I don’t believe in colors of your skin.
I believe in colors of your bloods.
演じるのにはどうしても
ナイフとフォークが必要なのであった
手づかみで食べた赤いカルネの味
女優は決して忘れない
目をつぶれば鼻を突らぬく
沈黙の香り
その ....
人のためにこのことばを投げてみたが
笑ったのは自分なのでそれは
自分のためのことばでなのだった
自分のためにあのことばを吐いてみたが
泣いたのは人なのでそれは
人 ....
3歳の夏にわたしは赤ちゃんを産んだのだった
やわらかい栗毛を愛おしいと思った
乳母車はわたしの筋力のなさをあざ笑ったが
幸せな光はいつもわたしの頭上で放たれていた
母親になる幸せを誰に ....
今日の放課後、学校の庭でKenとMaryは会いました。
二人の若者はまだそのバクテリアの味を知らないので
お互いの心を読むことができないかもしれません。
Ke ....
運命が赤い目をしてこちらに向かって突進してくる
生まれたばかりの北風はコンクリートの軋む音に
乗っ取られたままで黒ぶちの眼鏡はそのいずれをも
見逃しているのにそんなことはおかまいなく
運命 ....
君がベージュの毛布にくるまって
あざらしの出産をテレビで観ている
そしてその横顔をぼくは見ている
ぼくを見ていない君は
ぼくの知らない女のようだ
横顔は画面の光に照らされて
君 ....
恋をして11ヶ月目の男と寝ていた
わたしの首筋にある小さなほくろを
男がそっと撫でた 幸福感に鳥肌がたったが
孤独は相変わらず
わたしのへそに隠れていた
コンプレックスになるほど愛し ....
わたしのからだをみて
よく覚めたその目で
きのうできたばかりのほくろ
乳房の産毛 透明色
幸福なときに見え隠れする
目じりのしわ
いつかの傷 主張している
....
なんとかなんとかという人が
作った国語辞典では
定義されている
虫刺されから
国境までの
日常が
意味から
真理までの
抽象が
あ ....
ごめんなさい
わたしのほうこそ
あの時にあんなメールを送ったりしたことが
まさかこんな結果になるなんて
それを知っていたらそんなことはしなかった
なんて後悔してももう遅い ....
死にたくなって銃で一発
もう一つの世界を開拓したくて
でもここは日本なのでそんな武器なんて
幸いにも手に簡単に入らないので
一番銃に近いと思われる
おちんちんをこめかみに当てて
あ ....
あたしは女優だとあんたは言うのだった
あんたが起きる3分前ちょっきりにいつも
あたしは目を覚ますのだった
鏡をみてもその二人の姿は映らずに
目を細めてようやく輪郭が見え隠れするぐらいだった
....
貧乏ゆすりの足みたいに
不安定な午前3時
寝静まった知らない人たちの
かすかに立てるいびきこそが
聞きたかった日常の詩
意味のない不協和音が
真実の色を見せ ....
あの頃の集合写真を見せてもらったときに
いったいあなたがどこにいるのか
全然分からなかった
つまり
過去のあなたと
今のあなたは
....
彼女の腰が
うねりながら
雄の間を
通り過ぎると
薫り立つ
その毒の名は
自由
突然 その蝿に
死の機会が与えられた
蝿が期待していたより
時のひとかけらほど早く
ほこりまみれの教室を
最後の舞台に選び
その無数の目で
一千個の慈悲深い
....
愛しい動物!
わたしの主人よ!
聞いてあげるわよ
話ぐらい
ポケットの中の
ハンカチを出して
ため息ついて
情けない姿ね
表に飛ぶ蛾の
失笑を買ってる
元気を出して
明日は悪いもんじゃない
お財布 ....
ゴージャスなイタリア製のブーツ履いて
電車に乗り遅れまいと走ったときに
ヒールが折れて
あたし
電車のがす
100足の靴の中
磨かれ待ちの靴が20足ほど
ヒールの修理待ち ....
(幸福な土曜日の夜に捧げます)
あんたは片方の羽
飛びましょ
ばたつかせて
金色の雨つぶの中を
あたしは片方の羽
行きましょ
行き止まりは
無限の宇宙
F ....
身体がモザイクに収められる
皮膚に塗られた薄黄色は
他の色と仲良く隣り合う
果てしなく続くグラデーション
世界を描くのに要らない色はない
皆が出ようって言ったけど
何かイヤな予感がして
一人出なかった
雨降るし
雷なるし
人多いし
そしたら
皆死んでいった
一人残らず
僕を残して
....
思慮深い顔を装っているが
頭にあるのは
前に座っている
一般的にハンサムであると
定義されるであろう男の
股間のふくらみであるなんて
誰も気づかないのは
幸いであった
輪切りに ....
ベイビーはゆりかごから這い上がって
右足を床につけた
床に生えてるつる草が
格子の間をすり抜けながら
太っちょの足に巻きつき始める
それを見ちゃった
優しいママは
ぎゃあと悲鳴をあげたん ....
左の足には左の靴
右の足には右の靴という
どの人間でも頷けるだろう
数少ないコモンセンスを
わたしはそっと破っている
このピンクのペタンコ靴は
両足とも右足用である
ので
幾分右に ....
「yes」といったら君が現れ
「no」といったら君が消える
この二つの差というやつは
生と死ほど決定的だ
きみとぼくの間で紡がれる
幾千ものくだらない現実描写
食べられて ....
とてもプラクティカルな
1と2と3は
便利に違いないが
きみが見たいものは
その後にある
コンマの続きに
隠れているんじゃないか
無限大に
広がっている数字は
きみの瞼の ....
今宵 契ろう。
きみの血と
きみの精神を
わたしの肉と
わたしの感性を
むずかる月の下で。
つまり詩というものが
人類を語るためのものならば
骨髄の中に
血液の中に
どさくさに紛れて
流れているお猿さんを
見つけるためのものならば
女は詩を作り得ない
女は女である ....
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