ザワザワ
ざうざう
耳の深い奥
狼が出るんだ

湿った草をかき分けて
夜のツメクサ
エノコログサを
柔軟で短い子供の記憶を

濃紺の空に見守る
アベンチュリン  ....
左手の其れは、悪魔のフォークさながら。しかし、何時までかかっても良いから、さあソース滴るテリーヌを召し上がれ。てらてらの断面を眺めていないで、違うと気付いてしまうから。知らないならば此れ程の物は無いだ .... ふらいふらい

千切れたクレープ生地の
生焼けの切れ端でも

欲求不満の気休めに
どうぞ甘いものを

はためくような


あげるあげる

それも


コーヒーと一緒 ....
したり顔 で

ペラペラの裏側の
幾何学の様な空に
隠された表側が
透けて見えるとでも

貴方も同じだ って

女王は笑っているかも知れない
ジョーカーは留守かも知れない
明 ....
夕凪の丸っこい淵が
海月の境界をもって

くわりゆわり

空の僅かな油断の隙に
目をかすめ
行く手のそちらで手をふるせいで
まるで知り合いのように羞じらいもなく
白昼夢をちぎり明かし ....
あか剥げた足下を
深く抉れば
待ち遠しい
色は未だ知れず

異国の香りもなく
甘くも苦くも
憧憬の
西洋ナシの風味も

土黒い十の芋虫が
土竜を真似る
胸膨らめば
眼くらくら ....
切れた先は途絶えていて
ぷつりとまるで動かない
これが亡骸か鉄屑か
意識と自覚の反対に

涙はまるで私ではない
勝手に心がやっている
深いところが閉じて
浅いところが騒いで

不似 ....
また嘘。

するする、紐を引いて早く帳を下げよう、足先まで隠すように。

夜に紛れた筈が悪目立ち、珠の眸は、蜜蝋に点した炎。

寒い、と呟く。
いつの間に衣服を脱いでいたのだろうか。
 ....
はだしのさらまんだー

そのみじかいあしのゆびは

しずんだねゆきのふかいすきまで
しょじょのほおよりまっかにそまり

あかいふとうめいななみだをためた
くるいさくやえざくらのちゅうお ....
16790億と、幾つ、あぶくの夜を数えた。
僕の白い凍えた冠は、少し、角を失った。

それでも、変わら、無い。
あのヒトが、朝を迎える迄に、ふわり、
ワルツをひとつ。
あのヒトが、明けを迎 ....
造花が偽る6分の1の現は
破棄のせつなに予感した誕生か
底の空気が薄らいで狭い瓶の箱庭に
蜜入りの中心から濃く漂う夢に

首を落とすより
健全な侵略
標した反逆
其の旗の意はまるで
 ....
可哀(カワイ)い、レンズ。


円筒の、真下、砂粒の上で微生物をあやす。

むすんでひらいて其の空は、押し潰された甲虫に似ていた。(私は多分に嫌悪しています)

網膜なんて外れていても、 ....
両手を回した程の
ちいさな宇宙です
貴方の肺は未だ酸素のあじを
知らないのです

ゆっくり不安定に自転を反し
頬に感ずる微熱の
耳に展がる音色の

ゆめを
見るのでしょうか
朧ろ ....
星をしいし奉りて
繁茂の青い原を這い

この血は
痩せた醜い
器に
灯る燈よ

暗闇に啼かす事も
声高なうすい羅列さえも

この皮膚が
焦げ付く匂い
今際に
咽る喉と

 ....
甘ったるい芳香
胸を食い破る愛撫に近い
洋ナシの
妄想の
うつつを運ぶ

くるくる惑う
棺も限りも知らず
子供と大人と獣
一緒に囲い
此の世の縮図

悲嘆の狂った咆哮が
擦り ....
眠って育つ
オパールの空を割らないように

何で 出来ている

褐色の寝台で考えるこども達
指を燃やすキリトリ線の内は

何で 出来て いる

目を背けたい言葉の並びも
深層の海 ....
黒い靄は雷を呼ぶ前に飲み込んだ
雨水と泥を織り交ぜ仄かに濁る淵にたゆたう
目に飛び込む群れは
荒れ狂う息遣いの儘に複雑に絡め
今にも罅割れそうに鱗を揺さぶる動を

――珠の瑕

此の水 ....
褪せた御本の途中に見知った御伽話と知りながら、
きれの無いファセットの、肌理の粗い断面に、目を凝らしまして。
愚か者のきんが烏の羽根を生む前に、まだ余裕がありましたので、
頭を抱えて怯え、高鳴り ....
端と端を重ねる
皺の無い
平たい一面は

