夜の街を自転車で疾走する。

有り余った体力と
塞き余った気持を抱えて
私はひたすら疾走する。

消えかかった住宅街の街頭も、
パチンコ店のケバいネオンも、
コンビニの普遍的な明かりも ....
灰色の大気に支配されたこの世界は
狂気の如く廻り続ける。

それはまるで
角のない{ルビ賽子=サイコロ}のように。

答えを導き出すこともなく、
宇宙の隅で停止することもなく、
誰かの ....
愚者は言う。
人間は言葉を支配できる、
極めて優れた存在である、と。

忌み{ルビ憚=はばか}る者には{ルビ謗=そし}る言を。
良くかなうものには{ルビ称揚=しょうよう}の言を。

{ル ....
君は理解していない。
人と別れるということを。
私と別れるということを。

そうやって無邪気に笑って、手を振って。
さよならを言うだけで良いと思っている。

やがて沈みゆくあの太陽と同じ ....
道端の、視界のほんの隅に咲く
名も知らぬ一輪の花を見て
嗚呼、こんな風に強くなれたらと
密かに望む自分がいた。

どうしても強さの証明が欲しくて
その{ルビ薄紫=あさむらさき}の小さな花弁 ....
我、汝の姿を映す者なり。
残酷なまでに偽り無きその姿、
{ルビ粧=よそお}いは夜に生きる{ルビ月魂=げっぱく}の如し。
覗けば混沌、砕けば虚空。
覆えば真実、晒せば嘘。

爪を立てれば軋み ....
夢幻(6)
タイトル カテゴリ Point 日付
アルカリ電池自由詩208/1/31 17:32
Dice自由詩307/6/20 16:39
傲る愚者達自由詩007/6/20 16:28
別れの言葉自由詩307/6/9 10:44
一輪の華自由詩607/6/4 17:29
闇色の鏡自由詩407/5/30 17:39

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