茶色い野良猫
わたしに呼ばれるときには茶色ちゃん
菜の花とともに
帰って来たね

去年の春
かわがっていたおばさんがいなくなって
夏と秋と
だんだん見かけなくなって
冬には思い出すた ....
公園にも、土手にも
ビル風の狭間にも
桜ばさみ、桜走り、さくらりって

花びらたちあんなにも舞うので
風が隠れていられません

くるくるとつむじ風
縦に
真横に
春は風の宝庫

 ....
むかーし
プチアップルパイという雑誌があった
くりいむれもんというOVAがあったが
まぁ、あんな感じだ

さて、その頃よく見ていた漫画家さん
白倉由美
の新刊を書店で見て驚いた
十代の ....
紅玉のホオズキが沈むと
空は青玉のあたりにまで透き通ります
蓮花色のパパラチアも散りばめられていますが
どちらもコランダムなので大変相性が良い

ホオズキから更に最後の光条が走ると
空は大 ....
地球人にとって長い間
月は再生の象徴だったけど
月人にとって地球は
何の象徴だったろう

ひとすじの白い糸のような
細い三日月に抱かれて
薄らいだ夜の円かな部分

白黒のコントラスト ....
ゆれる、ゆれる、やなぎはゆれる
色鉛筆が足りません

ゆれる、ゆれる、やなぎはゆれる
そよ吹く風が足りません

風の手櫛でふうわりと
梳いて結い上げたいものを

ゆれる、ゆれる、やな ....
dawn, down the wind
西風が
暁の女神を迎えに来ました

眠気覚ましに
またたびたみん
リリエンタールの飛行機械に
薔薇の装備

ペットボトルロケットには花の種
 ....
地球の海が
初めて澄んだときのことを覚えている
水色はフォーレルの一番

それからまた
スノーボールになったり
ノースポール咲かせたり
命のスープの花束
幾つも束ねて

雨上がり
 ....
さようなら冬薔薇
綺羅星のダイヤモンドは西に傾き
明け方にはさそり座が高い

地上には花々が訪い
星々は春夏の星座配置
夜という夜はライラ
さざめくつぼみたち{引用=地球という惑星の太陽 ....
かつて一日の始まりが
夜明けでも
日没でも
それはどちらでも良かったのです

