あなた
あなた
あなたに会いたいのです
こんなんじゃ何処へも行けやしないのに
おいで
全部渡さないけど
全部あげるから
いつも掬おうとして
指の間からこぼれ落ちていく
はらり はらりと
そんなふうに
掬いそこなったものが
ゆるゆると
私たちをほどいて
別のものにしていってしまう
つまらない言い訳も
錯綜するゲームも
白熱する議論も
うつくしい花も
必要はない
ただ同じ荒野を持つ
それだけがぼくたちだろう
赦さないでいい
救わないでいい
愛 ....
夏も冬も春も秋も
もうまるで遠くへ逃げた
ぼくの残した熱 で
きみなどぜんぶ融けてしまえ
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