昔々の思い出です
冨山の薬の置き薬屋さん
いつも風船くれました
使った薬がないときも
怪我も病気もないほうがいいと
笑顔で風船くれました
冨山じゃないけど置き薬屋さん
今は銀色ジ ....
名もなき花という言い方がある
名もなき花はたいてい
名もなき花を見かけたり見つけたりされる
でも
毎日一緒にいるクラスメートから
やぁ名もなきクラスメートさんって言われたら
変な気持ち ....
現代詩は難しい
まず発音が難しい
ローマ字で書くとge・n・da・i・shi
軟口蓋破裂音だったり歯茎破裂音だったり摩擦音だったり
口に出すからには覚悟がいる
語末の[si]っていうとこまで ....
ガンテツパイルは頑張っている
今日も杭打ち基礎工事
ボーリングしてセメントミルク
地下の土壌とカフェオレだ
ガンテツパイルは突っ張っている
地盤に足場をばしっと築く
コンクリだって真空 ....
猫寺には
猫の観音さまがおわします。
仏罰は猫手パンチ、
肉球ぷにぷにの千手観音さまです。
二進法の
数え方をしっていますか
片手のひらをぱーに開いて
親指を折って1
親指を戻して人差し指を折って2
1、10、11、100、
101、110、111、・・・
二 ....
障子すべて開け放った和室に
屏風の衝立
衝立は
六曲一双モネの睡蓮
昼寝時の畳からは
好んで水辺に生える青草の匂い
ひつじ草がぷくりぷくりと開く
どこか遠くの沼の気配
....
力を抜いた片掌に
ちょうど一つずつ乗るほどの
ピンク色したケセランパサラン
夜に開くサガリバナ
夜にだけ
マングローブ林の奥のほうで一晩だけ咲いて
ほたりと朝には
水面に落ちる
....
これなるはもぬけ
まぬけではなくもぬけ
まぁまぬけなもぬけではありますが
これなるもぬけは言の葉をあやつりまする
人語を解しまする
花鳥風月ひとの情けに涙もいたしまする
つまりは詩などもい ....
喫茶クラムボンは
小さな谷川の水底にあります
室内の照明はもちろん幻燈
ではなくって
窓からの水明かりだけですが同じ青です
マスターご自慢の
かぷかぷカプチーノは350円
代々の ....
どの星座も
夜更かししたり
早起きしたりすると
次の次の季節の分までは昇って来ている
ただ
ずいぶんと深更なので
それをだれかと一緒に見るようなことはあまりない
明け方のアンタレ ....
百三十七億光年彼方の
兜率の天のマリンスノウ
シュレ猫とヒッグスのピッグス
いくつもの眼差しが
宙に浮かんでいます
それぞれの波長に見開いた目をもって
あれらは祈りの小函
見届け ....
裏庭の{ルビ姥薔薇婆=うばばらーば}は薔薇を愛している
薔薇のネームレス
薔薇のシノニム
薔薇という名前のピース
何もかも愛している
生殖器としての恋矢は
それはカタツムリたちの話
....
言の葉の海という
楽しげに
きまじめな顔して
ありがたそうに
詩人たちが口にする
いながらにして
日がな一日海を眺めて
語り合っている詩人たち
けれど
漕ぎ出すものたちは ....
音楽の教科書の
バッハやベートーベンの顔にいたずら描きするのは定番
けれどもなぜか社会科の資料集が
消しゴムで消せちゃうカラー印刷だったのでした
それにふと気がついて
それでふと思い立っ ....
本性をあらわすという
馬脚をあらわすという
さて骨まで馬かもしれないが
馬の脚はやっぱ見た目馬の脚であって
豚足でも牛の足でもないのだろうし
頭のほうだって
牛頭やら馬頭やら
あれも ....
薔薇には昔、言葉があった
既にばらばらになって久しい
薔薇のバベル
バビロンの薔薇
ソロモンの薔薇
ミノタウルスの薔薇にはアラクネのレース
アンデルセンのナイチンゲールは
月季花と宇 ....
アイ、ポエット。
君よ知るやその三原則
いったい誰なら
真に詩を弁えているなどと言えるだろう
有るか無きかの何かの在り処
きっとどこかにはあるって
つまりそれが
見失って以来久し ....
洋上の桜前線
ありがとう、ようこそ
今年もこの島々を見つけてくれて
スルーしないで訪ねてくれて
明るい午後六時
三月の十月桜
ひとたちはみな暖かくなると桜が咲くと思ってる
冬の眠 ....
三月は忙しい
頭がだんだんごちゃごちゃしてくる
寝てる間に
パソコンにするように
デフラグできたらいいのにな
フラグだらけになっちゃうかな
何かわからなくても何かいいことの
予約が出来た ....
さて雨ですよ
冷たいけれども春の雨です
ミクロラプトル・グイ
中国で見つかった小さな恐竜さん
「グイ」は
漢字ではきっと「鬼」なのでしょう
羽根を持ってはいても
多分飛べなかった頃の ....
怠けハタラキアリの話を
聞いたことはありませんか。
ハタラキアリといっても
全員が働いているわけではなく
女王候補でもないのに働かないハタラキアリがいる、
必ずいつも全体の何割かいるという話 ....
今はまだ
パブロンの空き瓶にしまわれたままのアサガオ
君たちの勇姿を憶えているよ
天を衝くヘカトンケイレス
撓めても矯めても
行灯仕立てなどには収まりようのなかった
蛙手の百手の巨人
....
何しろ彼ら
光害の少ないところに住んでいる
見上げる星空には事欠かない
アザラシたちは
ある日、宇宙に目覚めた
それで彼ら
それからはただのアザラシではなく
地球アザラシ
を名乗る ....
春日早々
蒼穹にひるがえり
はためく何か白いもの
ああ
あれは一反もめん
由緒正しき日本の妖怪
いったんもめんがいったんもめんとけんかしちょる?
ひらひらきれいじゃけんがいったん ....
ちゅんちゅんと
すずめたち
軽やかになったすずめたち
さえずっている
ちーちーぱっぱのちーぱーちーへようこそ
花びらと花びらの
ソル イ ソンブラ
プル アール パタ は
花と葉っ ....
ひとは詩を
いつから声に出して読まなくなったのだろうか
ひとは詩を
いつから紙に書くようになったのだろうか
こんなにも紙が溢れてなくて
字が読める人そのものも限られていた時代には
....
雨水ののちの春一番
春一番後の如月の慈雨
水を得て花がまた開く
けれども風が強すぎる
ランを買いました
ランを買ってもらいました
薔薇はまだひとつ咲き残ったので
手ごろだったランを一本買ってもらいました
花の色は
黄色というよりも寧ろ限りなく淡い緑
唇弁には臙脂の飛 ....
うちねこよ
うちのネコよ
前足を窓に揃えて後ろ足で立って
さも素敵そうに外を見てる
おまえ
目をきらきらさせて
かわいいふりしたってだめだよ
だいだい君は
部屋飼いじゃないじゃ ....
1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14
0.34sec.