他人には言えない
絶対に誰にも言えない
しでかした酷いことが
両の指にも
収まらなくなった頃
彼女は、具合悪そうに
「夫に言われて中絶してきた。」と
告白した
それを聞いて
....
約束の虹や 導きの星も
信じられない 暮らし
泥にまみれ のたうち回り
あがきもがき 苦しみ呻き
泣き叫ぶだけの人生に ハレルヤ
忌まわしく おぞましい
むごたらしく 素晴らしい こ ....
初めて「結婚したい」と
思ったのは16歳の時だった
別の町に住む
別の学校に通う
一学年上の女性だった
狸小路の階上喫茶で
話し合ったり
季節外れの浜辺を
散歩したり
「 ....
病院に勤務していた頃
「私には霊感があるの。
霊感体質なんだよねぇ。」と
言っていた独身で年配の
先輩看護婦さんがいた
ボクはその看護婦さんと
夜勤をするのが
凄く苦手だった
....
伊達の喫茶店で唄った後に
店主に紹介されて
火山灰を釉薬にしている陶芸家の居る
洞爺湖に向かった
あの時
何か手土産を持って行ったと思うが
何だったのかは覚えてない
けれど
当時は ....
果樹園農家の娘だった
浅黒くて小さくて
ボーイッシュな可愛い
女の子だった
お似合いのカップルだと
囃されてたけど
そんな学友の言葉を
満更でもなく
聞き流していたっけ
実際 ....
一か月の半分を歌い歩いていた頃
いつも隣町の移動から
「これはっ。」という飲食店に立ち寄り
コーヒーを注文したり
食事を頼んだりして様子を伺い
一息入れてから
「実は、今ツアー中なんですけ ....
末娘が10歳の誕生日を迎えた日
7歳上の長女と妻は
誕生日のプレゼントを
用意していた
ボクはと言えば
実は
すっかり誕生日だったことを
忘れていたのだ
ねぇ。お父さんは
何 ....
ボクの髪がボソッと抜けて
君も同じになったら
幌延・泊はヤバいだろうから
引っ越ししようよ
古びた町に活気を戻そう
そんな願いにつけ込み
見栄えを良くした原爆みたいの
持ち込むそうだ ....
酸性の雨に打たれて木の葉は枯れていくのさ
夜が明ける日が暮れる
構わず降ってる雨の中
枯れてしまった林を見つめてあの人は
涙を流してくれるでしょうか
放射能の雨に泣いてる切ない ....
医者を待つ君の横でボクは 時計を気にしてる
都会外れの山奥の田舎で
この町で見る汽車もこれで最後ねと
ローカル線廃止の時 言ったね
過疎地を離れ出ていく医者は
疲れて病んだ人を ....
眉毛は太くて下がってて
一重瞼の団子鼻
唇厚くて しもぶくれ
良いトコ一つも無いけれど
語り口調は可笑しくて
さっぱり分からぬ話でも
話下手でも どもっても
心の綺麗な人だから ....
田舎じゃ入って二年の女子高生が仔を孕み
どうすることも出来ずに
協会病院へ行ったと
子ども堕して平気の平左
不審に思って病院が問い合わせて
ばれたんだと
学校辞めて今家に居るんだと
ばが ....
なにが どうだと
言う訳ではない
ただ この国が
信用ならない気が
するだけなのだ
どこが どうと
言える程ではない
どこの 政党にも
うそつきが蔓延し
騙されてるように
思う ....
語る程の夢もなく
こうして命からがら
生きて来たけど
やる事なす事
嘘だらけの自分の心を
ポケットに入れ
いつまでも
作り笑いしていて
それが
優しい気持ちだなんて
恨 ....
あっ。みー?
オレオレ K。
ボクを「みー」と呼ぶのは
数える程の人しかいない
それも、二十歳前後の頃に出会った
近しい人だけだった。
えっ?!
確かKは、死んだはずだよ。
....
あたし 解る?
電話番号、変えてなかったんだ。
言っとくけど、あたし
頭おかしくないからね。
深夜に鳴った携帯電話口から
女の声が聞こえる。
…で
名前を名乗ってくれずに
そ ....
夜にギター片手に
ススキノの店で歌えるようになっても
唄だけでは食べて行けず
病院で働き続けていた
その年の秋に初めて
病院の慰安旅行に出席した
観光地を巡り
宿泊するホテルに到 ....
ボクの右足の中指には
1㎝程の傷跡がある
余市に引っ越すのはお兄ちゃんが
啓明中学校1年で
ボクは緑が丘小学校の4年生だった
二軒長屋みたいな
旭ケ丘の営林局官舎に住んでた
....
「内緒で10万円貸してくれないか
彼女に子どもが出来ちゃって
堕ろさないとマズいんだ。」
そんな電話がきた
マサアキとは
学生時代からの親友だった
悪戯も悪ふざけも一緒にした
....
フィギャーノート創始者の
マルックとカールロに会った2006年
彼らは「北方派五分楽団」の演奏を観て
指導者が素晴らしいとコメントしたけど
ボクが指導者だと知った時に
信じられないという ....
出掛けようと思っていたら
それは
冷たくそぼ降る雨だ
哀しくも
土を潤し豊かな雨だ
雨
しずかに
寂しく
降り続ける
夢と希望と自由の道が
嘘八百の出鱈目でも
誰かの幸せ守れるのなら
教えて下さいアルジャーノン
賢くなりたい 仲良くしたい
幸せが待ってるようで
大切なものはなんだろう
考える ....
あの頃の君ときたら
明日しか見ることが出来ずにいたけど
ボクはそれを望みはしなかった そして
解り合えぬまま手探りで心確かめ合って
二人の暮らし夢見ていた 幾つかの夜を過ごし
あの頃のボ ....
緑ヶ丘小学校の低学年の頃だから
3年生位のことだと思う
その頃は、野良犬や野良猫が
近所には随分と居たっけ
リボンの似合うおでこの広い
髪の毛がお嬢さんみたいだった牛島さんや
キュ ....
フォークシンガーとして
国際交流会場でアトラクションの
依頼がきていた頃の話
ネパールと日本の
国際交流アトラクションで唄った後に
通訳を介して子連れの女性が
「是非、日本の代表的なリ ....
床下の部屋は半地下で
物置代わりに使っているのだ
辺りが畑のせいなのだから
野鼠が床下の部屋に入り込むことは
仕方ないと諦めることこそ
当たり前のことのはずが
夜中にガザゴソと音が ....
抽象的であればある程
現実に在る真実を
言い当てようとすればする程
日常の当り前の暮らしを
問う
特別な感性を口にすることが理解できない者を
排除する傲慢で哲学的な趣をこらした風体 ....
わたし19のこの春に
命を捨てに参ります
積丹半島 神威岬
念仏トンネルくぐって行きます
わたしの好きなあの人は
関係ないと言ったけど
耳の聞こえぬそのことで
あの人の親が ....
うしろめたさに それでも
かなり へこんでいたんだ
いつも みてくれているようで
さんざんな めにあいながら かくことば
あしたにつながる ちからをのせて
りんとしたまなざしで おくって ....
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