ぼんやりぼけぼけ
ぼけなすび
はながさいたは
ゆめよのおわり

ぼんやりぼけぼけ
ぼけなすび
うらなりおそなり
なりそこない

ぼんやりぼけぼけ
ぼけなすび
わすれたころに
 ....
何をした罰なのか
記憶が定かではないのだが
子供の時分は
反省部屋と呼ばれていた
離れの中の暗い部屋に
よく閉込められていた。

何も無い中に一組だけ置かれた
机と椅子について
陽が ....
四年目の夏、私たち四姉妹は四回のお引越しをしましたの。

一つ目のお屋敷には大きな蔵が一つついてましたの。
ただ壁がぼろぼろで一番上の姉が崩れた蔵の下敷きになってしまいましたの。
それで私たち ....
ごうごうと流れる茅場に
溺れてゆく

光りの泪の中に
振り向く顔がのまれてゆく

凍りの風の中に
揺れる手が離れてゆく

流れの中に
楔打つものを探して
百数十年ぶりに里に下りてきた私は
あろうことか人間に狩られてしまったのだ

この老体を食べても美味しくなかろうに
あろうことか吊るされてさばかれてしまったのだ

私の臓腑の中で可愛がってい ....
入り口ふたつ出口みっつで
どこから入ってどこから出るか
選択可能な未来はむっつ。

のぼり梯子ふたつ落下ロープみっつで
どこから登ってどこから降りるか
選択可能な未来はむっつ。

未来 ....
故郷
遠く離れて
帰ることのできない場所

ただいま
朧な思出のなかで
ひとり呟いてみる

迎える声が
響くことはない
おかえり

形にならないものたちが
消えてしまわないよ ....
嵐が続いている
出航する気配はない

待合室の長椅子に座り
吹抜けの雨に濡れる

いつか売店も閉じ朽ちる
行く先も帰路も見失った

出航する気配はない
ただ嵐が続いている
久しぶりに戻ってきた郷里は
なかば廃村となっていた。

秋の陽気に誘われるまま歩を進め
廃校の門をまたいだ。

建替えられた校舎は馴染みなく
ほどなく廊下に迷った。

誰もいないはず ....
晴れの日も雨の日も
あの老人はベンチに座っている
何を待っているのか
何を回想しているのか

暑い日も寒い日も
あの老人は囁いている
誰を待っているのか
誰に話しているのか

近づ ....
君と僕は
別々に立てていた
旅行計画は

海を越えて
出会うはずだった
あの時まで

海峡は荒れ
橋は失われてしまった
いつか自転車は錆びれ

互いを知らないままに
紫陽花は ....
物語は語られて
語られるたびに
姿を変える

物語は硝子に映えて
地の図と混じり合い
姿を変える

物語は受像機を通り
壊れるまで繰返し流れ
姿を変える

そして猫たちは
物 ....

帰り道の田んぼ
二週間遅れで水が引かれてる
昨日まではいなかった蛙
賑やかな音に
夏の風
ようやく
生返った。
描いては消し
描いては消し
一枚の紙と
向き合って
どのくらいの時間を
費やしただろうか

あの時
陽だまりの中で
踊っていた水彩筆は
一本また一本と
姿を消した

あの時
 ....
君は帰ってきた
ここがどんなところであれ
君が帰ってきた
そこで何があったにせよ
君と帰ってきた
いまは街灯のない畦道を
君に帰ってきた
いずれ向かえるために
汽車
ぽっぽっ
しゅー しゅー
ガチャン
連結器は磁石でした
ゆるくて時々脱線しました
木工ボンドがあちこち
はみ出してました
そんな時代でした。

汽車
ピィィー
ぽっぽっ
 ....
私の小さな娼婦が
右膝を撃ちぬいた
祝祭日は凪に包まれて
杖音は霧の中に響くだろう。

お前には見えるか?
亜麻粒の打擲ははげしく
辺りを燃え上がらせる
全ての断片たちが
渦柱を昇っ ....
特製苗床を用意
鉢底石と赤玉と鹿沼と
なんだっけ?パーライト?。
熱湯で害虫(の卵)駆除
ないと思うけど念のため
さらに竹酢でカビ予防。
ソープストーンの種の包み紙を開いたら
薬包紙弾い ....
ぬるポカ土ットに身を寄せ合ってた僕たちは
モルフィネ盛り霧白い夜に大き薙ぎ鎌刈り取られて
出荷ポッポでどこ往き知らぬ。
樹の上の
雲の上の

なんの巣だか知ってる?

