さぁ
拾われにおいで
カムオン・ビーチコーミング

海の家はすっかり片付きました
波打ち際には
広い砂浜が帰って来ています

明るいクラゲのような
お日さま
掘り出し物になれるかど ....
新月の船着き場に
およそひとつきの旅を終えた月が
帰って来ました

明日には
また別の光る船が解纜します

ゆっくりと振り向き
一旦は真っ直ぐに見つめ
再び視線をそらしつつ空を渡る
 ....
マインドマップレスセンテンス片手に
題名トマソン
ふと目が合って拾った石は
ごしごしたわしで水洗い

原石じゃなくても
磨かれてなくても
濡れれば石は光ります
濡れている間だけは水をま ....
寒くなる前に大掃除を済ませましょう
さぁ、{ルビ掃晴娘=サオチンニャン}空を掃いて

スターダストトレイルはそのままそのまま
こまやかなそれらは流れ星のタネ

飛行機雲もそのままそのまま
 ....
ドラえもんノーサンキュー
どこでもドアはいらない
いつでも一組みポケットに
折りたたみの窓を持っているから

ほら見てご覧
ここは風衝草原
ほらあの夕陽に光る水面
あれは街跡湖

 ....
遠野物語に
子どもと遊ぶのが大好きだった神さまがあって
いたずらっ子どもを叱りつけたりすると
大人のほうにばちがあたったものだそうです

お神楽とか
人形からくりとか盆踊りとか
もともと ....
出雲はいずこ、雲{ルビ出=いず}る側
日の出る向きとは反対です

長月{ルビ晦=つごもり}三十日には
神さま帰省ラッシュです

神さま神さま今月は
ここの土地にはいなさらぬ

神さま ....
秋は渡りの季節ですから
マンモスたちがやってきます
マンモーとともに群盲たちも渡って来ますが
像を撫でてはいけません

どうせツンデレだろうなどと言って
「見るなのヴィーナス」を見つめては ....
ボルヘスが書いたのは「八岐の園」で
リンゴ・スターが歌ったのは
「オクトパス・ガーデン」

わたしは猫の手を借りながら
章魚の花壇を作ります

その手ちいさなもののけたちと
小魚の池も ....
夏に
川向こうで
お祭りの金魚すくい
「金魚救い」なんて書いてあったっけ

ひとというものは
あまりそう
誰かに救われたり
誰かを救えたりするようなものではないのに
金魚たち
すく ....
砂漠ですから砂の岸辺
いろいろなものが
打ち上げられもするのです

特に砂嵐のあとや
遠くの土地での季節の豪雨が
泥水の大海嘯を送り込んできた後などには

紙の本は水には弱い
水のみ ....
少し早いけど
薔薇を見に行きます
あちこちで咲き出してはいるようですから

薔薇を見に行くのは
ボラの入り江にある公園
水清くして魚棲まず、のいわば正反対の海

どこかかゆいのか
そ ....
ただ言葉たちの声を聞く
作者が託したはずのものなんか知らない

ただ言葉たちの姿かたちに
目をみはる

文字でも
文字じゃなくても
いつも不思議に美しいそれら

ソロモンの指輪とか ....
校庭の隅っこで
秋風に吹かれて
あれは百葉箱
百片の言の葉を入れておく白い箱

言葉なんて
目に見えるものではないから
留め金をそっと外して開けてみても
なかは空っぽだ

ほんとは ....
白鳥を見たことがありますか
クラリッサをルリルするドンドの美しい瞳
動物園ではなくて
柵越しにではなくて

檻とか
金網とか
ああいったものは
目の前にあると
とたんにわからなくなる ....
ねぇダグラス
「たんぽぽのお酒」を読んだよ
ねぇダグラス
本当にタンポポを醸そうか

白や黄色やピンクなの
タンポポにもいろんな種類があるから
選抜育種とか品種改良とかして

タンポ ....
お菓子の世界には
心踊る響きが幾つもある

カップケーキのプケという脱力感
ホワイトチョコのイトチョコ・イメージ

ベーキングパウダーの
グパという響きは異国情緒深く
レバニラ炒めの中 ....
土の中の幼虫は
どこから来るのだろう
やわらかな
よく肥え太ったからだ

手ずから
土から用意した鉢植えなのに
ひっくり返すと何故現れるのか
ときには
五匹も、六匹も

きみたち ....
どんぐりの双葉はたくましい
芽を出しなさい世界樹

リスたちはみんな
頬ぶくろを持っている
そんなリスたちに運ばれて
埋められて
忘れられて

どこか幼稚園の片隅からでも
天の屋根 ....
ライギョダマシは
シーラカンスのゴンベェさんとメル友らしい
ラティメリア・カルムナエ氏ってば
地元ではゴンベッサで通してるんだってさ

