沢山の人が戻ってくる
色々なところから戻ってくる
本当に旅立ったその人が
戻ってきたのか
わからないまま
さよなら

帰り際
つぶやいてみた

机に向かって

何千回も言った言葉の
それが本当の
「感動」のキーワードで
出てきたページを
上から順に見ていった

Google先生
今この瞬間に
涙を流させてくれないか
どんな感動で良いから

明日には笑える
小さな悩みだったと ....
ただそれだけで
冷たい時空間に
相互に震える
フォノン
魔境へ行く駅のプラットフォームの
線路へと落ちる寸前に足をかけ

太陽から吐き出された黄土色の列車が
卍型の運転士を載せて

左腕ははるか星まで手に届く
やがて天鵞絨の空

列車が肩 ....
夜道
を往く

飛び出さぬように
胸に手をあて

前を屈んで
見れば

アスファルトの
地平線
そびえたつ


きっと
扉を開けたら
内臓物が
詰まってるから

 ....
それを知ったら

そこから始まるのは
あっけないほどの
晴れ渡った絶望


そうして
作家は自殺する
ほんとうのことは大事だからだれも話してくれない

そしてそれは教えられるものでもないから
「大人」はそれを子供達に教えようともしない

「世界」をいくら泳いでみても
ほんとうのことはわ ....
眠ることが
一歩だけ死に近づく
行為だとすると

波打ち際で波と遊ぶように
一歩近づいては後ろに跳びはねて

睡眠ごっこしよう
ヒロシが包丁を握っている
祥子はナイフを手にした
日常はなんともかけがえのないものなのに
サラサラと指の間から抜けてしまうような一日

何も変わらないものはないのはわかっているつもりでも
琥珀になって

世界中にそんな風に人間が住んでいる ....
駆け出しても 
 追いつかないから

立ち止まっては 
 見送っている

生活は僕らの延長線上にある
死ぬまで生きていいかい

伝令
死ぬまで生きよ
生きよ

駆け出していく ....
反転する宇宙は
双子の銀河を吸い込み
軋む

宇宙の音は
霊的な波動を含みつつ
真空の中を揺らぎ

密林で見つけた石の欠片が
宇宙だったとは
誰も気付かない

反転する宇宙は
 ....
一つの空
真っ白な夜に
稲妻の撓る

幾許かの柳
揺れ急ぎ
倒れ飛び出す

無限の退歩が
幾許かの
行き着く先のない
言葉を呼ぶ
地球の最後に立ち会えず消える
人類の最後の一人になれずに消える

誰かの最愛の人になれずに消える
夢の中で眠るように消える
誰にも気付かれずにそっと消える

物語の最終回答の答えとして消 ....
虚無の話をしよう
これが体内に巣食ってしまうと
人生が終わる

生きるってエネルギーの消費なんだ
虚無は
エネルギーを吸い取って
どこかへ捨ててしまう

生きるための意志
生きるた ....
月は
  か細い骨に結えられ
震えるように
  汚泥を吐き出す
 
空が
  骨で作られたドームを作り
隙間から漏れる光が
  手のひらで溶けていく
何をなくしてしまったのか わからないなら
それはわからないまま そっとしておけば良い

それはいつかきっと 自分から君をみつけるだろう
小さな痛みとして 君を傷つけることで

その血を流す ....
まるで神経が張り巡らされているように
私の神経が私を越えて
身の回りの人工物を覆い尽くし
神経節が夜陰に乗じて
あらゆる構造物に痛覚を持たせる

あらゆるものが会議にかけられ
その形が決 ....
建物の影が長く鴉の影を取り込むと
夜はちゅうちゅうと鴉の成分を吸い取りながらまあるくまあるく膨らんでいく
僕は少しだけ強くなりたくて
地面を蹴って歩き出した
つもりだったが

昨夜の雨のように
地上に散らばって光っている
星のように

蹴った地面はぬかるんでいて
思わず見ることになってし ....
幾百かの気泡が
持ち上がっては
何かに憑かれたかのように
海岸へと向かう

保ち続ける理由もなく
小さな音を立てては 
砂の上に影を残し
小さな飴は
すぐになくなってしまう


どうしてそんなに
哀しい顔をするの


毎日一つだけ


寂しさも
一つだけ


忘れてしまえるくらい
小さな




 ....
それから二人は

それからあの街は

それからあの星は

それから

あの大きなカーテンに包まっている
小さな星のように

生まれ
変わっていて
ほうら 空をかき 咲き乱れる花々の すきまを
ぬって 髪の分かれいく 人の根
草木 よ ゾラのかく 咲き乱れる花々
咲き乱れる花々
食い入るように
みつめた
新宿のあの店の
ように

ように


くだらない
あの

おく

人を搔き分け
泳いだ
手の

とどく
範囲




も ....
方向をみうしなった鳥が落ちる屋根の上に
座っていました体育座りで
ころころとまわりながら屋根を落ちていく二つの塊り
死を思う
自然のゲームの終わり
同時に私の終わり

私は負けたのか
それとも勝利して

死を思う
人間のほんとんどの行動は
なんてことはない
猿と同じ程度だ

私はこの猿の ....
結晶が綺麗だなんて
誰にだっていえる

それで
なんで綺麗だなんて
降ってくる雪の結晶の
一粒一粒が
見えるはずもないのに


夏も終わり
日焼けした首筋だけが
やけにヒリヒリ ....
雨降って
一つ

四角い

優しさを幾つか
重ねて

傷がついた分
優しくなったね

そうしてどれだけ
優しくなれば良い?

海を包み込むように
佐藤伊織(359)
タイトル カテゴリ Point 日付
戻ってくる自由詩010/6/2 22:56
さよなら自由詩010/6/2 1:21
キーワード自由詩010/6/2 1:17
フォノン自由詩010/5/30 21:10
自由詩010/5/15 0:03
夜道自由詩110/4/29 21:11
理由自由詩010/4/20 23:03
ほんとうのこと自由詩210/4/13 21:59
眠り[group]自由詩410/4/7 17:05
お茶の間自由詩0+10/4/5 23:33
[group]自由詩210/4/4 23:31
伝令[group]自由詩010/3/13 17:38
反転する宇宙[group]自由詩310/3/13 17:09
真っ白な夜に自由詩010/3/13 16:53
消える自由詩210/3/5 15:54
虚無の話自由詩110/2/28 14:11
[group]自由詩210/2/19 21:05
何をなくしてしまったのか自由詩210/2/16 19:14
構造体自由詩110/2/10 17:34
[group]自由詩110/2/8 21:02
僕は少しだけ強くなりたくて自由詩210/1/17 22:18
気泡自由詩109/12/12 0:15
自由詩109/11/27 23:37
それから自由詩009/11/23 23:02
花々自由詩209/11/22 1:10
おく自由詩109/11/21 1:10
[group]自由詩309/10/25 14:50
死と猿自由詩009/10/25 14:39
夏の終わり自由詩109/9/12 2:45
優しさ自由詩309/9/12 2:34

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