矢車菊の
透ける
セイロンブルー越しに

どんな景色も
チタンを含み込んで
深く

人魚の尾ひれを
千切り
旋廻する

気高さ ....
可能な限り開け放された
円い3つの堅牢な
窓枠から誘われて

無力に為る儘
飛ばされ来た庭
果実の花には

漂白のしろ
そして
滑らかに舌に添う
蜜のとろみは

翅をもぐより ....
あの人は嘘が吐けないから

エメラルドグリーンノ蝶々
をあげる
と云いました
きっと
キラキラが好きだと云えば
ラメ入りなのだ
と答えます

一緒に見た
アメリカンショートへアを ....
覗く穿孔の先
しろい魚がいて
半透明の皮膚を
鈍く光らせては

時々憂鬱そうにそらを仰いだり
恨めしく心火に身を焦がしたり
何時にか逃げてしまったけれど


伺う穿孔の先
しょう ....
智慧乃実の凹凸は
円い孔に嵌ると
憧憬の内に何百倍と膨らみ
何時か原型さえ支配するかと思われる


熟れたアーモンドは皆
障害無く通過する為の
放射線を刻み潤滑油を纏いて
孔を墜ちて ....
窮屈な暗室、限りの空が、
多い積もる微生物で埋まる。
ごちゃごちゃと、澄んで視得ないのはその為、
ではないと知っていて。

折り重ねた宿題は、
ノートと共に凡そ捨ててしまい。
セピア色に ....
「僕にも卵白を下さい。」
コロンと・初めましてで
僕の揺り篭は・形が違う
包まれずに・剥き出しで
凍えそうに・冷えるので

「僕にも卵白を下さい。」
透明な・箱詰めにされて
無数の視線 ....
そうしてノートを閉じますと、随分時間の過ぎたようでした。
季節も時間もとち狂った朝顔について、見てこなければなりません。
でないと、ほんの2ミリの成長を見そびれるとも限りませんから。
ええしかし ....
あかあおみどりまぜんたしあんき
震える色の後光を射して

さようならなんて手を振ると
いらっしゃいと手招いた

ひゅうひゅう揺らいだ放物線
かたすとろふぃ待っている

さいごのかお ....
ある夜から、ガラス球が衝突によって砕ける事さえ悦んだ。
哭いても仕様がないのに、ひとつにはなれないのに。

まるで知らない、仄明るい迷路を彷徨う内に。
はしり火、彗星の尾ひれ、その燐光を追うよ ....
なめらかに幼子の
桃に染まった柔肌の
質感と光沢は珊瑚

或いは

とろり新鮮な濁りなき
真に最初の一雫
甘い乳白は象牙

真似て

何れ程焦こがれて
唯身を染めて桃に白に
 ....
いつかメンデルがせんせいの言葉で
彼女に教えてくれたもの

にんげんにとっては
哀しい筈のもの

それはすぅいと風に揺らぎ
ふわふわ散ってしまいました

もう既にいみは曖昧
十字架 ....
ICE(31)
タイトル カテゴリ Point 日付
嘘つき羊飼いの夜は狼なんて怖くない自由詩111/1/21 14:49
晩餐非行自由詩009/10/17 20:20
4時自由詩109/8/24 21:46
神経衰弱自由詩109/5/13 23:09
木馬鞍自由詩109/4/3 18:42
アルミナ自由詩109/2/10 16:51
接吻自由詩209/2/5 17:15
コウモリ自由詩108/6/4 19:00
ひとかげ自由詩108/1/26 21:03
爪先立ち自由詩108/1/12 0:29
賭事遊び自由詩108/1/6 16:04
背中自由詩107/11/27 23:20
たいよう自由詩207/10/13 10:15
蜥蜴自由詩107/9/11 22:40
mono自由詩2*07/9/1 11:25
自由詩407/7/21 22:21
りゅうぐうのつかい自由詩107/7/9 22:21
金貨自由詩107/7/4 22:35
ブルー・サファイア自由詩207/6/27 22:25
虫籠自由詩307/6/22 0:41
エメラルドグリーンノ蝶々自由詩107/6/14 22:31
せんこう自由詩6*07/6/2 20:52
An almond自由詩207/5/29 20:32
ランドセル自由詩207/5/22 21:09
黄色い夢自由詩107/5/19 11:47
朝夕自由詩3*07/5/18 0:29
the swing of the pendulum自由詩3*07/5/16 22:53
導火の後自由詩6*07/5/14 22:36
椰子哀歌自由詩7*07/5/12 10:30
4つ葉の遺伝子自由詩507/5/10 22:43

Home 次へ
1 2 
0.3sec.