ぷうっとふくらんだ
ぼくたちの家
マシマロのソファーや
板チョコのテーブル
いっぱいいっぱい
運びこんで
はじけて終わり

祠 ....
ぼくは潜水艦になる
押し入れのハッチを閉じて
ながいながい航海にでる
まっ暗の中のひとすじの光は
消えることのない流れ星

ぼくは潜水艦になる
黒いごみ袋に入って
埠頭についたパパとマ ....
サンタさん サンタさん。
1年間いい人のフリをしていたご褒美に
サンタさん 私にサンタさんをください。
こき使ってあげますから
私にサンタさんをください。

サンタさん お部屋掃除しといて ....
膝のこぶには
小鬼が棲んでいて
はたちの誕生日に
こぶを切り開いて
出てきたの。

こんにちは
10年間お世話になりました
膝の中はとっても
ぽかぽかだったよ
僕は今から旅にでます ....
今日が明日に変わるころ
行き交う吐息が途切れます
朝陽が尾羽に掛かるころ
胡桃のしずくが凍ります
もしも鈴を落としたら
さらわれた願望を
あなたは探し続けるでしょう
もしも匙を拾うなら
 ....
かたかたタイプライター
歩いていった
壊れたままで
歩いていった
がたがたタイプライター
キーがこぼれて
水たまりから
空にこぼれた
ときどきタイプライター
パンチ叩いて
カーボン ....
光り冷たく無反射を散り散りに
形の取れない闇やみと取り囲み
遠くで海潮が轟くも響きゆかず
虚しく静寂の木霊去る
赤い綱渡り師
青い空の片隅に
白い乙女をみとめ
緑の海へまっ逆さま
こすもすもくもく
ゆけむりもくもく
おはなむずむず
おなかゆるゆる

よかぜぶるるん
こすもすゆらゆら
あかトタンやね
くずれておちた

いつかわらった
こすもすころころ
みづ ....
くろねこ(28)
タイトル カテゴリ Point 日付
ぼけなすび自由詩219/5/26 18:51
私と反省部屋 自由詩1*16/6/10 23:00
引越四姉妹自由詩0*16/3/11 21:55
光の泪に 自由詩1*16/2/14 22:07
里に下りた顛末 自由詩2*16/2/8 8:07
未来の数自由詩3*16/2/1 8:24
故郷自由詩0*16/1/21 21:56
未だ出航せず 自由詩0*16/1/20 21:25
真昼の肝試し 自由詩2*15/12/20 22:21
境界石はどこへいった 自由詩1*15/12/13 0:08
旅行計画自由詩0*15/11/23 22:55
物語物語自由詩115/4/4 22:28
水田自由詩413/5/23 23:50
一枚の画用紙自由詩411/5/12 23:21
共帰還自由詩110/8/21 23:30
汽車とおでかけ自由詩110/1/10 0:05
左目の魔法自由詩209/6/15 21:16
今日のご不幸自由詩109/2/12 21:48
出荷ポッポ自由詩108/2/11 23:53
しゃぼんだま その他の家自由詩207/10/15 0:21
潜水艦の季節自由詩1107/9/18 0:10
奴隷商人のクリスマス自由詩206/9/24 17:23
膝の小鬼自由詩306/1/18 2:17
交差自由詩205/11/10 0:25
こわれたよ自由詩5*05/9/20 1:31
無題自由詩105/9/18 12:46
裏切り自由詩105/9/8 15:13
こすもすのうた自由詩8*05/9/5 1:21

Home
0.07sec.