魚みたいな
でっかいギョタマジャクシは
夏のバスと ....
恐竜が訪ねて来ました
砂漠ですからね
骨は沢山在るのです
ときには生きてる奴も来ます

おもてなしの準備はありませんでしたが
旧知の仲
まずは乾杯
あとは一献、一献、また一献

背 ....
寝苦しくって
寝返りゴロゴロ
猫など連れてきてみたものの

寝付かれなくて
猫だけゴロゴロ
そのうち布団を逃げ出すし

ごろりと
猫の秘密基地
ほら部屋干しの傘の下

まるで丸 ....
ぼくはもう
誰とも会わなくていい
君に逢えたから

からくりは
すべてクリアーされた
君に逢えたから

ひとりのときには
君を思うよ
一緒にいないときには

もしもひと恋しくな ....
海が青く見えるわけをいくつ知ってる?

夢路のフェリーをたどれば
水脈の狭間に浮かんでいるクラゲたちの
そのくっきりとした輪郭

流れ藻のかげには小魚たち
大きな魚も隠れている
飛び出 ....
おたまじゃくしたちはみな元気です
明るいネクラの未婚
賢しらな{ルビ猿=ましら}の胃の中で
自詩も
アポトーシスも悪くはないけど

溶けもせず
溶かされもせず
ひとりひとりのとおりに
 ....
西の国での日没は遅い
けれどもやがて
海にも陸にも火がともる

夕闇の中
黒々と大きなシルエット
あれは火力発電所

もう止められて久しいけれど
取り壊されない
原発に何かあった時 ....
なにか
小さな詩を書きたいのに
なんとなく何も
なりたがってくれない

{ルビ大地球子=だいち まりこ }さんのこと
{ルビ大宇宙子=おおたか ひろこ }さんのこと
{ルビ詩=うた}の藻 ....
軌道エレベーターの名前はラプンツェル
彼女のケーブルのワイヤーを借りて
フラーレンとか
カーボンナノチューブとか
ああいうので布を織ることはできないだろうか

ふわりと
飛行機から飛び降 ....
水の作り方を
書き留めておこうと思う
水素とヘリウムと鉄と酸素
それからスーパーノヴァ

水の巡らせ方も
書き留めておこうと思う
雨の落とし方と土地の刻み方
呼吸と光合成、涙と氷河
 ....
わななきたまえ
アロワナ
アロアナなんて呼ばれても
君のせいではないし

鳥葬という習慣が
ただそこでは自然な行為であったように
魚葬という習慣も
ただあるのだろうアロワナ

龍魚 ....
海里(416)
タイトル カテゴリ Point 日付
落し文フォーラム自由詩2*10/10/13 19:16
R is for Rocket.自由詩1*10/10/12 18:26
フィールドワーク自由詩110/10/12 18:26
ほうき星掃天プロジェクト自由詩1*10/10/9 21:02
ひとりぼっちスイッチ自由詩110/10/9 21:02
どんぐり権現子の刻参り自由詩110/10/8 18:34
さて十月は神無月自由詩110/10/7 20:51
群盲 像を撫でる自由詩2*10/10/6 20:37
君のスウィート・テンタクル自由詩1*10/10/6 20:37
金魚救い自由詩3*10/10/5 19:28
地中の蜘蛛自由詩3*10/10/4 20:56
ボラの入り江自由詩2*10/10/3 19:33
耳の岸辺自由詩210/10/3 19:33
百葉箱の怪自由詩2*10/10/2 19:33
白鳥の繭自由詩110/10/2 19:33
お酒たんぽぽ自由詩2*10/10/1 19:36
チュパカブラ・チュッパチャップス自由詩110/10/1 19:36
幼虫、要注意!自由詩3*10/9/30 19:45
リスは有袋類自由詩4*10/9/28 19:34
水域からの便り自由詩1*10/9/27 19:52
きょうはきゅうなきょうりゅうび自由詩4*10/9/25 21:24
猫のパヤオ自由詩210/9/24 20:19
胸の窓辺自由詩210/9/23 19:36
青域自由詩3+*10/9/22 20:11
詩の中のかわず自由詩110/9/22 20:11
ひとのひ自由詩210/9/21 21:05
ネットの中のクークーたち自由詩1*10/9/20 20:49
雲母水母・きららくらげ自由詩310/9/20 20:49
水のレシピ自由詩3*10/9/18 19:58
高原、真珠、淡水魚、そして嵐の神自由詩110/9/18 19:58

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