かえろう
帰れないのなら
せめて始まりのないところまで
かえろう
もし僕が帰らないのなら
一枚の紙が届くだろう
かえろう
その紙はもう何年も
夢みたもの
その紙を ....
ぴーちゃんが夜にきてから
楽しくなかった部屋の中も
楽しかったんだ
窓が割れるように
ぴーちゃんがなく
ぴーちゃん
なんでそんなに
大きな叫びを
あげるの
溶けて
....
本当に助けてほしい時に
手を差し伸べてくれるその手が
その人にとっての最悪であるとき
世界は善意に満ちて
輝いている
ミミズク コウモリ モグラ
皆見たことのない者たち
畑も 川も 想像上のものだった
それを
懐かしいというのだ
それを
素晴らしいというのだ
山脈のような背骨も 虚脱感も
みな 苦しい
山頂の光景は
すべてをなかったかのように
消し去ってくれる
メタやそういう条件で
視点を変える
それは
問題をただ消してくれる ....
私はみずからを「詐欺師」となのる空をみた。
丘だといって譲らないもののてっぺんで。
似ているものを似ていると呼ぶのなら
この空はあんまりにも似すぎているから
死二対シ
ワタくしは もっと
近くで 見てもらいたいのです
それは 死か? ということに
薬物が 刃物が ネクタイが
死では ナイでショウ?
もっと近くでみても 良いですか
少女は 聞 ....
想像上の鳥
想像した空を飛ぶ
想像した空に
想像した月
想像した太陽系は
想像した私の住む世界
月があることを忘れていたのは
決して僕が地下にいたからではないのです
けれどもつながりのない
偶然が
ゼリーのように冷蔵庫の隅で
また冷却するための振動が
伝わっていくマンホールの ....
ダンゴムシが数匹いる
足元ので猫がないているのだ
マンホールの下
水を吸って黒くなる雨の音が
傘から漏れて
地下に流れていく川の
どこへ続くのかを僕は知らない
....
死は結合された身体を
とく作業である
ほぐれていく身体はやがて二つにわかれ
それぞれ無のなかを漂う
互いが持っていた糸電話の
コップの裏に描かれていた顔は
ふたたびそれぞれ ....
運命とは。
戻ることはないから安心してもいい
並列された時間軸に迷いはなかった
それはみな意志の極限を指しているから。
時が鳴り響くように。
(私たちがモナドと呼んでいたもの) のよ ....
かなしみにあいにいこう
イドを掘って地下の水脈から
どこにもない抽象的なものに
‡音の出ない笛
書けない手紙
飛べないロケット
固定化された夏の行事と
....
ふってくるものがたとえ伝えたいことでなくても
私のところにふってくるのなら私がそれを伝えよう
どうしても走り出さずにはいられないのは
扉だけが幾つも私たちの家の中にあらわれるからである
....
たいていのものは皮膚と得体のわからないものでできていて
縫い込むのに使われた糸は電線として再利用されたものだ
さよなら 理解不可能なもの
7文字以内で喋れる言葉たち
もう永遠に会うことはない
永遠を定義することもない
Aへ
二人で共有できないことを
送ります
明日行くはずだったとこ
もう行ってしまった?
僕ももう少し
Aへ
階段の話
あれから
もうしていません
誰にもいうつもりもないです ....
崩れる 床はある
バール 自らの肢体
気は 私の気は
踊っている 縮退する
伸びた腕 足 首 目玉
這っていく 稲妻 名状せよ
名状せよ 名状せよ 名状せよ
そこに淀 ....
時間を忘れていた
海の音が聞こえていた
都市の音が聞こえていた
カラスの背に乗せられていた
飛翔していた
5時半の放送が
避難命令を出すときに
僕らは河原で遊ぶ
きっとどこ ....
あなたの中のいくつかを
あの子たちがもっているから
哀しまなくても
そうして
気がついている
ここにいる
と
命も精神も
肉体もつながっていない
あの子たちが
いるって
ことばのすみかに
ぼく といった
こうして 坂の上で出くわした
風景のように ぼくはいった
古ぼけた7階建てのマンション
のエレベータ
屋上にはあがれないから
階段で ....
子供と一緒に笑いながら読みました
解読された暗号が絵本がこぼれ落ちて流れて海へかえっていきます
昨日の子供はもう笑っていません
道のむこうがわでこちら側を向いてはこぼれ落ちて吸い込まれていき ....
そして多くの人とつながりあい
二度と同じ災害を起こさぬように誓い
異なる大きな災いをそれと期待せずに無意識に望みながら
ありがとう
たくさんの遺書が
風にのってゆれる
月もわらっている
ある殻
日曜の夜
あすの隙間
ひとつ
あすの隙間
ひとつ
ミシンの跡を辿って
路地を歩く
ネズミも
眠りもない
あすの隙間
ひとつ
あすの隙間
ひとつ
....
かなしいことでも かなしいとわかることが うれしいことであったり
かなしい と かなしい が じつはちがうことが わかってしまったりする
かなしい映画をみて かなしい家路
かなしい道には か ....
廃牛処理の男が日本を飛び越えていくよ
障子の影をゆっくり伸ばして
海峡を横断するほどに細く伸びた 白 黒 の 往来
世]界
人林の信号機の
濃く
縦横に
放射する
銃声
(あとは笑いだけ)
写真が
タイムラインが
次々と送られてきた
夏だ
統計上の誤差の範囲内に
隙間な く詰め込まれた宇宙の素体
橙 黄土
地球が双曲線状に裏返り
境界の反対へと反転を繰り返すときだけ
影がはっきりとみえる
衛星の発光
球体の宇-宙と ....
遠い海の向こうから
ようやくニューヨークに辿りついた
そして東京にも雨が降ったよ
うれしい
広島から長崎へ
ビルとビルが手を取りあい
血管と血管が結ばれて
無数の灰色の弾 ....
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