かつて夜明けや日没が
一日の始まりでも
終わりでも
それもどちらでも良かったのです

けれども
昼の ....
さくら、そのはなさくやひめ
おしごとはいつが忙しいのですか

ふわりと
月の中に大きな蛾
ムーンモス
オオミズアオとオオミズアオムシ

水平線階段は
静まりかえった平行線
歌の太鼓 ....
羽化したてのちょうは
前翅も後翅も完璧
ログインごとの一期一会に
すぐぼろぼろになっちゃうけどね

心機一転
見事に身辺整理されてしまったとしても
春は大掃除の季節
憤懣の宇宙を飛び回 ....
植物学者と砂漠の姫は
今日は海にやって来ました

Bitter Springs Chert
かつての、地球最初の緑
砂浜の砂は
全て砂漠のみなもとです

おりしも季節は
ハルキゲニア ....
花びらを漕いで自転車もいいけれど
ゴンドラを浮かべて出かけよう
水もそろそろ冷たくはないだろう

つばめたちを迎えに行こう
ふたまたの風
我が心のつばめたち

改革の靴は脱いで
言 ....
マリエのヴェールは白
と決まっていますが
佐保姫のそれは緑

風の掌は
花婿でもないくせに
花嫁の薄絹をそよがせてゆきます

ちからを
身のうちに巡らせ続けた季節を終えて
撓めてい ....
駄々をこねて
駄々をこねて
駄々をこねあげて焼きあげたビスケット

熱々の出来立てに
ズムルズリナあいすくりーむを添える

椿が咲き始めたのはいいけど
春の嵐も
立て込んでいたらしい ....
ぱしゃぱしゃと
雨が降っています

じゃぶじゃぶと
何か洗いましょうか

地球は
自分で自分に沈むことさえ出来る
降るものが詩なら
詩浸しになることさえも

スロウ硝子はまだ届き ....
大人のためのこども電話相談室
久しぶりの質問は
「春なんてどうして来るんだろう。」

ふむふむ、そうですね
どこかで生まれるからでしょう

「なんで春なんて生まれるんだということなんだが ....
ドラゴンボールで
ゴクウが元気玉をしたように
私たちもポエム玉
この星中から集めてみようか

今なら
二人でいるから大丈夫
砂時計の中の砂の収支のような
言葉たちの大循環

定まら ....
砂嵐が
幾つかの砂丘を置き換えていったので
ダウジング・サムシング
the back of beyond

埋もれていたガンダムを一騎
見つけました

半ば掘り出され
風に吹かれて歌 ....
粉雪のポトフことこと
気軽に
ぜいたくに夏からのブーケガルニ仕込んで

春になる前に
冬はちゃんと来ましたか
あなたのところには

春のための冬じゃないし
春とても冬の果て
なりゆ ....
この花は食べられます
つまりエディブル

この木は詩になります
つまりポエブル

イッヒ リーベ ディッヒ
水平に離別する僕の船

ポエム頼母子講というものがありまして
これもまぁ ....
平らかな荒野があるなら
木々を植えよう
木漏れ日が一番美しいように

蝶たちの食草や
鳥たちの好む木の実も植えよう
荒地には荒地のままの面影も残して

水辺には水松
オレンジのオラン ....
天の窓辺
指先の遥かに
兜率の天からのマリンスノウ

よくわからないけど
かわらないものたちの
ひそやかな密度

粉雪と呼び交わすように
震えている
天井の優曇華

冷蔵庫の中 ....
カルミアのカルアミルクが
妖精たちのエール

もっと強くてもいいなら
クライミングローズのカクテルもあります

寝台のキリムは魔法の絨毯
ぐらぐらと
揺れる揺れる

閉じた目の瞼の ....
こんな嵐の夜にこそ
ばれたらただではすまない研究

あなたは黙って
本を読んでいる

フラスコの中で順調に進行中なのは
水虫のヘテロシス

あなたは黙って
風に耳をかたむけている
 ....
所記と能記をはさみでしょきしょき
もしも切り分けられたなら

所記は正体なくすだろうか
能記はのうのうのさばるか

ことばたちの色つやは 
鈍器の鈍色に似ていて
混色の四則とは違う
 ....
最初に
肋骨心距の決定

言葉たちのソル イ ソンブラ

それから
動物たちを番わせる

慌てなくていい
生き物が光るわけを本当には誰も知らない

次は
薔薇の花とイヴ

 ....
にゃ〜ごカーゴは宅急便
しかも宙間航路です
社長の名前はキャプテン・グラッセ
栗色に光る毛の猫です

おわぁあわぁと折々に歌う
彼らもまさに詩を駆る種族
地球生まれで猫族だけは
なぜか ....
植物学者の妻ですから
チョコレートも手作りします

植物園のカカオの幹生果を
丁寧に収穫しました

甘味は水あめ
穀物の甘み
甘味はメイプルシロップ
木の甘み

甘味はハチミツ
 ....
海里(416)
タイトル カテゴリ Point 日付
砂漠の中の砂時計/ニャーの花、菜の花自由詩309/4/13 21:14
砂漠の中の砂時計/花びらと風庫自由詩109/4/13 0:55
砂漠の中の砂時計/プチアップルパイの思い出自由詩009/4/10 0:48
砂漠の中の砂時計/ストリート・オブ・サファイア自由詩209/4/2 0:43
色鉛筆のためのパレット/地球照の夜自由詩109/3/27 23:44
色鉛筆のためのパレット/花と緑のフーガ自由詩009/3/25 20:28
88鍵のためのエチュード/飛行機械自由詩109/3/23 19:37
88鍵のためのエチュード/天地無用自由詩209/3/23 19:36
色鉛筆のためのパレット/オリオンの腕自由詩109/3/21 22:56
色鉛筆のためのパレット/天長地久の長い午後自由詩109/3/20 20:02
色鉛筆のためのパレット/星を照らすテラス自由詩109/3/17 23:43
色鉛筆のためのパレット/尾状突起が欠けても自由詩009/3/16 22:27
色鉛筆のためのパレット/創聖のイクオリン自由詩109/3/16 0:09
色鉛筆のためのパレット/何かを読むということ自由詩209/3/14 22:23
色鉛筆のためのパレット/風は薄衣の緑のほうへ自由詩009/3/11 19:24
色鉛筆のためのパレット/待ち侘びすけ自由詩109/3/7 23:59
色鉛筆のためのパレット/懐かしい既詩感自由詩209/3/3 20:30
色鉛筆のためのパレット/副業自由詩009/3/1 3:17
88鍵のためのエチュード/未必の恋自由詩009/2/25 23:49
88鍵のためのエチュード/ガンダム売ります自由詩109/2/24 23:00
88鍵のためのエチュード/夜とタンポポ自由詩009/2/22 22:25
88鍵のためのエチュード/酩酊メトロノーム自由詩009/2/20 21:33
88鍵のためのエチュード/庭園自由詩109/2/19 22:00
88鍵のためのエチュード/雪の日自由詩009/2/16 23:29
88鍵のためのエチュード/ナイトキャップ自由詩009/2/16 0:25
88鍵のためのエチュード/夜半嵐来自由詩209/2/14 0:54
88鍵のためのエチュード/時の枝自由詩109/2/12 21:28
88鍵のためのエチュード/胸の方舟の作り方自由詩209/2/11 23:54
88鍵のためのエチュード/猫の宅急便にゃ〜ごカーゴ自由詩209/2/10 23:01
88鍵のためのエチュード/プレゼント自由詩109/2/10 0:34

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