作為的な空き地の周りに
張り巡らされた高いフェンス。
荒涼感を誤魔化そうとするように
洒落た街並みを描いた大きな看板。
通りに並ぶスナックやら寿司屋やらは
口を板で打ち付けられ、沈黙する。
 ....
お客さんはこの近所かい
俺は二・三年前は
西新宿あたりでよく飲んでいたものさ
都市再開発とかいうやつで
空き地と金網ばかりが増えていって
小さなスナックやら寿司屋やらが並んでいたのが
一軒 ....
つかの間の安らぎの季節が
近づいている
湿った空気と渦巻く憂鬱の中でこそ
私は鮮やかに
笑い放つことができる
そして雨の夜の
ノスタルジー

あの街行く人々の
暗い顔が好きだ
あの ....
 雨の日の風景は
 その距離感と質感を増し
 妙なほどに生々しく
 そのくせどこかよそよそしい


とどのつまりが
どん詰まり
この突き当たりの風景も
何度か見た事がある
ここも歩 ....
最近はなにか
調子がいまひとつ

君との生活は
どうもすれ違いで
ろくに会話もしていない

たまの会話は
どうにもかみ合わず
ただ疲労がたまるばかり

疲れているのが
お互いに ....
あの混沌の時代に
息の根を止めておくべきだったのだ
60年を経てまたあの怪物が
蠢き始めている
母の愛を踏みにじり
子の命を食み殺す
あの怪物が再び

われらは
民主主義を手にしたと ....
街角でコンクリートの上の血溜りを見て
貧血を起こした少女がいた
目だけやたらに光らせながら
ポリバケツをあさるやせた子猫がいた
自分を責め続けることに逃げる俺を
本気で心配する他人がいた
 ....
人を殺したことがあるかい?

いつも背負っているわけではない
日常の中では忘れかけている
それでも忘れちゃいけない
道徳的な話なんかじゃなく

決して黙って殺されているわけじゃなく
時 ....
時に詩が
詞(うた)であろうとすることを
私は止められないのだ

踊るように湧き出す言葉が
意味を超え
リズムとなり
自らの存在を消してまで
詞になろうとすることを

明るい声を響 ....
道路のコンクリートから切り取った
ひとかけらの絶望を
coffeeの底に沈めて
ゆっくりと飲み干す

このたそがれの向こうに
また眠れぬ夜が待っていそうで
妙に気が急く

神への呼び ....
ゆいしずと(10)
タイトル カテゴリ Point 日付
「焼き鳥『しげ』」自由詩307/5/8 23:44
「焼き鳥しげ」-酔っ払いバージョン-自由詩1*07/5/7 17:37
梅雨を待つ自由詩307/5/5 0:20
「過剰演出」自由詩207/5/4 16:58
「最高じゃあないが、最低でもない」自由詩007/4/28 1:42
民主主義の挫折自由詩007/4/14 22:40
「センス オブ ワンダー」自由詩307/4/13 19:15
「仇討」自由詩107/4/13 18:56
呪われた詩人自由詩407/4/12 17:49
「P.M.5:20」自由詩807/4/9 13:33

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