雨の日のアメリア
ザラメ細工の薔薇は
きれいに溶けてなくなりました
Euglena、みどり、夕暮れ
アボガドもアボカドもワニナシも
わさび醤油でいただきます
スルーするルールなんて ....
あなたの中には穴がある
なるほど
あなたは「あな」の「た」だ
あなたの中には鉈もある
なるほど
あなたは「あ、ナタ」だ
わたしは何も持ってない
「綿」では何の「足し」になろ
....
なつかしいには二種類あるね
遠くなって久しかったものに
また会えたとき
ずっと会いたかったものに
また会えたときと
遠くなって久しいものを
思い出してしまったとき
会えるはずがな ....
ヤマネはねんね
寝る子はニャンコ
雪もそろそろ降り止みなさい
天と点と線は
空からのモールス
ムササビと山葵
繭玉のプラネ
失黒の宇宙からアバウトにポエム
千片の口づけの出口に
....
春は売りもの
なぜそれを春といったのだろう
ひさぐものを
春は買いもの
なぜそれを春といったのだろう
購いようがないものを
春は何者
答えてご覧きみ
贈りもの
落としもの ....
どん底めがね
自由落下クラッカー
マグニチュードの練習曲
暗闇のクラムボン
ネットにはいろいろなものがあるけど
錆びないこころが欲しいね
ステンレスハート
空より高いプライドを
....
夏の思い出
台風の帰り道
みんみんを拾いました
踏まれるよりは
木にでも置いてやろうと拾い上げると
意外にもみんみんは力強く暴れて
暴れて飛びついた先が私だったので
服にくっつけたま ....
ニョロニョロなんかが一体、二体
時々ぽてりと落ちてきて
街中にこそ舞い降りませんが
ムーミン屋敷は空を飛ぶ
ムーミン谷があるのは実は
一箇所だけではないのです
誰かが築いたおさびし山の ....
言葉たちだけを見て暮らしたいのに
ニンゲンがくっついて来る
言葉たちだって迷惑してるだろうに
生みの親にはじゃけんに出来ないらしい
海が、命のゆりかごだったように
ひとも、言葉のふる ....
蠢くものでありたい
食い尽くすものでありたい
這うものでありたい
啄ばまれるものでありたい
花から花へと飛び交うものでありたい
土や水や植物やコンクリのあらゆる表面を
逆さまにも垂直にも歩 ....
ふわりと舞い上がっては
すぐに降り止む四角い雪に包まれ
夢のヤマネ
春までを君のポケットで過ごそう
小屋の中では
幾つもの赤い糸で
あやとり
ハンモック編んで眠る
松葉の夢
....
卓袱台が乱舞して
クリスマスが始まります
踊り場に回転扉
理科室の彼女くるくる踊る
つぼみは
クラインのつぼみ
螺旋は
肉と心を纏ったままの人骨のらせん
一つメビウス
二つ ....
詩んしな人たち
詩たがる人たち
あしたあいつにことばちあたれ
なんのために詩を書いているんだい?
理屈はないか
詩るべなき道に咲いているのは
詩くらめん
いわゆる
{ルビ詩=う ....
プリンが
プリンアラモードであることの必要条件
心打つフルーツたち?
それにしてはイチゴもチェリーも
プリンに似合うものではないし
カステラやスポンジケーキなんて
ジェノワーズでも ....
小さな風邪をひいたらしくて
けだるくてひだるい
心臓と頭が酩酊メトロノーム
イ単調が異端を打っている
係り結びのおむすびころりん
マインドマップレスセンテンス
こんな日は託卵をたくらん ....
宇宙空間では
衝撃波や宇宙線や太陽風なんかは
常在菌のようなものなので
星間ガスでも星でも塵でも
どんどん醸されてしまいます
それがいやなら真空パック
とはいえ
宇宙で今さら真空 ....
地球は宇宙にもうひとつ
見えない月を持っていて
カラーでいうなら緑のクォーク
日ごと夜ごとに呼ばれています
地球の緑は見えない月に
干満自在に操られ
冬至の頃には退いてるようでも
満 ....
長いあいだ
船は漂い続けている
櫂を差し伸べて水をかくものが
一人もいなくなって久しいので
凪いでいても
荒れていても海は
その姿をただ自分のみに負うのに
水手の国は過去の国
....
アルバトロスのアは阿呆
アルバトロスのルはルンペン
アルバトロスはとろすぎるので
アルバトロスと呼ばれています
アフロディーテのシルクの羽毛
翼広やかに空を翔けても
二本の足ではろくに ....
涙のそれとは限らないけど
洪水が来ます
方舟の準備は出来ていますか
胸の中にはひとつがいずつ
悲しみと喜びと
なつかしさや可笑し味やら
小鳩たちのことも忘れずに
言葉が担ってくれ ....
ソプラノのプラズマ
含地球太陽系の太陽が
太陽風の歌を歌っているように
比喩でなく銀河もまた
可聴域外のアリアを奏でています
銀河風とスターバースト
超新星爆発ごとの
スタッカー ....
胸の奥つ城にまで
低音がズンズンこの上ないものだから
小さな小箱と大きな小箱
少しのオーケストラ・コンサートと
ヴィクトローラやレコード
森の中で
モーツァルトの
ケッヘルナンバ ....
ひとつ風吹けばひと恋し
ふたつ風吹けど文も見ず
みっつ泡花おみなえし
よっつ夢路に宵を待つ
いつつ吹く風 何時散る尾花
むっつ無口に咲くききょう
ななつ撫でし子見つつ偲べど
やっつや ....
早春にはバターカップ
金色めいたとろけたような
黄色い花びらの福寿草
だから君たちはジャムカップ
赤やピンクや紫の
マツバボタンやポーチュラカ
チビクロサンボのバターのように
盛 ....
どうして
閉じこもれる殻を
わざわざちっちゃくしたり
手放してしまったりして
寒い夜や冷たい夜にも
ひなげしや
パンジーの葉っぱに這っている
数ミリほどのナメクジたち
そんなに ....
温泉に行きたい
ゆすりか温泉じゃないよ
ユリイカ温泉
読むことも
書けないことも詩ストレス
溺詩体になる前に
ばおばぶ風呂に入ろう
湧き出る泉水は
地殻からのサブマリン・メッセ ....
ささやかれた一言は
言挙げされたその内容は
隠されたまま永遠に失われました
秋括る菊理姫は以来
ずっと口を閉ざしたまま
幾恒河砂の
森の木の葉の
とあるひとひらが
水面か土かア ....
お日様が低くなったので
日差しが深く差し込んで
光が木々を櫛いてゆくのか
木々が光を櫛いているのか
銀杏並木はお醤油少し
垂らして焼いた卵色
お砂糖いれて
よくかき混ぜて
くしゃくしゃふんわり炒り卵色
今日は小雪
小雪に書かれた小説は
小雪小説
こんこんと降るような言葉の連なり
凛とも寒いほうの冬の始まり
温かくなるまでは力を矯めて
撓めて
やがて弾けるまでの物語
今日か ....
カマイルカの背中のような月
山の端に突きささって
高層大気ただようクラゲ
明るいクラゲがやって来た
透明なクラゲに覆われて
ユーラシア東端の島弧からはひどく水色なシリウス
泳ぐようにス ....
1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14
0.39sec.