008/6/29 17:47
鴉片自由詩208/4/30 23:28
自由詩108/3/11 22:54
相対自由詩108/3/10 21:43
自由詩007/12/18 22:21
自由詩107/10/28 12:44
退自由詩107/10/14 10:58
自由詩107/10/7 20:55
自由詩207/9/30 14:29
自由詩007/9/25 23:23
三月自由詩007/9/21 17:03
禍福自由詩107/9/20 18:43
自由詩107/9/16 20:58
名前自由詩007/9/11 23:24
存在自由詩107/9/9 15:20
炎夏王子自由詩107/9/8 22:52
亡霊自由詩207/9/5 21:31
自由詩107/8/31 0:00
弥久自由詩107/8/28 22:37
自由詩507/8/28 1:06
豊葦原自由詩307/8/28 0:58
櫻桜自由詩307/8/26 23:53
自由詩607/8/26 23:40
欠如自由詩207/8/26 23:34

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